17 名前呼びを要求するヒーロー恥じらうヒロインのくだり
「殿下……」
「殿下じゃない名前を呼んで?」
「っそんなっ……!」
「じゃないと離れない」(ソファーに座る主人公にぴったり寄り添いセクハラ)
「!…………ルーカス様……」(とても赤面涙目で見上げるがイケメンは無罪である)
「昔みたいに呼んでくれないの?」(とてつもなく甘ったるい顔)
「も、やだ……!」
「ねえ、お願い」
「……ルゥ」(とても美しい瞳が潤んでいる主人公渾身の表情)
「よくできました」(頭ぽんぽんor胸中どぎまぎパニック)
っんあああああああああああああああ!!!!!!!!!!
むずむずするううううううううううううううう!!!!!!!!
さっさと呼べえええええええええええ!!!!!!
ほんでルーカスの愛称はルゥなんかああああああああああ!?
知らんんんんんんんん!勝手にルウって出てきただけえええええええええええええ!!!
カレーくいてえええええええええええ!!!!!!
ねえみんな、この好感度確認名前呼びイベントどう思う?
急な問いかけするよ。
舞台がファンタジー身分はっきりしてる貴族世界だから名前呼びが親密さを表すことになるん?
それとも読み手が日本人だから?
苗字から名前呼びにまつわるトキメキトゥンクシーンてさ、日本人の感性じゃね?
あんね、名前は伏せるけど
学園ラブコメ漫画が原作のアニメが放送される事になってね、日本でのリアルタイム放送と同時かどうかはわからんけど海外ファンも字幕入りですぐに視聴できるような環境だったわけ。
でね、その第1話を視聴した海外ファンの海外ニキ達が、英語字幕に関してクレームをばんばん入れたみたい。
それは名前呼び時の翻訳に関して。
背景を説明すると、原作漫画のヒロインとヒーローの関係性は、お互い好意を持ってるけどそれを悟られないようにしてる両片想いっていう関係性だったの。
で、お互いさぐりさぐりで
「○○(役職名)」
「○○(苗字)」
ってお互い意識しながらもおかたい感じで呼び合っちゃうような初々しさも漫画の面白さ魅力だったりするわけ。
(なんの漫画かわかった人いると思うけど心の中に秘めといてな)
それをな、恐らく母国語出身育ちが英語圏の翻訳者(予想)はな、
名前呼びんとこをな、
「○○(ヒーロー下の名前呼び捨て)」
「○○(ヒロイン下の名前呼び捨て)」
って訳してたんだって。
いきなりの名前呼び!
初対面の取引先の人にいきなり下の名前呼び捨てで親し気にされたくらいの衝撃じゃね?
知らんけど。
たぶん海外の英語圏の人達は最初っから下の名前呼びがスタンダードなんだよね。
苗字呼びからの名前呼び、ここの一連の流れの様式美がわからないんだと思う。
呼び名に対する繊細さっていうか。
だから『ちゃん』『くん』『さん』とかも実際の字幕だと省力されて『(名前)』だけの翻訳になってることが多い。
向こうだと性差別だなんだの熱く言われちゃうのかしら?
日本でも最近は『さん』で統一されてるんだっけ?子供とか。
でもね、楽しみにしてた海外ニキ達は日本のアニメマンガが好きなだけあってその辺の心の機微もきっちり理解してるわけ。
苗字から名前呼びに変わる時に生じるドキドキをしっかり理解できてる人達なの。
『ちゃん』から呼び捨てに変わるトゥンクとか。
だからいきなりの名前呼びな字幕に驚いたし、日本産のラブコメアニメを翻訳する翻訳者なのに全くその辺の理解がないことに憤慨したんだと思う。
だって「(役職名)」のセリフの時に下の字幕は「(名前)」ってなってんだぜ?
そりゃ盛り下がるわ。
原作者的には、この先2人が付き合ったりして苗字から名前呼びに変わるくだりで2話分くらい枠取ってると思うんだわ。
ドキドキの見せ場だと思うんだわ。
……あれ?このエッセイなに?どした?
『名前呼びを要求するヒーロー恥じらうヒロインのくだり』のあるある話してたんだけどいつの間に。
もしかして海外感性でも愛称呼びならトキメキシーンになれる可能性ある……?
ほんで実際の海外ネイティブ名の愛称の付け方ルールってなんかあんのかな。
ちょっと海外恋愛小説読んでくるわ。