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自力で転生した少女  作者: 10bit
第3章 魔道具研究
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第20話 雷

 今日は雨が降っている。といっても、雨の勢いは強くも弱くもない。普通だ。今は昼前の時間で、いつもは魔道具作りをしている。


 私は家の前で、いつも行っている町の外の森を眺めている。すると突然、目の前が真っ白になり轟音が響いた。


 雷である。


 その後も何度か雷が落ちると、再び雨音だけになった。


「いやー、あれは最高だね!今でもドキドキしてるよ。」

「あんな間近で見たらそうなるわ。」

 しばらくしてシャムとマローネが帰ってきた。


 そう、今日の雷は2人が引き起こしたものだ。2人に雷の魔道具を渡し、この雨の中で試してきたのである。

 派手な魔法となるとどうしても目立ってしまい、特に町が近いので下手すると調査が入ってしまうかもしれない。そこで、雨の中で雷の魔法を使うなら誤魔化せるだろうということで、今日決行したのである。

「ランク4にもなると雷を起こせるんだねー。」

「そうだね。まぁそれでもランク4よりだいぶ威力抑えてるんだけどね。」

 ランク4まで来ると、町も一撃で吹き飛ばせそうな勢いである。


 私たちは熱風の魔法で体を乾かして、家に入った。

「今日も魔道具の陣を考えるのかしら?」

「うん。だいぶ効率も上がってきたしね。そろそろ目標のものが作れそうだよ。」

 先日、情報を保存する魔道具を作った。それまでワープロもどきを肌身離さず持っていないと、魔力が切れて作業途中のデータが吹き飛んでしまい大変だったのだ。

 今は揮発性のメモリもどきを別途用意し、魔石を動力源にして維持している。データのやり取りには電気を用いることで、異なる魔法間での干渉を可能にしている。

 そして目標のものというのは、コンピュータのことである。ワープロもどきとメモリもどきがあれば、もはやほとんどコンピュータなのだが、OSのようなものを作っていたら少し手間取ってしまった。


 数日後、ついにコンピュータが完成した。

 といっても常に機能の改善と追加を行い、またライブラリ等を増やしていっているので、完成のラインが物凄く曖昧だ。なので感動も何もあったものではない。

 今も家でひたすらプログラミングし続けている。

「なんか最近シルちゃんさ、それに向かってばかりだよね。」

「話聞いても私たちにはよくわからない内容ばかりだわ。」

「うっ。ごめん…。」

「いや、別に責めてるわけじゃなくてさ。なんか私たちあまり役に立ててないなーって思って申し訳なくって。」

「そんな、気にしなくていいよ。魔石やら集めてもらってるし。…でもやっぱりこのままは良くないよね。私ももう目標にしてたものが完成しちゃったし、正直今惰性でやってるようなものだから。」

「えっ、そうだったの?」

「もう少ししたら2人にも使いやすい形にできそうだから、そうしたら2人も私みたいにやってみる?」

「難しそうだから遠慮しておくわ。」

「まぁまぁそう言わずに。手取り足取り教えてあげるからさ。これが出来るようになると簡単に複雑な陣が構築できるようになるよ。…たぶん。」

「ほんと!それじゃあ教えてもらおうかなっ。」

「そういうことなら…。時間はあるみたいだし、この機会に教えてもらうことにするわ。」


 その後、簡易プログラミング言語を作り2人に少しずつ教えてあげた。2人がキーボードを1本の指でゆっくり打つ様は何だか懐かしさを感じた。




この章はここまでです。今日中に設定資料もあげます。

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