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自力で転生した少女  作者: 10bit
第3章 魔道具研究
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第16話 自己紹介

「へぇ、冒険者仲間見つけたんだ?」

「はい。でもまぁ、かなり打算的な勧誘されましたけどね。」

「それでも誰かと組んで見たかったんでしょ?ダメだったら抜ければいいんだから、やるだけやってみたらいいと思うよ。…う〜、シルちゃんがお姉さん離れをしないか心配だよ。」

「あはは…大丈夫ですよ。まだまだ甘えさせてもらうつもりですから。」

 ミリーナさんと晩ご飯を食べながら、新しい冒険者仲間について雑談した。それにしてもミリーナさん、もしも私がいなくなったらどうするんだろう?失意の底に沈むんじゃなかろうか。


 翌朝、冒険者ギルドに到着すると昨日の2人、橙色のツインテール少女のシャムと茶色のアップスタイル少女のマローネが待っていた。

「おっはよー!」

「おはようございます。」

「おはよう。お話する場所は決めてるかしら?特にないなら近くの食堂で朝食でも食べながら話しましょ。」

「朝食食べてきちゃいました…。」

「…別に何か飲み物を飲むのでもいいわ。私たちは朝食がまだだからそれでいいわね?」

「あ、はい。」


 近くの食堂に入り、壁際の席に座った。2人は朝食を注文し、私はハーブティーを注文する。

「まずは改めて自己紹介するわ。私はマローネ。このドラリアの隣町、レゾテアに住んでるわ。元は領都で暮らしていて、10歳の成人に合わせて冒険者になったの。それからレゾテアで活動してきたわ。シャムとは領都に住んでた時からの幼馴染みでね。一緒に冒険者になって活動してきたの。」

「そうそう、私とマローネは昔から一緒だったんだよ。あ、私はシャムね。本名はもういいっしょ?私とマローネは今12歳だから冒険者歴2年だね!」


 …私より年下だと?!シャムは身長155cmくらいある。マローネも145cmくらいある。そして私は、130cmちょっとである。1年経ってもほとんど成長しなかった。


「私はシル…です。歳は………14、です。」

「え?」

「あれ?シルちゃんの方が年上だった?あはは、ちっちゃかったから年下だと思ってたよ!それじゃあ敬語とか使わなくていいよ。あ、うちらも敬語なしでいいかな?」

「はい…うん。」

「…あなたが小さいのってそういう種族だからかしら?そういえば昨日の朝はごめんなさいね。その、まだかなり幼くみえたから心配で。」

「えー、マローネあの時種族差別してたじゃん。」

「あ、あれは!…そのことも謝るわ。これからはそういった偏見を持たないように気を付けるわ。」

「えとまぁ、そのことは気になさらず。あー…私の自己紹介がまだだよね。私は鬼人なんだけど、この町から少し離れた村の出身で。村では畑仕事をしていて、この町の食料を生産していたの。13歳の時に村を出て、この町で冒険者をやってるんだ。冒険者になってから1年ちょっとってところかな。」

「ってことは冒険者としてはうちらが先輩だね!」

「シャム、冒険者歴はこちらの方が長いけど、シルの方が強いのよ?シルが強いのは種族的なもの、ってわけではないわよね?」

「違うよ。村では皆魔法なんて見たことが無かったからね。…ちなみに村の大人は普通の背の高さだからね?私が小さいのは多分、不作が続いてまともにご飯が食べられなかったからだと思う。」

「ああ、そうだったのね…。辛いこと聞いてしまってごめんなさい。」

「ううん、気にしないで。」

「とりあえず今後の活動はどうしよっか?昨日の討伐依頼が終わったら帰ろうかと思ってたんだけど。」

「あー、私この町で知り合いの家にお世話になってて。出来ればこの町で活動したいんだけど…。」

「そういうことなら…。でも、この町って依頼が少ないでしょ?稼ぎが厳しいんじゃないかしら。」

「てゆーか無理でしょ。さっき一通り依頼見たけど、生活費で全部飛んじゃいそうだよ?」

「まぁうん…そうだよね。」

「まぁ宿屋に泊まらず毎日レゾテアまで帰って自分の家で寝泊まりすれば、何とか黒字になるわね。」

「うげー…あの距離を毎日ってどうかと思うんだけど。そこまでするならこっちに移り住んじゃえばいいんじゃない?」

「確かにその方がいいわね。手続きが面倒だけど。」

「なんか私のためにごめん…ちなみに私、鬼人だから護衛依頼は受けれないよ…?」


 沈黙。


「あー、うん。何かいい案はないかしら。」

「うむむむむ…。」

 2人が悩みこんでしまった。ここまで来ると一緒に活動しないほうがいい気がするけど…。

「…許可が取れたらだけど、私の知り合いの家に一緒に住まわせてもらう?そしたら宿泊代が0になるから少ない稼ぎでも何とかなると思うんだよね。」

「それなら護衛依頼受けなくても赤字にならないかな?」

「そうね。仮に赤字になってお金が心許無くなっても、シルには悪いけど2人で護衛依頼を受ければまたしばらく生活できそうだしね。

 まぁその知り合いが見ず知らずの私たちに対して許可をくれるとは思わないけれど。」

「まー直接会って交渉したら少しは成功率上がるんじゃない?会うだけ会ってみようよ。」


 そんなわけで、ミリーナさんと交渉することにした。ミリーナさんの仕事が終わるまで時間があるので、随時出ている採取依頼を受けたところ、「きっつー。」とか「こんなこと一日中やってたら気が狂うわ。」とか散々な言われようだった。…私、1年間ひたすらこれやってたんだけど。




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