「どうして自分の作品が一次通過に残れたのか」という質問をいただいたので
今年のネット小説大賞の一次選考発表から、約1週間。
この間に私は、別の小説投稿サイトのコンテストで応募2作品の落選が確定したり、さらに別のサイトのコンテストで応募5作品のうち1作品が中間選考を通過したり、悲喜こもごもでした。
色々あった分、こちらの一次通過は、すでに昔のことのように感じていましたが……。
まだ、わずか1週間前なのですよね。
本日、こちらの感想欄ではなく、活動報告のコメント欄の方で「どうして自分の作品が一次通過に残れたのか」という質問をいただきました。
それっぽい分析は、前々々回のエッセイ記事でも書きましたが、あくまでも『それっぽい』に過ぎません。
せっかくなので、もう少し自分なりの理由を考えてみよう、と思いました。
今回は「第9回ネット小説大賞」だけでなく、第8回と第7回の私の通過作品も含めて分析していきます。
まずは、第7回の3作品、第8回の4作品、第9回の7作品。それらの作品名を、改めて挙げておきましょう。重複している作品もあるので、全部で11作品です。
第7回(3作品)
『緋蒼村連続殺人 ――転生したら殺人事件の真っ只中――』
『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』
『続・俺はウイルスである「二重感染の悲喜劇」――転生したらウイルスだったというおはなし――』
第8回(4作品)
『緋蒼村連続殺人 ――転生したら殺人事件の真っ只中――』
『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス(1)「桃色の髪の少女」』
『異世界再会物語 ――俺と彼女と彼女の姉妹――(第一部)』
『人事と人妻』
第9回(7作品)
『緋蒼村連続殺人 ――転生したら殺人事件の真っ只中――』
『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』
『「俺はウイルスである」――転生したらウイルスだったというおはなし――』
『われは転生者』
『おんがえし』
『わが隊を統率するは不敗騎士』
『ダイイングメッセージ10101』
作品名を見ていただくだけでわかるのが、3回連続で一次通過した作品があること。『緋蒼村連続殺人 ――転生したら殺人事件の真っ只中――』です。
これはもう、選考委員の方々に気に入っていただけた作品といって良いのではないでしょうか。
もしかしたら『選考委員の方々』ではなく、一人の下読み審査員に過ぎないのかもしれませんが、どちらにせよ一次選考レベルとしては高く評価していただけのだ、と思えます。
とはいえ、来年も応募したら通過するとは限りませんけどね。
他に1作品、3回連続ではありませんが、3回のうち2回通過した作品もありました。『ころしや探偵の事件簿「記録に残されたアリバイ」――転生先は探偵助手――』です。
第7回と第9回は一次通過して、第8回は一次選考の段階で落選しています。これがあるから、上記『緋蒼村』に関しても「3回連続で一次通過したからといって、今後も一次通過するとは限らない」とも思えるのですよね。「複数回通過するくらいならば、また通過できる」というのであれば、『ころしや探偵の事件簿』は、第8回も通過していたはずですし。
とりあえず、ここまで見た限りでは「複数回通過できる作品もある」というだけでした。
なお、最初に書き忘れましたが、上記11作品は、全て完結済み作品です。連載中状態のものは、ひとつもありません。
そうなると、少なくとも私の作品に関しては「完結していない作品は一次通過できない」という結論になってしまうのですが……。
あくまでも『私の作品に関しては』という条件付きです。一次通過どころか受賞する方々は、連載中でラノベ何冊分も書き続けておられる場合が多いでしょうから、この法則は当てはまりません。
商業化のことを考えたら、連載中の方がいいですよね。売れる見込みで本にするのでしょうし、そうなるとドンドン続刊を出せるようにしたいはず。物語が完全に完結していて、例えば「全3巻です」と確定しているような作品では、出版社も二の足を踏むでしょう。
とはいえ、私のように「受賞には程遠くて、一次通過するかしないか」という方々もたくさん応募しておられるはず。その場合は、私と同じで、完結済み作品の方が一次通過しやすいかもしれません。物語をまとめる能力が評価される、という可能性です。
続いて、各作品のジャンルを見てみます。
先ほどの作品名のところを、投稿ジャンルに置き換えて、改めて記載してみましょう。
第7回(3作品)
推理〔文芸〕
推理〔文芸〕
空想科学〔SF〕
第8回(4作品)
推理〔文芸〕
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
現実世界〔恋愛〕
第9回(7作品)
推理〔文芸〕
推理〔文芸〕
空想科学〔SF〕
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
ホラー〔文芸〕
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
推理〔文芸〕
なんとなく「推理〔文芸〕」が多いような気がしませんか?
特に初めて一次通過した第7回は、通過3作品中2作品が「推理〔文芸〕」だったので、そう感じたものでした。
当時の私は「小説家になろう」を異世界ものが人気の小説投稿サイトだと思っていたので、ネット小説大賞で「推理〔文芸〕」が一次通過しやすいというのは、かなり意外に感じました。
第8回では、通過4作品中「推理〔文芸〕」は1作品のみ。半分の2作品が「ハイファンタジー〔ファンタジー〕」(異世界もの)だったので「やっぱり、最初の印象通り異世界ものが主流なのでは?」と思ったのですが……。
今回の第9回では、通過7作品中3作品が「推理〔文芸〕」です。また「推理〔文芸〕」人気が返り咲いた感じです。
このような話をすると、「それは単に『推理〔文芸〕』で応募した作品が多いからでは?」と思われるかもしれません。
確かに私は、子供の頃の夢が推理作家になることでしたし、今でも憧れはあります。でも実際に小説を書こうとすると、なかなか推理小説は書けません。特に本格ミステリを書こうとすると、トリックやプロット、多彩な登場人物など、かなり綿密に考えておかないと、途中で物語が破綻しますからね。
現時点で私の「小説家になろう」投稿数は158作品ですが、「推理〔文芸〕」ジャンルは、わずか6作品しかありません。
しかし問題は、全投稿作品ではなく、ネット小説大賞の応募作品はどうだったか、という話です。とりあえず今回の第9回について、応募128作品のジャンルを調べると、以下のようになりました。
ホラー〔文芸〕 32作品
ヒューマンドラマ〔文芸〕 23作品
現実世界〔恋愛〕 22作品
ハイファンタジー〔ファンタジー〕 22作品
空想科学〔SF〕 9作品
ローファンタジー〔ファンタジー〕 6作品
推理〔文芸〕 6作品
コメディー〔文芸〕 4作品
その他〔その他〕 2作品
歴史〔文芸〕 1作品
宇宙〔SF〕 1作品
30作品以上応募した「ホラー〔文芸〕」からは、1作品が一次通過。
20作品以上応募したジャンルからは、「ハイファンタジー〔ファンタジー〕」の2作品のみ。
それより下は、9作品応募の「空想科学〔SF〕」から1作品と、6作品応募の「推理〔文芸〕」から3作品。
通過7作品のうち3作品が「推理〔文芸〕」というのも多く感じますし、6作品応募したうち半分の3作品が通過したという点からも、やはり「推理〔文芸〕」が通りやすかった、というように見えてしまいます。
30作品以上応募して1作品のみとか、20作品以上応募してひとつも通らなかったジャンルもありますからね。いかに「推理〔文芸〕」が優遇されていたことか!
……などと興奮せずとも、これって単純に「私の得意ジャンルが『推理〔文芸〕』だった」とも解釈できるのですが。
作品ジャンルは作者の得手不得手があるので、個人差が大きく出てしまうのでしょうが、とりあえずその点に目をつぶると。
こうしてジャンルを分析した結果からは「今年のネット小説大賞は『推理〔文芸〕』が通過しやすかった」という結論になってしまうのでした。
続いて、作品文字数で見てみましょう。
「小説家になろう」以外の複数のサイトで、検索条件において2万文字と8万文字を短編・中編・長編の区切りにしているサイトがいくつもあるので、その定義に従って記しています。
第7回(3作品)
長編(104,413文字)
中編(40,380文字)
短編(6,433文字)
第8回(4作品)
長編(104,413文字)
長編(139,078文字)
中編(54,877文字)
短編(5,565文字)
第9回(7作品)
長編(104,413文字)
中編(40,380文字)
短編(3,383文字)
短編(4,930文字)
短編(4,887文字)
短編(6,845文字)
短編(3,942文字)
第7回は、長編と中編と短編がそれぞれ1作品ずつ。
第8回は、長編が2作品で、中編と短編がそれぞれ1作品ずつ。
この2回は、ほぼ同じという印象でした。長編も中編も短編もバランスよく1作品ずつ、第8回だけ長編はもう1作品追加という感じです。
長編や中編のような、ある程度の長さがある物語が好まれて、運が良ければ短編も1作品くらいは一次通過する。そんなことを想像していたので、たとえ一次選考といえども、勝負は長編次第だと考えてしまいました。
だから今回、一次発表前のエッセイで書いたように「新作長編のない今年は一次通過する自信がない」とビクビクしていたのですが……。
いざ蓋を開けてみれば、私の想像は大間違い!
長編と中編もそれぞれ1作品ずつ通過しましたが、今年は短編の方がはるかに多くて、5作品が通過しています。
こうなると「実はネット小説大賞は短編の方が一次通過しやすいのでは?」と思えてしまいます。
例によって例の如く。
これも「完結済み作品が一次通過しやすい(物語をまとめる能力が評価される)」や「『推理〔文芸〕』ジャンルが一次通過しやすい」と同じで、私に限った話かもしれません。
最初はそう思ったのですが……。
ネットで今回の一次選考に関する感想などを見ていると、私以外にも「短編ばかり通過した」「短編が通りやすい印象」という声がありました。私が目にしただけでも複数あったので、一人や二人の意見ではないようです。
去年まではともかく、今年は短編が通りやすかった。
その可能性は高いかもしれませんね。
穿った見方になりますが、何十万文字もある長編を最後まで読むのは大変ですが、1万文字程度の短編ならば簡単です。だからこそ短編がしっかり読まれて、一次選考でもたくさん通過することになった……。
そんな考え方はどうでしょうか?
もちろん、1万文字程度では書籍化するには足らないでしょうから、最終的な受賞は難しく、ほとんどが一次選考通過までで終わりになることでしょう。
たとえそうであっても、一次選考の段階で、きちんと読んだ上で通過か落選かを判断されたのであれば、それだけでも十分に嬉しいことだと思います。
そんな想像は少し余談になりますが、理由はともあれ、今年は短編が通りやすかったのではないか、と思えるのでした。
そして短編有利が事実だとしたら、先ほどの「物語をまとめる能力が評価される」というのも、あながち無関係ではないのかもしれません。「終わりよければ全てよし」という言葉がありますが、特に短編は、あっという間に読み終わるだけに、途中の盛り上がり方よりもラストの締め括り方が重要になってくるのでしょう。
以上のように、完結済みか連載中かという点、作品ジャンル、文字数などから見た結果。
改めてまとめてみますと、私の作品が一次通過した理由は、
「物語をまとめる能力が評価された」
「『推理〔文芸〕』ジャンルが一次通過しやすかった」
「短編が一次通過しやすかった」
の3点になるのでしょうか。
特に2番目は「微妙」「私限定」という感じであり、他の方々の参考にはならないかもしれませんが……。
皆様の場合は、いかがでしょうか?




