僕は…………
僕は記憶力が良い方ではない。だけど、二人と初めて会った時の事は不思議と覚えている。あれは、確か三歳の頃だ。その時僕は『双子』という存在を知らなかった。だから、ビックリして泣き出してしまったのだ。幼いながら『恐怖』を感じたのかもしれない。僕が泣いていると何処からかため息が、聞こえた。
「ウジウジするなよ鬱陶しい」
きつい口調、怖い。そう思ってしまったら最後までそう思ってしまう。また、泣き出そうとしたとき、彼女の髪が揺れた。
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.
パチッと目が覚めた。まだ授業中で、先生が教科書を読んでいた。少し辺りを見回すと、少し斜め前に見つけた見慣れた影。よくよく見てみると彼女も寝ていた。
(一番前なのによく寝れるなぁ)
ふと、一つに結ばさった希鎖の髪をまじまじと見た。あの髪が、僕の涙を止めたのか。そう思うと、キラキラと髪が輝いて見えた。
(いつか、ちゃんと彼女の髪に触りたい)
少し手を伸ばしたら届きそうなのに、とても遠くにある。それが、僕らの関係を表しているようで、泣けてきた。
「ほら、希鎖起きろ」
パチンと、音がした。そこでハッとした。音がした方を見ると希鎖が頭を押さえていた。周りから笑い声がした。その笑い声が、希鎖に向けられているものと知っているけど、僕が笑われているような気がして、また少し泣きそうになった。