2/6
第1話 散歩
9月3日土曜日、午前5時。天気は曇り、まだ外は暗い……
ダッフルコートを羽織り、傘を手に僕は家を後にした。
(今日もつまんない1日なのかなぁ……)
そう思いながら白い髪を僕は撫でた。
僕は単調な毎日に飽き飽きしていた。
当たり前のように学校に行き、当たり前のように食事をし、そして睡眠をとるだけ。
友達もいない。
この髪の色のせいで周りの子からは好奇の目で見られるし、何より僕自身あまり人と話すのが得意じゃないから……
散歩の道順はいつもと同じ。家を出てまっすぐ進んで向かいの交差点を曲がり、近くのお菓子屋さんの所でUターンして帰る。ただそれだけ。
「あ、雨……」
丁度交差点を曲がったあたりでポツポツと降り出してきた。
___________________________________________