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エピソード5 伝説の魔法使いと過去の真実

伝説の魔法使いを探す旅は、容易なものではなかった。学院長からの情報は、断片的なものばかりだった。魔法使いはかつてエーテルワルド学院に在籍していたが、ある事件をきっかけに学院を去り、消息を絶ったというのだ。


手がかりを求め、学院の古い図書館に通い詰めになった。埃をかぶった分厚い歴史書をひっくり返し、伝説の魔法使いについての記述を探した。しかし、情報は少なく、どれも断片的で、魔法使いの名前すら特定できなかった。


ある日、図書館の奥まった棚で見つけた一冊の古文書が、わずかな希望の光となった。それは、学院創設期の様子を記した年代記だった。その中には、伝説の魔法使いにまつわると思われる記述があった。


「…白き光を操る魔法使い、アリア。類稀な才能を持ち、闇の勢力との戦いで多くの功績を挙げたが、ある日突然姿を消した。学院を追放されたという噂もあるが、真相は不明である…」


白き光を操る魔法使い、アリア。学院長の話と合致する部分があり、これが伝説の魔法使いではないかと期待が高まった。しかし、年代記には、アリアが姿を消した理由については触れられていなかった。


シアンと共に、図書館でさらに調べを進めた。そして、ようやく、アリア失踪の真相に迫る記述を見つけた。それは、学院に伝わる古い巻物の中にあった。


巻物には、学院と闇の勢力との激闘が記されていた。そして、その戦いのクライマックスで、アリアは闇の魔法使いと一騎打ちになり、双方共に力を使い果たし、消息を絶ったというのだ。


「…アリアは戦いで死んだのではないのかもしれない」


シアンは、驚きを隠せない様子だった。だとすれば、アリアはまだ生きている可能性がある。しかし、消息を絶ってから何百年も経っている。果たして、彼女をどうやって見つければいいのだろうか?


途方に暮れていた時、白い猫が、またもや鍵を握っていた。図書館の一室で、ある絵画の前に何度も鳴いていたのだ。その絵は、学院創設時のメンバーと思われる数人の魔法使いが描かれたものであった。


絵の中央には、穏やかな微笑みを浮かべた女性が描かれていた。金色の髪に碧い瞳を持ち、どこか見覚えのある顔立ちだった。そして、その女性の胸元には、特徴的な装飾品が輝いていた。


「…これだ!」


私は、叫び声を上げた。絵の中の女性が身に着けていた装飾品こそ、失われたとされていた「白き光の護符」だった。伝説の魔法使い、アリアのトレードマークだったのだ。


「…もしかしたら、アリアは姿を消したのではなく、どこかに隠れているのかもしれない」


学院長にこの推理を話すと、彼は少し考え込んだ後、納得したように頷いた。


「…確かにその可能性はありますね。アリアは闇の魔法使いと相討ちになった後、何らかの理由で姿をくらましたのかもしれません。そして、どこかに隠れて、闇の勢力の復活を阻止しようとしているのかもしれません」


しかし、問題はアリアがどこに隠れているのかだ。手がかりは絵画の中のアリアが着けていた「白き光の護符」だけだった。


「…もしかしたら、白き光の護符が隠されている場所に行けば、アリアにも会えるかもしれない」


図書館で、白き光の護符についての記述を再び探し始めた。すると、ある魔法道具の解説書の中に、白き光の護符が封印されている場所についての記述を見つけた。


それは、学院から遠く離れた、険しい山脈を越えた先ににあるという、いにしえの魔法都市の遺跡だった。かつては強力な魔法使いたちが暮らしていたというその都市は、現在は廃墟となり、人影もまばららしい。


だが、他に手がかりはない。伝説の魔法使いを探し出すため、そして闇の魔法の脅威を完全に消滅させるため、私たちは学院を出発し、いにしえの魔法都市へと向かう旅に出ることを決意した。


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