エピソード20 灼熱の試練と芽生える想い
太陽の神殿は、長い時を経て風化していたものの、その威容は失われていなかった。
入口には、巨大な石像が二つ並んでいた。片方は剣を構えた勇ましい戦士の姿、もう片方は、太陽のような光を放つ杖を持った賢者のような姿をしていた。
「…この像は、おそらく、過去の英雄たちだ。歴史書によると、太陽の剣を守る試練が待ち受けているはずだ」
私は、歴史書で読んだことを思い出しながら、石像の前で呟いた。
シアンは、剣を手にし、身構えた。
「…試練の内容はわからないけど、敵意を持って近づかなければ大丈夫かもしれない。まずは、挨拶をしてみるか」
シアンが、そう言って、石像に向かって一礼をした。
すると、石像の目が、一瞬、赤く光った。そして、神殿の奥から、ゴゴゴという音が響き渡った。
「…どうやら、試練が始まったようだ」
アリアは、白き光の護符を手に警戒した。
神殿の奥からは、炎を纏った魔物たちが次々と現れてきた。灼熱の砂漠に棲む魔物らしく、見るからに強そうだった。
「…行くぞ! 皆んなで協力して、倒すんだ!」
シアンが、叫ぶと、私とアリアもそれに応えた。
激しい戦いが始まった。シアンは、剣技を駆使して炎の魔物たちを次々と切り伏せていった。アリアは、白き光の力を使い、魔物たちを浄化していった。
私も、歴史書で学んだ魔物の弱点を利用して、魔法を使いながら戦った。
戦いは、想像以上に熾烈 (しれつ) を極めた。炎の熱気で息苦しくなり、何度も倒れそうになった。
だが、仲間の声援に勇気づけられ、再び立ち上がった。そして、必死の戦いの末、なんとか全ての魔物たちを倒すことができた。
試練を突破したのか、神殿の奥から、再びゴゴゴという音が鳴り響いた。
そして、石畳が隆起し、祭壇が現れた。その祭壇の上には、一際強い光を放つ剣が置かれていた。
「…これが、太陽の剣か…」
私は、興奮を抑えられずに呟いた。
伝説の武器を目の前にし、歴史オタクとしての血が騒いだ。
だが、その瞬間、セシリアが、苦悶の表情を浮かべて倒れ込んだ。
「…セシリアさん! どうしたんですか?」
私は、慌ててセシリアに駆け寄った。
セシリアは、顔を青白らせて、かすかな声で言った。
「…魔物との戦いで、無理をしてしまったようです。歴史の狭間を越えてきた時の傷が…悪化してしまったみたいです」
「…それは大変だ! アリアさん、セシリアさんを治せる魔法はありませんか?」
私は、焦りながらも、アリアに尋ねた。
アリアは、セシリアの脈を診た後、眉間にしわを寄せた。
「…セシリアさんの言う通り、歴史の狭間からの傷が悪化しているようだ。回復させるには、強力な回復魔法が必要だけど…」
アリアは、言葉を濁した。白き光の護符の力が弱まっているため、強力な回復魔法が使えないのだ。
絶望しかけ




