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エピソード43 封印されし者

エピソード43 封印されし者 (約2500文字)

王城の地下深くへと続く通路を抜け、私たちは巨大な鉄扉の先へと辿り着きました。


扉を開くと、薄暗い通路が続いており、壁にはぼんやりと光る魔法陣が浮かんでいました。


通路をしばらく進むと、視界が開け、広めの空間に出ました。


空間の中央には、石造りの台の上に、古びた水晶の球体が置かれていました。


水晶の球体は、まるで、内部に何かが閉じ込められているかのように、かすかに光を放っていました。


「…これが、次の試練の場所なのかもしれないな…」


シアンは、水晶の球体を指さしながら、呟きました。


しかし、この水晶の球体は何なのか、そして、どうすればいいのか、私たちは見当もつきませんでした。


ただ、この空間に入った瞬間から、何者かの視線を感じるような、不気味な感覚が襲ってきました。


私たちは、慎重に、水晶の球体へと近づいていきました。


すると、空間の奥から、不気味な声が響き渡りました。


「…愚かな者どもが…この場所に辿り着くとは…」


声が、空間の暗闇の中から、まるで、這い出てくるようにして聞こえました。


私たちは、驚いて、辺りを見回しました。


空間の奥、壁際に、巨大な影が浮かんでいました。


影は、ゆっくりと、その姿を現し始めました。


それは、骸骨のような姿をした、巨大な怪物でした。


怪物は、無数の目玉がついた頭、そして、鋭い爪を持った長い腕を持っていました。


「…わ…怪物だ!」


セシリアは、怯えた声で叫びました。


私たちは、慌てて、武器を構えました。


「…ようやく…解放の時が…来たのだ…」


怪物は、不気味な声で話し続けました。


「…お前たちが、この封印を解こうとしているのか?」


そして、怪物は、水晶の球体の方を睨みつけました。


私たちは、怪物と水晶の球体、そして互いを見つめ合いました。


状況が、全く理解できませんでした。


「…一体、何が起きているんだ?」


シアンは、怪物に向かって、震える声で尋ねました。


「…この水晶の中には…かつて、この城を恐怖に陥れた…邪悪な魔法使いが封印されているのだ…」


怪物は、ゆっくりと、言葉を紡ぎました。


「…そして、お前たちは…その封印を解こうとしているのか?」


私たちは、お互いに顔を見合わせました。


「…封印を解くつもりなんてないぞ! この試練を突破するためだけにここに来たんだ!」


エドワードは、怪物に向かって、叫びました。


「…試練? ふざけるな! この封印は、決して解かれてはならないのだ!」


怪物は、激昂した様子で叫び声を上げました。


「…我々は、この城を守る番人だ! この邪悪な魔法使いを再び、この世に解放させるわけにはいかない!」


怪物は、怒りに震えた声で話し続けました。


どうやら、私たちは、王家の試練を突破しようとしていたのではなく、封印を解こうとする存在と間違えられてしまったようです。


「…誤解だ! この水晶の球体に触れれば、試練を突破できると思っていただけなんだ!」


セシリアは、必死に、事情を説明しようとしました。


しかし、怪物は、聞く耳を持ちませんでした。


「…嘘を言うな! 我々は、お前たちの企みを阻止する!」


怪物は、そう叫びながら、襲い掛かってきました。


私たちは、急いで、身をかわしました。


怪物は、巨大な爪を振り回し、通路の壁を粉々に砕きました。


「…このままじゃ、やられてしまう! 戦うしかないな!」


シアンは、剣を構えて、叫びました。


私たちは、力を合わせて、怪物に立ち向かうことにしました。


エドワードは、剣技を駆使して、怪物に斬りかかりました。


シアンは、敏捷な動きで、怪物の間合いをすり抜け、矢を放ちました。


セシリアは、魔法を使い、モンスターの動きを阻害しようとしました。


しかし、怪物は、あまりにも巨大で、力強く、私たちの攻撃は、ほとんど効いていないようでした。


私たちは、次第に、追い詰められていきました。


「…このままでは…まずいな…」


エドワードは、息を切らしながら、呟きました。


私たちは、絶体絶命のピンチに陥りました。


その時、ふと、私は、水晶の球体を思い出しました

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