エピソード50:黒騎士との戦い - Part 3
暗黒のオーラに包まれた黒騎士は、まさに闇の魔法を解き放とうとしていました。ハノカは、水晶の球体を握りしめ、メルビンに必死に呼びかけました。
「メルビンさん! どうすれば黒騎士の闇の魔法を止められるんですか?」
「…闇の力を打ち消せるのは、対となる光のみだ。だが、おまえはまだ光の魔法を使いこなすことができない…!」
メルビンの焦り混じりの声が、ハノカの耳に届きました。絶体絶命のピンチ。このままでは、村の人たちはもちろん、王国全体が闇に飲み込まれてしまうでしょう。
しかし、ハノカは諦めませんでした。王城の図書館で見た、古びた魔法の書物のことを思い出します。その書物には、強力な「白の魔法」が記されていたのです。
「…メルビンさん! もしかしたら、あの白の魔法が使えるかもしれないんです!」
ハノカは、記憶を頼りに、水晶の球体から離すと同時に、腰に下げていた革の鞄の中から、古びた魔法の書物を取り出しました。
ページをめくり、白の魔法の詠唱文を探し出します。詠唱文は、難解なものでしたが、ハノカは必死になって唱え始めました。
「…光よ、集え! 闇を祓い、希望をもたらせ! 汝の名は、グランツ・シエル…!」
詠唱文を唱え終えた時、ハノカの身体から眩い光が放たれました。その光は、黒騎士が放とうとしていた闇のオーラを押し戻すかのように、周囲に広がっていきます。
闇と光がぶつかり合い、辺りは一瞬、目眩がするほどの閃光に包まれました。視界が回復すると、黒騎士が怯えた表情で後ずさっていました。
「…なんだ…これは…!? こんな…こんな光は…!」
黒騎士は、初めて恐怖におびえるような声を漏らしました。ハノカは、今までとは比べ物にならないほどの力を漲らせていました。
「…白の魔法… 目覚めたのか…!」
メルビンの声が、驚きと安堵が混じったような調子で響いてきました。
「ハノカ! 彼は怯んでいる! 今だっ!」
エドワードの声が聞こえたのと同時に、森の中から、セシリアとシアンの姿が飛び出してきました。二人は、ハノカたちが黒騎士と戦っていることを察知し、駆けつけてくれたのです。
ハノカは、エドワード、セシリア、シアンとアイコンタクトをとり、息を合わせました。そして、一斉に黒騎士に向けて攻撃を仕掛けました。
ハノカは、白の魔法を駆使して、黒騎士の動きを封じ込め、エドワードは剣技で黒騎士の隙を突き、セシリアは弓矢で闇の魔法を放ち、シアンは回復魔法で仲間たちを援護します。
黒騎士は、ハノカが覚醒させた白の魔法の前に圧倒され、次第に追い込まれていきました。
果たして、ハノカたちはこのまま黒騎士を倒すことができるのでしょうか? そして、黒騎士の背後にいる、闇の魔法使いの真の目的とは?




