表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自力で転生した少女  作者: 10bit
第2章 駆け出し冒険者
6/85

第6話 魔石の換金

 私は町に向かうため、街道を歩いてる。


 持ってきた荷物は、魔石と猪の干し肉、それと水だけ。布の袋に入れて片方の肩に背負っている。

 毛皮で作った服の上に、深めのフードが付いた布のマントを羽織っている。腰には石で作った簡易ナイフを付けている。


 ちなみに魔石は全部で243個あった。思いの外多くて驚いたが、多いに越したことはないだろう。


 5時間ほど歩いただろうか。ようやく町に着いた。町は腰くらいの高さの木の柵で囲まれていた。街道と町の接点に木の柵の延長のような門があり、その前に兵士のような格好をした人が立っている。恐らく門番だろう。

「すいません、町に入りたいのですが。」

「うむ。町の住人…ではないな。冒険者か?」

「はい。そうです。」

「では銀貨1枚を支払ってくれ。冒険者カードは持っているか?」

「実はお金を持っていないんです。代わりに魔石ではだめでしょうか?冒険者カードは持っていません。」

「魔石か。見せてもらえるか?」

 布の袋から魔石の入った袋を取り出して、差し出した。

「…この袋の中身全部が魔石か?」

「そうです。」

「ふむ。この大きさの魔石なら1つ銅貨2枚といったところか。この量なら支払いに問題はないだろう。冒険者カードは持っていないということだから、監視人を付き添わせる必要がある。監視人は一日につき銅貨30枚だ。監視人を連れてくるのでまずは冒険者ギルドで魔石を換金してこい。支払いはその後で監視人に渡してもらえばいい。」

「分かりました。」

 どうやら魔石を多めに支払う必要はないようだ。…魔石の数が足りていて良かった。


 門番の兵士は横の建物で窓越しに何か話すと、門の奥にある建物の扉から女性の兵士が出てきた。彼女が監視人だろうか。

 門が開かれ…ず、跨いで越えるように言われて、門を跨いだ。

「ようこそ、ドラリアへ。私はミリーナよ。この町に居る間、あなたを監視させてもらうわ。よろしくね。」

「シルです。ミリーナさん、よろしくお願いします。」

「じゃぁシルちゃん、早速だけど冒険者ギルドに行きましょう。付いてきて。」


 ミリーナと名乗った女性は、金髪碧眼で白い肌をしていた。髪は腰まであり、目は少しつり上がったキリッとした顔立ちをしている。ヘルムはしていないが、それ以外はいかにも兵士な装備を身に着けている。腰にはショートソードが鞘に収まっている。


 ミリーナさんに付いていき、冒険者ギルドに到着した。中に入るとカウンター越しにいかついおじさんが椅子に座っていた。ミリーナさんに従って、そのおじさんの前に立った。

「この子の持っている魔石を換金したいの。鑑定をお願いします。」

 私は魔石の入った袋をカウンターに置く。

「…こりゃまた、すげぇ量だな。全部換金するのか。」

「換金する以外に使い道があるんですか?」

「魔道具に魔力を注ぐのに使ったりはするが、まぁ普通は換金するだけだな。」

「では全部でお願いします。」

「あぁ分かった。鑑定して数えるから壁際の椅子にでも座って待っててくれ。」


 ミリーナさんと壁際に座った。折角なのでいろいろと話を聞いてみることにしよう。

「ミリーナさん、私、冒険者になろうと小さな村から旅に出たばかりなんです。だから、分からないことだらけで…。良かったらいろいろと教えて頂けませんか。」

「うん、いいよ。シルちゃん、分からないことがあったら何でも聞いて。」

「ありがとうございます。」

 ミリーナさんは快く引き受けてくれた。さて、まずは何を聞こう。とりあえず収入を得て生活の基盤を作らないといけない。その辺りから聞いてみよう。

「えと、まずは冒険者ってどうやってお金を稼ぐんでしょうか?魔物を狩って魔石を集めるんでしょうか?」

「うーん、そうだね。ただ、魔石は冒険者ギルドの在庫が埋まったら買い取ってもらえないからね。魔物をひたすら倒すだけだと厳しいかも。

 基本は冒険者ギルドで依頼を受けて、その達成報酬で稼ぐことかな。依頼は魔物の討伐依頼、採取依頼、護衛依頼とかが主なもので、他にもいろいろあるけど、結構何でもありって感じだよ。」

「なるほど。ちなみに依頼って町の外に出ることが多いですよね?その度に銀貨1枚払って町に入らないといけないんでしょうか?」

「さすがにそれはないよ。依頼で外に出るときは仮身分証が発行されて、それを見せることで町に入ることができるの。ただし、仮身分証は依頼が終わったら返さないといけないから依頼以外で外に出たら銀貨1枚の支払いが発生するから注意してね。

 ちなみに冒険者カードを持つと、仮身分証代わりに冒険者カードが使えるわ。加えて依頼以外でも24時間以内であれば銀貨を支払わずに町へ入れるの。」

「冒険者カードはどうしたらもらえるんですか?」

「依頼をたくさんこなして実績を作るか、強い魔物の魔石を持ってくるかするともらえるよ。ただ、どちらにしても同じ町で30日分冒険者ギルドに顔を出す必要があるわ。だから、どんなに短くても冒険者カードを手に入れるには1ヶ月掛かるかな。」

「一ヶ月か…。宿屋とかってどれくらいの値段するんですか?」

「うーん、1泊銀貨1枚からってところかな。」

「ぎ、銀貨1枚ですか?」

「あー、シルちゃんにはちょっと厳しいかもね…?ちなみに監視人の分も支払う必要があるから最低でも銀貨2枚からだね…。」

「にっ!?」

「いつもはこんなことしないんだけど、私の家に泊まる?シルちゃんまだ子供みたいだし、さすがに、ね?」

「いいんですか?」

「もちろん!シルちゃんみたいな可愛い子なら大歓迎だよ!」

「ありがとうございます!」



 その後も会話に花を咲かせていると、30分程経ったところでおじさんから声が掛かった。

「数え終わったぞー。」

「あ、はい。」

 ミリーナさんとの会話を中断し、カウンターに向かう。

「数は243個あった。銅貨2枚〜3枚分の魔石があって、合計すると銅貨580枚ってところだ。駆け出しみたいだし、おまけして銅貨600枚分にしておいてやるよ。」

「ありがとうございます!」

「あ、おじさん、銀貨1枚分は銅貨100枚にしておいてあげてください。監視人の銅貨30枚を支払ってもらわないといけないので。」

「分かった。…ほら、受け取れ。」

 カウンターに銀貨5枚と銅貨100枚が置かれている。銅貨は数えるのが面倒なので、おじさんを信用することにしよう。

 私は受け取ったお金の中から、銀貨1枚と銅貨30枚をミリーナさんに渡した。


 これでとりあえず今日の分の支払いは完了だ。さて、まだ日が暮れるまでだいぶ時間があるけれど、何をしよう?




今日はここまで。書き溜めているので、しばらくはほぼ毎日更新しようと思います。


最初に考えていた本題には全然入れていなかったりします…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ