シーズン3エピソード6: 学園の幽霊騒動
爽やかな風が吹き抜ける6月、アステリア学園はいつも通りの活気に満ちていた。しかし、ある日の放課後、何やら不穏な噂が流れ始めた。
「ねえ、最近、図書館で幽霊が出るって聞いたんだけど本当?」
クラスメート同士がそそくさと話し合っているのを、ハノカは耳にした。
「幽霊? そんなのデマでしょ」
ヴィヴィアンは、眉をひそめながら言った。
エドワードは、少し心配そうに口を開いた。
「でも、最近図書館の利用者が減っているのは事実です。人気のない古い本棚とか、ちょっと不気味ですよね…」
ティントは、いつも通り穏やかな笑みを浮かべていたが、なぜか少し目が泳いでいるように見えた。
噂の真偽を確かめるべく、ハノカたちは放課後に図書館へと向かった。
薄暗い館内は、ひっそりと静まり返っていた。古びた本棚が所狭しと並び、どこからともなく埃っぽい匂いが漂ってくる。
「…ちょっと、不気味かもね」
エドワードは、震える声で言った。
ヴィヴィアンは、腕を組み、あたりを警戒するように見回した。
突然、本棚の奥から、物音がした。
「キャーッ!」
ティントが悲鳴を上げ、ハノカにしがみついてきた。
ハノカは、咄嗟に杖を構え、音のする方へと近づいた。
しかし、そこには何もいなかった。
「…ただのネズミだったんじゃないの?」
ヴィヴィアンは、呆れ果てたように言った。
しかし、その後も何度か、物音や本のページをめくる音が聞こえた。
ハノカたちは、図書館内をくまなく調べたが、幽霊の姿は見つからない。
「…本当に幽霊だったらどうしよう…」
エドワードは、すっかり青ざめてしまっていた。
ハノカは、生徒会長としての責任感に駆られた。
「幽霊かどうかは分からないけど、このままだと誰も図書館に来なくなってしまうわ! 何か、考えないといけないね。」
ヴィヴィアンは、顎に手を当て、考え込んだ。
「そうだ! もしかしたら、幽霊じゃなくて、何かしらの魔法的な現象かもしれないわ。」
ティントは、ようやく口を開いた。
「…私もそう思う。この図書館には、古い魔法書がたくさんあるから、もしかしたら、魔法の残留思念が影響しているのかもね。」
ハノカは、目を見張った。
「魔法の残留思念… それなら、魔法を使ってなんとかできるかもしれない!」
こうして、ハノカたちは、図書館の幽霊騒動を解決すべく、魔法を使った調査に乗り出すことになった。
古い魔法書を読み解き、残留思念を祓うための儀式を準備した。
儀式当日、図書館には、緊張感に包まれた空気が漂っていた。
ハノカたちは、一斉に魔法を唱え、図書館中に魔力をみなぎらせた。
すると、本棚が揺れ動き、辺りには、かすかな光が満ち溢れた。
そして、魔法陣の中心部で、本の中から、ぼんやりとした白い光が浮かび上がった。
その光は、本棚の周りをふわふわと漂い、まるで迷子のように彷徨っていた。
「…これが、魔法の残留思念かな?」
ハノカは、そっと光に触れた。
光は、温かくて優しい感じがした。
「…どうやら、悪意はないみたいね。」
ヴィヴィアンも、光を分析していた。
「そうだね。きっと、この図書館を愛していた魔法使いの残滓なんだと思う。」
ハノカたちは、魔法を使って、その光を優しく導き、古い魔法書へと戻した。
すると、図書館内は穏やかな静寂に包まれ、不気味な雰囲気はすっかり消え去っていた。
「幽霊騒動は、無事に解決したみたいね」
ヴィヴィアンは、安堵の表情を浮かべた。
「よかった… これで、みんな安心して図書館に来られるわね。」
エドワードも、ほっとした様子で言った。
ティントは、いつも通りの穏やかな笑みを浮かべて、
「…なんだか、ほっこりする話ね。」
と、呟いた。
噂になっていた図書館の幽霊は、実は、魔法の残留思念だった。
この事件を通して、生徒たちは、魔法には様々な側面があることを改めて学んだのであった。




