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自力で転生した少女  作者: 10bit
第4章 魔法の導き
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第25話 大事件

 どうやら死んだ後の魔力は、死んだその空間に固定されるらしい。確かに死んだ体に付随するものだとすると、遺骨なんかを分けた時にどこに魔力が付いていくのかという問題が起こってしまう。


 2人にはまた会いに来てくれればいいからと宥め、どうにか帰ってもらった。


 その後、一人でどうにかして動けないか試してみたが、うまくいかなかった。これ以上は魔力を消耗する方法になってしまうので、魔力を回復できない現状ではやめておくことにした。



 その日の夜、2人がミリーナさんを連れてやってきた。ミリーナさんは泣き腫らしたのか、目の周りを赤くしていた。

「ミリーナさん…。」

「シルちゃん…!」

 私の声を聞くと、ミリーナさんは声を上げて泣き出した。私の突然の死に気持ちの整理が追いつかないようだ。


 その後、ミリーナさんが少し落ち着いたのを見計らって、シャムたちが領都へ戻ってからのことを話しだした。


 シャムたちはあの後、冒険者ギルドへ報告しに行ったらしい。

 邪教徒と思われる人物に領都の外で襲われたこと。その人物がランク4相当の魔法を使っていたこと。それによって私が死んだこと。

 ギルドの人にどうして生き残れたのか聞かれたらしいが、離れたところで作業していたので気づかれずに遠目で目撃できたと誤魔化したそうだ。

 最初はランク4相当の魔法を使っていたことはなかなか信じてもらえなかったらしい。だが、領都で門番をしていた兵から、領都の外の森で大きな炎と黒煙が上がったと報告が入り、その情報を聞きつけたギルドが、ようやく今回の件をランク4相当の魔法による事件の可能性があるとして認識したらしい。


 その後はもう大騒ぎになったらしい。

 ランク4といえば貴族だけが使える魔法である。つまり、今回の事件は貴族が関わっている可能性があるとして、トーン領の貴族が犯人探しに動き出したらしい。

 貴族たちはもたらされた情報から、領都とその周辺を空飛ぶ騎馬の魔道具で上空から異常がないか見回りを始めたそうだ。

 領都の民は初めて見る光景に、今回の事件に対して強い不安を感じたらしく、あちこちで恐慌状態になっていたらしい。


 シャムとマローネは目撃者として、いろいろと質問を受けたらしい。私の遺体も念入りに調べられたらしく、その扱い方が酷かったと2人とも激怒していた。

 2人は明日も質問詰めになる予定らしい。一方ミリーナさんは今回の事件の調査をするらしく、しばらく働き詰めになるらしい。



 一通り話が終わると、3人はまた会いに来るからと名残惜しそうに帰っていった。



 それにしても邪教徒が貴族、か…。一体何が起きているのだろう。

 あ、なんか空飛ぶ何かが見えた。あれが見回りをしている貴族かな?




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