じょそう の だんぴぃる
女は魔法が使える。
強い。
えらい。
男は魔法を使えない。
弱い。
えらくない。
一人の女、何人も男を従える。
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金の種族は、神々の下僕として造られ、数百年を生き、老い、そして死んだ。
銀の種族は、品種 改良種。
最大の懸案であった『老い』こそ克服したものの、その体は百年しか持たなかった。
銅の種族は、勝手に生まれ、勝手に争い、勝手に滅んだ。
鉄の種族は、品種 改悪種。すぐに老い、すぐに死に、生き急ぎて相争い、ついには神が滅ぼした。
そして時代は、錫の種族──
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女は吸血鬼。
男の精を吸って力とする。
成長は10代 後半で止まる。
男は美少年。
童顔で、筋肉がつかず、体が柔らかい。
成長は10代 前半で止まる。
男が外を出歩くと、たちまち女に襲われ、吸いつくされて路上に放置され、衰弱死する。
それが当たり前の時代──
しかし女王ともなれば さすがに情けは深く、親しき臣下と共に心を痛めていた。
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ある日、ついに女王が御触れを出した。
『一つ。男は決まった女主人に仕え、みだりに出歩いてはならない』
『二つ。女は襲った相手を放置せず、養わなくてはならない』
『三つ。男は女を刺激せぬよう、顔や肌を隠さなくてはならない』
それは、男を守るための苦肉の策だった。
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時代は下り……。
御触れを出した女王も とうに御罷り……。
女王の御触れは、大事な部分を削ぎ落とされ、余計なものを付け足され、有名 無実と化していた。
男は、あらゆる行動を制限され、女に逆らえば命は ない。
再び、男たちの受難の時代が始まる……。
しかし、そんな ある日、男でありながら魔法が使える 女と男の合いの子、『ダンピール』のウワサが流れる。
その者、女性の装いで各地を巡り、女王の触れを破りし者に仇をなす、と……。
女装のダンピール
─序─
《クイーンズ・タブレット》
各地に残されていると言う、女王の御触れが刻まれた石板。表に出ては不都合とばかりに破壊して回る原理 主義者(歪められた教義の信望者)の集団が確認されている。
《クイーンズ・レシピ》
女王は、女性には珍しく 育児も家事も率先して行った。特に料理の腕前は天下 一品で、オリジナル メニューをいくつも生み出したとされる。こちらは粘土板に刻まれ、各地に眠っていると言う。
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はい?
風 立ちて デoー?
なんのこt
女尊 男卑の世界にあらわれた、
ナゾのヒーロー☆
その名は……
じょそう の だんぴぃる♪
※女尊 男卑 いる