第12話 定住
あれから10ヶ月弱が経過し、私は14歳になった。
ひたすら随時出ている依頼をこなし、またいくつか出た採取依頼もこなした。ミリーナさんにお世話になってるので全額貯金に回し、金貨1枚分は貯まった。
あの後もいくつか魔道具として武器や防具を作った。ミリーナさんに渡したものもあるし、自分のために作ったものもある。
私の魔力もかなり増えた。今はランク3相当の魔法なら1回使うことができる。
冒険者ランクも実績が認められてランク2になったが、ランク1とは誤差程度のものである。ここの魔物は弱いのでこれ以上ランクを上げるのは難しいらしい。
今日もミリーナさんと晩ご飯を食べながら、雑談をしていた。
「ついに金貨1枚貯まったんだね。」
「たった金貨1枚ですけどね…。」
「まぁ、うん。そうだよね…。金貨1枚貯まったし大きな町に移ったほうがいいのかもね?」
「リスクはありますが、確かにその方が稼げそうですね。…でも、迷惑じゃなければこのまましばらくお世話になっていたいです。」
「私は全然構わないけど…。」
「正直なところ、研究さえできればこのままでもいいかなって思ってるんです。ミリーナさんと一緒なら安心できますし、今の生活も稼ぎは少ないですが安定していますし…。ミリーナさんのお世話になりっぱなしというのも情けないことだとは思うのですが、時々作る魔道具で大目に見てもらえると助かります…。」
「そっか。そういうことなら離れたくなるまでずっと一緒にいよう!」
「…はい!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!」
この町に腰を据えて活動することを決めた私は、研究に使う時間を増やすことにした。随時出ている依頼はやめ、それ以外の依頼が出たときだけ受けることにした。
よし、これからいろいろなものを作っていこう。