エピソード48:北の村にて
ハノカとエドワードは、険しい山道を越え、ようやく北の村に到着しました。しかし、彼らの目に映ったのは、穏やかな村ではなく、焦土と化した荒廃した光景でした。
倒壊した家屋、焦げた地面、そして気を失った村人たちが散乱しています。辺りは不気味な静寂に包まれ、空には一羽の鳥の姿も見当たりません。
「…なんてひどい光景だ…」エドワードは、言葉を失くし、拳を握りしめました。
「メルビンさん、何か情報はないでしょうか?」ハノカは、水晶の球体に触れ、メルビンの声を頼りにしました。
「…村人は闇の魔法によって眠りに落とされたようだ。幸いにも、命の危険はない。」メルビンの声が、ハノカの耳に直接響いてきました。
「闇の魔法… だとすれば、闇の魔法使いはまだ近くにいるかもしれないな。」エドワードは、辺りを警戒しながら呟きました。
二人は、気を失った村人を安全な場所に集め、手当てを施しました。ハノカは、メルビンの力を借りて、怪我をした村人を癒す回復魔法も使いこなせるようになっていました。
しばらくすると、一人の村人が目を覚ました。老婆は、ハノカとエドワードを見て安堵の表情を浮かべました。
「…助けてくれてありがとう、若い者たち。一体、何が起こったんだい?」
ハノカは、老婆に闇の魔法使いの襲撃と、村人たちが眠らされたことを説明しました。老婆は、顔を曇らせて話しました。
「…闇の魔法使い… 奴らは昔から、この村を度々襲ってくるんだ。今回は、特に酷いようだ。」
「闇の魔法使いは、何か目的を持って襲撃しているのでしょうか?」エドワードが、老婆に尋ねました。
「…それは分からない… 奴らはいつも、わけの分からない言葉を叫びながら襲ってくるだけだ。」老婆は、首を横に振りました。
老婆の話からも、闇の魔法使い集団の目的は掴めませんでした。しかし、ハノカたちは、襲撃された村を復興させるために、残った村人たちと協力し合うことにしました。
数日が経ち、村の復興作業も少しずつ進んでいました。そんなある日、ハノカは、森の方角から不穏な気配を感じました。
「…メルビンさん、何か感じませんか?」ハノカは、水晶の球体に触れました。
「…闇の気配を感じる… 奴らが再び現れたようだ。」メルビンの声が、ハノカに告げました。
「…ついに来たか。」エドワードは、剣を手に取り、身構えました。
訓練を重ね、メルビンの力を使いこなすようになってきたハノカでしたが、闇の魔法使い集団との直接対決は初めてのことでした。
緊張が高まる中、森の中から不気味な笑い声が響き渡り、闇に包まれた人影たちが姿を現しました。
「…貴様たちが、この村の人間たちを守ろうという者か? ならば、我々の邪魔をするな!」
闇魔法使いのリーダーと思われる人物が、高圧的な声で言い放ちました。
ハノカは、エドワードとアイコンタクトをとり、覚悟を決めた表情で返しました。
「…この村の人たちを守るために、我々は戦う! 闇の魔法使いども、この場を去れ!」
ついに、ハノカとエドワード、そして闇の魔法使い集団との直接対決が始まろうとしていました。




