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エピソード12 継承された意志と歴史の重み

闇魔法使いの不敵な笑みが、薄暗い隠し部屋の中に響き渡った。私は咄嗟にシアンの方向に叫んだ。


「シアンさん! この部屋に闇の魔法の源がある! 早く来て!」


シアンは、学院の門の前で激闘を繰り広げていたが、私の叫び声を聞きつけると、アリアに合図を送った。


二人は、一騎打ちを中断して、急いで図書館へと向かってきた。


闇魔法使いは、私を人質に取ろうとした。鋭い刃物を突きつけられ、一歩も動けなくなった。


「…動くな。さもなければ、この小僧の命はないぞ」


闇魔法使いは、不敵に笑って言った。私は、白き光の護符の力を借りようと試みたが、恐怖で体が震えてしまい、思うように力が込められなかった。


その瞬間、部屋の入り口が激しく破られ、シアンが飛び込んできた。闇魔法使いは、私から目を離し、シアンに襲い掛かった。


二人は、激しい魔法の応酬を始めた。シアンは、これまで以上に強力な魔法を放っていた。白き光の護符の力を使いこなしているように見えた。


どうやら、シアンは、私がいない間に、白き光の護符から力を借りる方法を習得していたようだ。


私は、安堵感とともに、少し悔しさも込み上げてきた。自分が役に立てないもどかしさを感じた。


だが、今自分がすべきことは、ただ傍観していることではない。歴史オタクとして学んできた過去の英雄たちの勇気や、人々の想いを思い出そうとした。


そして、白き光の護符に意識を集中させた。すると、護符から、かすかな声が聞こえてきた。


「…力を貸して…」


それは、アリアの声だった。


「…私だけでは足りない…この闇の魔法を消滅させるには、皆んなの力が…歴史の重みが…必要なのです…」


アリアの声は、弱々しく震えていた。どうやら、闇魔法使いとの激闘で、かなり消耗しているようだった。


私は、歴史書で学んだ過去の英雄たちのことを思い浮かべた。彼らも、自分一人で強大な敵に立ち向かったわけではない。仲間たちと協力し、人々の想いを背負って戦ったのだ。


そして、白き光の護符を高く掲げた。


「…歴史の力を借りる!」


すると、白き光の護符から眩い光が放たれ、部屋全体を包み込んだ。そして、その光は、図書館の外へ、学院全体へと広がっていった。


光に包まれた瞬間、私は、過去の英雄たちの姿が、幻のように見えた。剣を振るう勇ましい戦士、杖を持つ賢者、そして、魔法を使う魔法使いたち。


彼らからは、強さだけではなく、優しさや、諦めない心といったものが伝わってきた。それは、歴史の重みが、白き光の護符を通して、私に力を与えてくれているかのようだった。


光が消えると、闇魔法使いの姿は消えていた。どうやら、白き光の護符と、歴史の力が合わさったことで、闇魔法使いは浄化されたようだ。


部屋の中央にあった黒い石像も、ボロボロと崩れ落ちていった。闇の魔法の源が消滅したのだ。


シアンが、安堵した表情で私の元に駆け寄ってきた。


「…大丈夫だったのか?」


「…うん、なんとか」


私は、少し震える声で答えた。そして、シアンと一緒に、部屋の外に出た。


外では、アリアたちが、ほかの闇魔法使いたちを倒していた。学院を守るための戦いは、ようやく終結した。


あたりには、静けさが戻ってきた。だが、今回の戦いで、学院は大きな被害を受けた。多くの建物が壊され、負傷者も出ていた。


しかし、闇の魔法の根源は消滅した。長い戦いの、ようやくの第一歩だった。


アリアは、私たちの前に歩み寄り、感謝の言葉を述べた。


「…皆さんのおかげで、闇の魔法の根源を消滅させることができました。本当にありがとうござます」


シアンが、少し照れくさそうな表情で頭を下げた。


「…こちらこそ、助けていただいて…それに、白き光の護符の使い方は、あなたのおかげです」


アリアは、優しく微笑んで、私の方を向いた。


「…そして、あなた。歴史オタクとしての知識が、今回の戦いで大きな役割を果たしてくれました。歴史

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