プロローグ 「プロローグのような何か」
第一章 異世界だって甘くない
俺は今日発売のコミックを買おうと久しぶりに家を出た。本屋への道中で謎の叫び声が聞こえた。
「キシャァアアアアアアアア!!」
ん? なんだ?まぁいっか!早く家に帰ってコミック読みたいし。
「はぁそれにしてもドラゴンなんてなんでいるんだよ?! 痛ッ!足が…」
久しぶりの運動のせいか俺は転んでしまった。
「ヤバイヤバイヤバイ殺される!マジで死ぬぅぅうううう!!」
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気がつくと俺は真っ暗な部屋にいた。
「あれ…? 俺なんでこんなとこにいるんだ? てか、ここどこだよ!待って待って拉致られた?!」
そうして状況が掴めないまま考えていると目の前が急に真っ白な光に包まれた。
「なんだよこれ…?!何が起きてるんだぁあああああ!!」
そうした状況のまま目の前にとっても美人なお姉さんが現れた。そのお姉さんは俺に言った。
「私はフェイトと申します。田中敬太さん、あなたはついさっきドラゴンに踏み潰されて亡くなりました。」
えっこの人何言ってんだ? 俺が死んだ? いやいやうそでしょ。だってここにいるし。
そうして混乱している俺にそのお姉さんは信じられないことを言った。
「うわぁー、さすが現世でニートやってただけあるわぁ。とっとと現実受け入れてくれませんかね?私こう見えて女神なんで仕事あるんですよ。時間かかりすぎでしょ。」
「う、うるせぇよ! 俺はニートじゃない…自宅警備員だっつの! あと全てのニートの人バカにしたな!あやまれよぉおおおおお!!」
「まあ、そんなことはどうでもいいとしてあなたには3つの選択肢があります。」
そんなことはどうでもいいとかひどすぎね?まあ別にいいんだけど。
「1つ目の選択肢はもう一度現世に赤ちゃんとして転生することね。」
「はいっ質問です!現世にもう一度転生したら義理の妹とか、かわいい幼馴染みとかっていたりしますかね?」
「超絶どうでもいいわぁあああああ!!まあ、できないこともないけども…」
超絶どうでもいいって…俺には大事なんだよ!
「ゴホン…話がそれたわね。そして2つ目は天国でぬくぬくとすごすことね。最後に3つ目は異世界に転生することね!ちなみに私的には異世界にいくのがおすすめね。異世界いったらモンスター狩ったりできるし充実した生活ができるんじゃないかしら?あと、異世界の魔王を倒すと何でも1つ願いを叶えるわ!」
異世界転生、、、?きたぁあああああああああああ!かわいい女の子とイチャイチャできるやつだ!!しかも魔王を倒すと願いを叶えてもらえる?!これはやるしかないでしょ!
「まあ、今まで家に引きこもってきたあなたなら無難に2つ目がいいんじゃないかしらぁ?」
ちっ嫌みな奴め…痛いところをつきやがって!
「うるせぇええよ!おれは異世界転生するに決まってんだろ!!おれは美女とイチャイチャしてんだよぉおおおおお」
「キモッ、、、まあいいわ。せいぜい死なないことね。そろそろ転生させるわよ?」
「ちょっとまてぇええええ!!アニメでよくあるチート級の武器は?!」
「はぁ?そんなもんあるわけないじゃない!もう時間ないからいくわよ!開け、ゴマァアアアアアア!!」
ずいぶんベタやなぁ
これがこれから始まる異世界生活の始まりだった。