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自力で転生した少女  作者: 10bit
第3章 魔道具研究
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第19話 魔力計測

 印刷機の魔道具でまずはワープロのようなものを作った。最初いきなりコンピュータを作ろうかと思ったのだが、大量の陣を頭の中だけで組み立てていたらあまりの規模で頭がパンクしそうになったので、キーで打った文字を画面に表示するワープロを作ったわけである。もちろんカーソルキーと削除キーもある。

 ちなみに画面は空中展開させている。魔法だと光の発生位置を任意に決められるので、簡単にできたりする。


 今日も町の外の森で作業をしている。家の中でもいいのだが、何か素材が欲しいと思った時にすぐ手に入るので便利なのだ。

「…もう何も言わないわ。」

「うわ、なにこれ!文字が宙に浮いてる!」

「やっぱりディスプレイは空中に表示だよねー。」


 シャムとマローネの2人と魔道具作りを始めてからだいぶ効率が上がった。素材集めや加工もそうだが、一番は一緒に作っていると楽しいことだろう。2人と会話しながら作っているとふとした拍子に陣の間違いに気付いたりするし、やる気というか集中が持続しやすい。前の世界でも一人よりも仲間と作る、もしくは雑談しながらが多かった。


 …そういえば、この2人には協力してもらってばかりで冷却魔法もまだ教えてなかった。


「ねぇ、冷却魔法、教えてあげよっか?」

「え?急にどうしたのよ?」

「いや、2人に手伝ってもらってばかりで何もお返ししてないなって思って。初めて一緒に魔物倒した時に使った魔法、あれ私が作ったんだ。」

「おぉ!…って今更だけどね。こんなに次から次へと見たこともない魔道具作ってるんだもん。きっとあの魔法も…って思ってたよ。」

「でも、いいの?あんなにすごい魔法、歴史に名を残す程のものだと思うわ。…魔道具もだけど。」

「別に歴史に名を残したいわけでもないしね。逆になるべく目立ちたくないかな。私が創り出した魔法や魔道具を求めて襲われたりしたら困るしさ。」

「なるほど、確かにそうね。そこまで考えてなかったわ。」


 早速2人に冷却魔法を教えてあげようと、冷却魔法の陣が書かれた大きめのナイフを取り出した。このナイフにびっしり陣が描かれていて、と説明を始めると2人は既にギブアップした。

「そのナイフにびっしり陣が描かれてたんだ…。出来ればそのナイフみたいな魔道具で欲しいなぁ…ダメかな?」

「私もまた暗記するのは出来れば避けたいわね…。もらえるなら魔道具がいいわ。」

 さいですか。ちなみに表面だけで描き切れなかったから、複層構造にしてるのは言わないでおいてあげよう。


「それじゃあ印刷機で適当なものに描いて作ってあげるね。何なら他の魔法も描いてあげようか?」

「…他にもあるのね。」

「まじ?どんなのがあるの?!」

「え、いや障壁魔法とか熱魔法とかだけど…。威力を上げたものを作れるからどうかなって。」

「うわ、まじで!ほしいほしい!」

「攻撃魔法は陣の工夫次第で強力になったりするのは知ってるけど…障壁魔法の効果を上げれるなんて聞いたことないわよ。」

 やはり今までは陣で陣を描くという方法は無かったようだ。

「そうなんだ。ちなみに2人はどれくらいの魔力量なの?」

「え?どれくらいと言われても…。ランク2の魔法を習得してから5年くらい経つけど、一度も魔力切れになることはなかったわよ。なるべく魔力は使うようにしてたからそれなりに増えてると思うけど。」

「私もおんなじだよー。」

「じゃあ計測からだね。」


 私は連続発動回数を変えて威力を調整した魔道具を用意した。空気に特定の方向とその反対の方向の力を与える魔法でプラスマイナス0になるようにして、最後に光を放つようにした。途中で魔力切れを起こすと途中で切れ、最後の光が出ないという仕組みだ。

「?…光るだけ?」

 シャムが不思議そうに、こちらが渡した魔道具に魔力を流していく。マローネも淡々とこちらが渡した魔道具に魔力を流していく。

 ちなみに10倍ずつ消費魔力が増えるようになっているので、先に使った魔道具が次の魔道具の利用に影響を与えることはない。


「うわ、2人ともすごい魔力量だね…。」

「使わなかった魔道具もあるみたいだけど…多かったの?」

「私とミリーナさんの魔力量しか知らないけど…多いと思うよ。2人ともランク4に届いてるっぽいし。」

「ええ!?ランク4って…貴族レベルじゃん!」

「ちょっと待って?!私たちランク2の魔力しか流してないわよ?一体どうやって測ったのよ。」

「ええとね。多重発動が可能な陣の構築に成功しててね?だからランク2でも瞬間的に1億回連続発動することで、ランク4相当の魔法を実現しているの。」

「えっ、それじゃあ私、ランク4相当の魔法を使ったってこと?」

「1億回…とても信じられない数だけど、あなたのことだから本当なんでしょうね…。でもランク2を1億回発動したらランク4相当だなんて、どうして分かるの?」

「あー…それはランク1とランク2の関係が1万倍で、ランク3の魔法の規模を話に聞いてもやっぱりランク2の1万倍くらいかなって思ったから、ランク4も同じかなって。推測だから間違ってたらごめんね?」

「なるほど…確かにランクが1違ったら全く歯が立たないと言われているものね。それくらい差があっても不思議じゃないわ。」

「でもどちらにしたってランク2の1億倍の威力の魔法使えるんでしょ?!どんな威力なんだろう…全然想像できないや…。」

 シャムは自分がランク4相当の魔法を使えることにうっとりしている。

 私も2人にランク4相当の魔法を使わせてあげたいが、威力を想像しただけで恐ろしい。ここまでくると障壁魔法とセットで使わなければ自身まで巻き込まれてしまう可能性が高いだろう。

「ま、まぁ、危ないから安全で派手なランク4相当の魔法が思い付いたら作ってあげるね。」


 ひとまず2人には、ランク4一歩手前の障壁魔法の魔道具をあげた。ランク4相当にしなかったのは、魔力切れが起こると大変だからだ。この障壁魔法の安全性が確認できれば、その障壁魔法以下の攻撃魔法は2人だけの時なら使ってもいいだろう。

 …私がいると巻き込まれて死にかねないからね。




そういえばワープロって、文章の入力と編集に加えて印刷もおこなうものでした。作中では文章の入力と編集の機能しか使ってません…。

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