第3話 違和感
ゴオオオオオオオオォォォ……ゴパァンッ!!!
雨風が一層激しくなり、地面に雨水が叩きつけられるような音がする。次々と地面に体当たりしてはきえていく雨はまるで、水の入った風船を地面に思い切り叩きつけているかのようだった。
「く……くく……っ!!! 」
吹き荒れる暴風雨の中、僕は傘を盾に必死に踏ん張った。この雨風ではとても進むことができないので立ち往生するしかなかった。
強風で揺れる木々を片目に少しづつながらも吹き荒れる雨の中、僕は帰り道へと歩を進めた。間もなく交差点に差し掛かる道、家まであとちょっと。
(ん……? )
交差点に差し掛かる道を進む中、僕は奇妙な違和感に襲われた。
(ここって……道が二つに分かれていたっけ? )
普段は何気なく使っている道だから、道が2つに別れていることに気づかなかったのだろうか? でも行きは一本道だったような……
もう一度目を凝らしてよく見てみる。
……。雨のせいで視界は悪いけど確かに道は2つに別れている。
おかしいなぁ、とは思いつつもびしょ濡れで早く家に帰りたかった僕は考えるよりも先に直感的に左の道を選んでいた。
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