表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/157

エピソード36 罠と試練

扉を開けた先に広がっていたのは、薄暗い通路だった。


壁は、むき出しの石組みになっていて、所々に、ぼんやりと光る苔が生えていた。


通路は、少し下に向かっており、ひんやりとした空気が漂っていた。


私たちは、エドワードの指示に従い、一歩一歩、慎重に進んでいった。


しばらく歩くと、通路は、いくつかの分かれ道に分かれていた。


「…地図によると、『封印の間』はこの先のはずだ。だが、この分かれ道には、罠が仕掛けられている可能性がある」


エドワードは、心配そうに言った。


私たちは、エドワードが持ってきた古い羊皮紙の地図を広げて、道を確認した。


地図には、通路だけでなく、部屋や罠の位置などが記されていた。


「…この地図によると、この分かれ道には、床が崩れ落ちる罠と、天井から矢が降り注ぐ罠が仕掛けられているらしい」


セシリアは、地図を見ながら説明した。


「…どちらの道を行けばいいんだ?」


シアンは、眉間にしわを寄せながら尋ねた。


「…地図を見る限り、どちらの道を行っても、罠を回避することはできないようだ」


エドワードは、地図を眺めながら答えた。


「…ということは、どちらかの罠を突破するしかないのか…」


私は、少し緊張しながら言った。


エドワードは、うなずき、


「…そうだ。だが、どちらの罠の方が突破しやすいだろうか…」


と呟いた。


私たちは、地図と通路を交互に見ながら、作戦を練り始めた。


シアンは、剣を握りしめ、


「…床が崩れ落ちる罠なら、よほど注意していれば、なんとか回避できるかもしれない」


と言った。


「…だが、天井から矢が降り注ぐ罠は、回避するのが難しそうだ…」


セシリアは、心配そうな表情を浮かべた。


私たちは、しばらく話し合った後、床が崩れ落ちる罠のある道を選ぶことに決めた。


慎重に、一歩一歩、床を踏みしめながら進んでいった。


シアンは、床の石畳を、杖で叩いて、強度を確認していた。


「…今のところ、大丈夫そうだ…」


シアンは、小さく呟いた。


しかし、通路を半分ほど進んだ頃、突然、床の一部が、不気味な音を立てて、崩れ落ち始めた!


「…危ない!」


エドワードが叫んだ。


私たちは、反射的に、後ろに飛び退いた。


崩れ落ちた床の下は、深い穴になっていて、そこから、冷たい風が吹き上がってきた。


「…やられた…地図には、この罠の位置しか記されていなかった…」


エドワードは、悔しそうに言った。


私たちは、穴の周りを囲み、下に落ちないように気をつけながら、次の作戦を考えた。


「…このままでは、先に進めないな…なんとか、この穴を飛び越えるしかないのかもしれない」


シアンは、穴の幅を測りながら言った。


「…でも、この穴は、かなり広そうだ…シアンには、到底飛び越えられないと思う」


セシリアは、シアンのことを心配そうに見つめた。


「…俺なら、なんとか飛び越えられるかもしれない」


エドワードは、一歩前に出て、言った。


しかし、エドワードは、かなり年配だった。


「…エドワードさん、無理しないでください! あなたが落ちたら、助けることはできません!」


セシリアは、エドワードを制止した。


「…他に方法はないのか?」


私は、考え込んだ。


その時、ふと、本棚の中で読んだ、とある冒険譚の一節が頭に浮かんだ。


その冒険譚の中では、主人公が、仲間を助けるために、蔓を使って、崖を登っていた。


「…もしかしたら…」


私は、ひらめいたように声を上げた。


「…もしかしたら、この通路の壁に生えている苔を利用できるかもしれない!」


通路の壁には、所々に、ぼんやりと光る苔が生えていた。


「…この苔を、なんとかして、ロープのように編むことができれば、穴を飛び越えるための補助にすることができるかもしれない!」


シアンは、私の言葉を聞いて、目を輝かせた。


「…いい考えかもしれない! 私が、苔を編むから、シアンとセシリアは、穴の周りを調べて、下に落ちないように気を配っていて!」


私は、カバンの中からナイフを取り出し、苔を切り始めた。


シアンとセシリアは、私の指示に従い、穴の周りを調べた。


苔は、思ったよりもしっかりしていて、編





エピソード36 罠と試練 (続き)

苔は、思ったよりもしっかりしていて、編むことができました。


少しずつ、少しずつ、苔を丈夫なロープ状にしていきました。


シアンとセシリアは、穴の周りを調べながら、落ちないように気を配ってくれました。


ようやく、十分な長さの苔ロープが完成しました。


「…できたぞ! これなら、なんとか飛び越えられるかもしれない!」


私は、苔ロープをシアンに渡しました。


シアンは、苔ロープの一端を、通路の頑丈そうな出っ張りに結びつけました。


そして、もう一方の端を持ち、深呼吸をしました。


「…いくぞ!」


シアンは、叫ぶと、助走をつけて、苔ロープを使って、穴に向かって飛びかかりました。


シアンは、見事、穴を飛び越えることに成功しました!


そして、穴の反対側の、安全な場所にしっかりと着地しました。


「…やった! シアン、できたぞ!」


私は、安堵の声を上げました。


シアンは、苔ロープを引っ張り、穴の縁まで持ってきました。


私たちは、慎重に、苔ロープを使って、穴を一つずつ渡り越えていきました。


エドワードは、年配でしたが、シアンが手助けをしたおかげで、なんとか穴を渡り切ることができました。


こうして、私たちは、床が崩れ落ちる罠をなんとか突破し、先に進むことができました。


罠を突破した後は、さらに慎重に、通路を進んでいきました。


しばらく歩くと、通路は、再び、いくつかの分かれ道に分かれていました。


「…地図によると、ここからは、少し複雑な道になっているようだ」


エドワードは、地図を広げて、確認しました。


「…いくつかの部屋があるみたいだ。その中には、宝物が隠されている部屋もあるかもしれない」


セシリアは、地図を見ながら、興味津々な様子で話しました。


「…宝物は魅力的だが、今は、一刻も早く、『封印の間』を目指すのが優先だ」


エドワードは、きっぱりと言いました。


私たちは、エドワードの言うとおり、『封印の間』の方向へ向かって、通路を進んでいきました。


途中、いくつか、扉が閉ざされた部屋を見つけました。


そのうちのいくつかは、施錠もされており、開けることができませんでした。


「…もしかしたら、鍵が必要なのかもしれないな…」


シアンは、呟きました。


私たちは、鍵を探しながら、慎重に進んでいきました。


また、分かれ道の一つには、金属製の扉が立ちはだかっていました。


その扉には、複雑な魔法陣が刻まれていました。


「…これは、魔法の扉だ。施錠されているだけではなく、魔法の力で守られているようだ」


エドワードは、心配そうな表情を浮かべました。


私たちは、魔法の扉の前で立ち尽くし、どうすればいいのか、しばらく考えこみました。


セシリアは、魔法陣をじっと観察し、本の中から、魔法に関する知識を必死に思い出そうとしていました。


シアンは、剣を鞘から抜き、警戒を怠っていませんでした。


そして、私が、ふと、魔法の扉に刻まれた魔法陣と、以前見た水晶に刻まれていた魔法陣との類似性に気づきました。


「…もしかしたら…」


私は、呟きました。


そして、エドワードに、水晶のことを話しました。


エドワードは、話を聞いた後、魔法の扉と水晶とを見比べました。


「…なるほど…確かに、この魔法陣と、水晶に刻まれていた魔法陣は、似ているな…」


エドワードは、考え込んだ後、


「…もしかしたら、この水晶を使って、扉を開けることができるかもしれない」


と、言いました。


私たちは、半信半疑ながらも、水晶を魔法陣に近づけてみました。


すると、水晶が、再び、激しく輝き始めました。


そして、魔法陣が光を放ち、金属製の扉が、ゆっくりと、開いていきました。


「…やった! 本当に開いた!」


セシリアは、驚きと喜びの声を上げました。


私たちは、慎重に、魔法の扉を開けて、その向こう側へと進んでいきました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ