表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自力で転生した少女  作者: 10bit
第9章 攻略
65/85

第58話 新たな覚醒者

 私が地下4階のみんなのところに戻ると、ちょうど猫人が戻ってきていたところだった。


「これからよろし…にゃああ?!」

「これでよし、じゃ!」

 メヴィが赤いオーラを纏って、猫人を縛り上げていた。

「ほんとに縛り上げるんだね。」

 ミリーナさんが苦笑している。

「ちょうど覚醒スキルも覚えたところじゃったからな。なかなかいい動きをするこやつで試してみたのじゃ。」

「は、早すぎて目で追いきれなかったにゃ…。」

 猫人もさすがにそこまで地力があるわけではないようだ。

「メヴィ、覚醒スキルを覚えたんだ?プラノも?」

「……我も覚えた。」

「私も私もっ!」

 シャムも覚醒スキルを覚えたようだ。

「おぬしは覚えても使い切れんじゃろ。」

「これから特訓する!」

 シャムはやる気に満ちているようだが、無理だろう。だが、いずれは使いこなせてくれないと後半の階層ではきつそうな気もする。

「私は覚醒スキル覚えてないのだけど、育て方で結構違ってくるのかな?」

 ミリーナさんは同じ戦士職だが覚えなかったようだ。

「魔法使いは強化版の魔法を覚えるみたいね。魔法の説明を見る限りじゃ、かなりの威力よ。」

 マローネは高威力の魔法を覚えたらしい。ルアノちゃんも魔法使いなので同じだろう。

「ちょっと上に行ってる間に覚えたみたいだし、私もすぐに覚えられるかな?」

「せっかくじゃからそやつもそこまで上げておくかの。敵を呼び寄せるスキルを覚えたのならすぐじゃろ。」

 猫人の分もレベル上げするらしい。


 夕暮れ頃、何とか猫人も覚醒スキルを覚えることができた。私たちは今、食堂で早めの夕食を取っている。

「よし!明日は地下4階のボスを攻略するのじゃ!」

「覚醒スキルも覚えたし余裕そうだね。」

 私は楽勝だろうなぁとそんな予測を立てる。

「私たちは結構きついのだけれどね。防御特化の装備でも着けていくわ。あの魔法があれば、それでもボスにダメージを与えられると思うし。」

「私も同じ装備でいくわ。」

 マローネとルアノちゃんは防御特化装備で行くようだ。

「うぅ…私も同じかなぁ。やることないよ、とほほ。」

「私も防御特化で行くね。ガードスキルが充実してるから、周りの10体は私が惹き付けるよ。」

 シャムはやることがないと嘆いている。ミリーナさんは同じ防御特化でも相当硬くなるようで、周りのモンスターは惹き付けてくれるらしい。

「それは助かるのぅ。躱せはしても、無駄な動きがどうしても増えてしまうからの。これで攻撃に集中できるのじゃ。」

 メヴィがミリーナさんの動きに賛同する。

「アーニャはボスを攻撃すればいいのかにゃ?」

「そういえば名前はアーニャって言うの?」

 私が今更ながらに猫人に尋ねる。

「そうにゃ!アーニャはアーニャにゃ。本当はアーニャタカーニャっていうにゃ。でも長いからみんなアーニャって呼ぶにゃ。」

 にゃあにゃあとばかり言ってて、聞き取りづらい。

 ふとアーニャの隣に座っていたプラノがアーニャの猫耳を掴む。

「ふにゃっ痛いにゃ?!にゃにするにゃ!」

「……癖になる触り心地。」

 アーニャはすかさず逃げようとしたが、プラノががっしりと猫耳を掴んでいたようで、猫耳を思いっきり引っ張られる形になってしまっている。

「何やってるのよ…。」

「……ルアノも触ってみる。」

 ルアノちゃんが呆れていると、プラノがルアノちゃんの手を掴んで、アーニャの猫耳を触らせる。アーニャは手が届く範囲まで猫耳を思いっきり引っ張られて悲鳴を上げていた。

「ちょ、なにしてんのよ?!…あ、いいかも。」

 ルアノちゃんがプラノの突飛な行動を諌めるが、猫耳を触った途端、その手触りに夢中になってしまった。

 アーニャは床に膝をついてプラノの膝にうつ伏せるような姿勢となり、プラノとルアノちゃんが黙々と猫耳を触っている。なんだこの光景は。だが、私もあの猫耳を触りたい。

 私は席を立ち、プラノの膝にうつ伏せるアーニャのところまで向かおうとした。が、既にミリーナさんとシャムがプラノの肩越しにアーニャの猫耳を触っていた。

「た、たまらないねこれ。」

「ほんとだ!癖になるわー。」

 ミリーナさんが今にも涎を垂らしそうな締まらない顔をし、シャムが目を閉じてほっこりしている。そ、そんなにいいのかな。

 私は早足でプラノの後ろへ移動し、ミリーナさんとシャムとプラノの椅子との隙間から上半身を何とか出し、アーニャの猫耳を触る。

「あ、いいなこれ。」

 アーニャの猫耳は毛の部分はふわふわで、肌の部分はもっちりとしている。それでいて柔らかすぎず、適度な弾力がある。そして暖かい。

「何をやっとるんじゃおぬしらは。」

 メヴィが私たちを見て呆れたように言うと、ちょうどこっちへ来るために席を立とうとしていたマローネがビクッとなった。

「そ、そうよ。今は食事中よ。」

 マローネはメヴィの意見に同意しようとしているが、私は見ていた。タイミングを逃したマローネには後で触らせてあげよう。


 その後、アーニャをお持ち帰りして部屋でも皆で猫耳をもふもふした。いや、別にアーニャも私たちと暮らすことにしただけだが。ルアノちゃんが帰る時に名残惜しそうにしてたので、また明日触らせてあげよう。

 皆で猫耳を触りながら、地下4階ボス戦の確認をし、そういえばと私たちのことをアーニャに自己紹介しておいた。

 アーニャは猫耳を触られるのが心地良くなってきたのか、段々とウトウトしていき、最終的にそのまま寝てしまった。そこでお開きにして、各自の夜を過ごした。2人程、お開きにならなかったが。



 いやぁ、人間サイズの猫耳って大きくて触りがいがあるなぁ。猫耳萌えに目覚めそうだ。




 地下4階のボスを倒すはずが、猫耳のせいで倒せませんでした。

 猫耳って本当は結構ひんやりしてるらしいですね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ