エピソード29 復興への第一歩と新たな手がかり
霧が晴れた古城は、想像以上に荒廃していた。剥落した壁、荒れ果てた庭園、そして、埃まみれの部屋の数々。かつての栄華を偲ばせるものは、石像やタペストリーなど、一部に残るのみだった。
「…随分と荒れているな。復興させるには、かなりの労力を要しそうだ」
シアンは、あたりを見回しながら、呟いた。
「…そうだね。でも、騎士団長の願いを叶えるためにも、諦めるわけにはいかない。まずは、村の人たちに協力を仰いでみよう」
私は、未来の歴史書を取り出して、霧に包まれた古城に関する記述がないか、もう一度確認してみた。
すると、一ページ目に、白紙だったはずの場所に、新たな文字が浮かび上がっていた。
「…霧が晴れたなら、城の地下にある隠し通路を進め。その通路の先に、伝説の盾が眠っている」
それは、まるで、霧が晴れるのを待って、文字が浮かび上がったかのようだった。
「…伝説の盾の在処についての情報が…!」
私は、シアンに、未来の歴史書の内容を話した。
シアンは、驚いた表情を浮かべて、
「…なるほど。霧が晴れるのを待って、初めて現れる情報なのか。さすがは未来の歴史書だな」
と、感心したように言った。
私たちは、村の人々を訪ね、霧が晴れた古城のこと、そして、復興させたいという思いを話した。
最初は、伝説の存在を疑っていた村人たちも、霧が実際に晴れたのを見て、協力を約束してくれた。
村人たちの中には、かつて、この城に仕えていた騎士団の末裔もおり、復興作業は予想以上にスムーズに進んだ。
壊れた壁は修復され、荒れた庭は整備され、埃まみれの部屋は掃除されていった。
古城の復興作業を進めながら、私たちは、城の地下にあるという、伝説の盾を探すことにした。
城の地下への入り口は、中庭にあった石像の台座の下に隠されていた。
石像を動かし、階段を降りると、薄暗い通路が続いていた。
通路は、古びた石畳が敷かれ、湿った空気が漂っていた。
私たちは、懐からランプを取り出し、その明かりを頼りに、通路を慎重に進んでいった。
通路をしばらく進むと、分かれ道が現れた。
「…どちらへ行けばいいんだろう?」
私は、シアンに尋ねた。
シアンは、地図を広げて、
「…未来の歴史書には、通路の詳細な情報は記されていないな。だが、この地図には、地下には水路が通っているらしいことが記されている」
と、言った。
「…水路か…もしかしたら、その水路が手がかりになるかもしれない」
私たちは、地図を見ながら、水路の方向へと進んでいった。
しばらく進むと、通路は水路に変わり、足元には浅い水が流れていた。
「…水路の中を進むのか…ちょっと気持ち悪いな」
私は、少し顔をしかめた。
シアンは、笑って言った。
「…仕方ないだろう。伝説の盾を手に入れるためには、我慢するしかない」
水路の中を、腰をかがめながら進んでいくと、ようやく、行き止まりに辿り着いた。
「…行き止まりか…失敗したか?」
がっかりしかけたその時、壁の一部に、古びた鉄格子が見えた。
その鉄格子は、錆びついていて、鍵がかかっていた。
「…もしかしたら、この鉄格子を開ければ、先に進めるのかもしれない」
私は、シアンに話しかけた。
シアンも、鉄格子を見て、
「…そうだね。鍵さえあれば、開けられるかもしれないな。だが、鍵はどこにあるんだろう?」
私たちは、あたりを見回したが、鍵は見つからなかった。
「…また、行き止まりになってしまったか…」
私は、少し肩を落とした。
その瞬間、通路の奥の方から、水がドドドと音を立てて流れ出す音が聞こえてきた。
そして、水位がみるみるうちに上昇してきた。
「…水位が上がってきた! 早く脱出しないと!」
シアンが、叫んだ。
私たちは、慌てて、来た道を戻った。
なんとか、水路から抜け出ると、通路の天井から水が染み出してきていた。
「…このままでは、この通路は水没してしまうかもしれない! 早く地上に出よう!」
シアンに促されて、私たちは急いで階段を駆け上がった。
地上に出ると、




