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エピソード1 迷い込んだ異世界と魔法使い猫

桜舞う四月のある日、私はいつものように図書館で歴史書を貪り読んでいた。歴史こそが、過去という果実から未来という種を育む沃土なのだと、心の中でつぶやく。活字を追う傍らで、窓の外を眺める。満開の桜が、風に揺られて淡い花吹雪を降らせている。


私、有栖川 (ありすがわ) 歩 (ほのか) は、どこにでもいる平凡な女子高生だ。趣味といえば、歴史小説を読むことと、気の合う友人たちとお喋りすることくらい。旅行も好きで、夏休みなどは家族で海外に出掛けることもあった。


だが、今年の夏は少し違った。いつもと違うのは、図書館で出会った一匹の猫の存在だった。真っ白な毛並みに、碧い瞳が印象的な、どこか気品を感じさせる猫だった。


その猫は、まるで何かを訴えかけるように、私の足元にすり寄ってきた。最初は警戒していたが、どこか人間のような賢い眼差しに惹かれ、そっと撫でてやった。すると、猫は喉をゴロゴロと鳴らし、満足そうに目を細めた。


それからというもの、図書館に行くたびに、その猫は決まって私の席の下にいた。本を読み終えると、そっと外に連れ出して近くの公園を散歩するのが日課になった。


ある日、いつも通り公園を歩いていると、猫は突然走り出した。慌てて追いかけると、いつの間にか人通りの少ない細い路地に入り込んでいた。先を急ぐ猫を追っていると、視界が突然眩しくなり、世界が歪んだ。


気が付くと、周りは見知らぬ景色が広がっていた。背の高い木々が立ち並ぶ鬱蒼とした森の中に、ぼんやりと光る石畳の小道が続いている。そして、先ほどまで一緒にいた猫の姿はどこにも見当たらない。


不安が胸に渦巻く中、とりあえず前に進むことにした。しばらく歩くと、木々の隙間から、まるで城塞のような巨大な建物が見えてきた。近づくと、その建物はまるで絵本に出てくるような、荘厳な造りだった。白い壁に尖塔が立ち並び、無数の窓が夕日に輝いていた。


「ここは…?」


戸惑っていると、建物の大きな扉がゆっくりと開いた。中から出てきたのは、黒のマントを羽織った銀髪の青年だった。年齢は少し上だろうか、整った顔立ちで、どこか気品が漂っている。


「…迷子ですか?」


青年は穏やかな声で話しかけてきた。言葉の意味を理解できたことに、少し驚いた。ここは一体どこなのだろう?


「あ、はい…すみません。ここはどこですか?」


咄嗟にそう答える。青年は、少し怪訝そうな表情を浮かべた後、口を開いた。


「ここはエーテルワルド学院と言います。ここは魔法使いを育成する特別な場所です。あなたは…魔法使いではないようですね」


魔法使い? この言葉を聞いて、私は思わず目を瞠った。まさか自分が、こんな異世界に迷い込んでしまったなんて。

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