観客のいないプロ野球
惑星の中央に浮かぶその大陸の中心部はキレイな広大な平野であって、鋼鉄のおおらかでなだらかに伸びるそのフレームと、繊細な幾重にも層を連ね、装飾されたメタリックな部品を無数、大胆にその全体へと組み合わさって像づくられた巨大な美術品とよぶにふさわしい円形のドーム型スタジアムが聳え建つのであって、それはかつて我らの祖先がプロ野球をおこなっていた唯一の聖地とされる場所であったが、全世界より消えてしまったそのひとつの競技に関するこれまた唯一の手立てとするより他にない、というのがいまや我らの力の及ぶ限りなのであった。
スタジアム内にて、その中央、フェンスに区切られてグラウンドの面影がある。
フェンスにはもちろんグラウンドを取り囲んで区切ってしまうという以外の理由はなくて、かつてや今存在している数多くの他のスタジアムのように、それは学生野球を含んでアマチュア野球のスタジアムにもあってしかるべきものである、(しかし野球という競技の全容はプロ野球の終焉とともに少年野球から草野球にいたるまでのありとあらゆるそのすべてが文化からごっそり立ち消えになって風化してしまったわけだけれども)観客のためのスペースではなく、フェンスより外側には、眺めるも恐ろしい深淵が地底へ向かって沈みゆくばかりである。
観客のいないプロ野球・・・
今グラウンドの、かつてのピッチャーマウンドのあったポジションに、青白く閃光の群れがうようよ蠕動する直径20メートル程にもなる巨大な球体のかたまりが地上50センチ辺りに浮かんでいて、閲覧に訪れた客が数時間待ちの幾筋もの行列に別れ、30分のイメージを自らの肉体へ感電させることにより共鳴をえる。
滅びて久しいプロ野球に関する記憶と記録の媒体、その体験は禁忌を犯した歓びに相当する。
なぜなら、かつて観客すらゆるされず、試合結果や練習に関するすべて、すべてが語ってはならず、すべてが忘却のボイドへとすっぽりかき消されてしまっていたのであり、世の中には憶測のみしかあらず。
かつて惑星の中心とされるフェンス奥の深淵がその記憶の総量を、のみならず世の中に囁かれ続けた憶測や世論の総量をその深淵は呑み込んだ。
そして、すべてが滅びし後の瀬に、決壊したそれはピッチャーマウンド頭上へと湧き上がったのである。
つまり、当時の人々が絶対に知ることのできなかった事実の秘密の濃密が、この球体に降臨し谺していた。
そんな生命活動の形式でマグマしている、亡霊たちとの対話を、かれは心より享受することにてかれという人生の空白を満たし歩むのだった。
以下の叙述は、その結晶である。
かれがかれなりに一閃一閃を味わい読み解いて編纂していったその光の一筋の束は、あたかも我らがいまいかなる方式であるのかその正確なプロセスを窒息しそうなほどのふかい深い霧の迷宮に覆い尽くされて知るにしれなかったプロ野球の一試合という膨大なミステリーを、ひとつの秩序として再現してしまったという点が、かれの叙述の優れたところだといわれている。
なぜなら、この球体の内奥、蠕動する微細なるその一閃の保有するイメージの量は、たった一場面におけるしかも一瞬間に過ぎず、それは文章にして一文が限度、対話にして一問一答が限度のようなものであるから。
だからこそかれが、一日たった30分の対話のしかも錯綜に継ぐ錯綜の連続のカオスに痺れながら勇猛果敢挑戦した戦場風景の再構築たる建造物が、ある種の整然へと落とし込められた結果であるその魂の叫ぶ呼び声みたいな衝動が、ただでさえ胸を打つのではないか!
そんな電撃を私はわが魂へとながした、かれの叙述は、世界中の好事家へとむけられて量産された、閃光するボール大の魂の呼び声が・・・
さあさあいまはなき、忌まわしき、ぼうれいとの諸君、交えるは刃の一閃よ・・・
これはおれがながいことかけてつみあげた瓦礫の塔である・・・
それでは諸君、ゲームセットでまた会おう!!!
フィルダースチョイス!!!
始まったぜ。手始めに。
野球はなんびとでおこなうのかおれが諸君におしえたる!!
・・・8人!
ナンデダヨ!
9人だよ9人!
8人だったらどうやってベストナインを選出するんだよ!
そうそう、球をなげるひと、ピッチャーでしょ・・・
フムフム。
それから、球をなげるひと、キャッチャー・・・
??
それから、球をなげるひと、ファースト・・・
チガウカラチガウカラ!
無回転なぞかけになっちゃってるし、本田チガウシ!サッカーもチガウシ!
どうせ無回転にするなら、ナックルボールとかにしてぇー。だって野球だし!
ピッチャーまでは良かった。
キャッチャーで怪しくなり、ファーストあたりであたりはすでに大雨なのじゃー。
え?
ファーストで?
じゃあ5thあたりならあたりはもう・・・大嵐じゃないの?
チガウカラ!
サードの次はショートストップ。
ショートストップ?
ソウデス、遊撃手。
???どっちなの。
遊撃ってあの遊撃?遊撃隊とかの。
テトリアシトリめんどくせーなあ。
ジャルジャルの野球わからんやつくらいめんどいわ。
進まないわー、この試合。
年末の首都高なみに進まないわー、てか俺、だれ?
上田晋也はララバイしろ!
まだ試合はフィルダースチョイス直後だというに・・・
第一級の球種はなんだろうなあ。
第一球な、文脈からすると。
ねえ、読者の皆さん、メンドクセーなこの語り部。
第一級とか、サスペンスじゃあるまいし・・・
緩やかな弧を描き・・・
空振りー!
勝ち誇った表情をみせる茂木健一郎選手。
ソレハゴロでも空振ります。
始球式の説明を省いた先方のミスでございます。
スマン脳。
一回の表、スタジアムはスカイブルーの生地にマリーゴールドの縦縞の色彩の照明に包まれています。
観客のいないプロ野球・・・
それは、観客どころかアンパイヤすらいないのです。
球場にいるのは、両ベンチなる両チームメイトのみ。
よって、球場は、球場全体を包み支配している照明によってゲームを進めていくこととなります。
1回表裏、裏表で9回裏まで変化していく2色の照明の土台計18色(ただし延長10回以降は振り出しへとループ)。
それに、0ボール1ストライクあるいは1ボール0ストライクから、3ボール2ストライクまでのカウントの色彩が横縞にて11色、0アウトから2アウトまでのアウトカウントが縦縞にて3種類、最後にストライク、ボール、ファール、フェア、ヒット、アウト、セーフ、ホームラン、フォアボール、デッドボールなどのたくさんの判定の照明が、全体の照明に覆い被さる強い光で、一瞬球場を包むのです。
よって選手たちは、試合状況を、この光の混じりあった世界のグラフィックで判断して試合を進めていくのです。
じゃ、3回の裏、ツーアウトでスリーワンだと?
ハイ、ロイヤルパープルの生地にチェリーピンクの縦縞、ラセットブラウンの横縞の三色です。
じゃあ、ワンワンなら?
ワンワンは、横縞がジェードグリーンへと変わります。
え、シェパードグリーンじゃなくて?
緑のシェパードなんていねーだろ、シュール過ぎるよ!
緑はたぬきなのー!
黒は豚カレー・・・
何の話しかわかんねーよ!
横縞のわんこって何だよ!
祝賀会で熱々の豚カレーかけるぞコノ、デガワの鉄ちゃん!マルちゃん!一平ちゃん!
明星ちゃんだ!それならバウバウのまっちゃんだ、ばかやろう、倍返しだー、コマネチ、コマネチ、やられたら、やり返すんだこの野郎、フライデー襲撃だ馬鹿野郎このやろう!
又三、赤いのはミカンじゃなくてきつねだっつってんでしょうがこのドリちんがー!
待て待て、小木の好感度あがったところで、話し戻そうぜ。
じゃあ、ワンツーは・・・
当ててやる当ててやる。
・・・森脇健児。
正解、越後製菓。
おれうるせー!
うぜー!
はいはい、有りネタ禁止ね。
カキーン、ナイスバッティング・・・あ、英語しゃべっちゃった、タイムタイム・・・がぁー!
BIG3も禁止!
読者の皆さんも、有りネタ禁止よ、あと英語もねー。
あー、緊張してきた。
緊張ほぐすためにはあれが聞きたいなー、たとえのりツッコミ・・・
第一球投げました、カージナルレッドに包まれた、つまりストライク。
パシーンて。
いい音させ過ぎか!
初日の出の登山ではい、出刃包丁って手渡されたくらいいい音過ぎか!
受付に首ナガ族ってくらいにいい音過ぎか!
みんなで渡れば怖くないって腐れかけの吊り橋渡るくらいいい音させ過ぎか!
パシーンて。
バシーンじゃだめなのか?
ザシーンじゃだめなのか?
北海道旅行で目的地ビーチってほどザシーンなのか?
本日のスペシャルゲスト、タケカワユキヒデってほどザシーンなのか?
バシーンなのか?
つまり、顕微鏡でダシーン、顕微鏡を弱火でコトコトでカシーン、ジャワ原人ゼリー寄せ焦がし顕微鏡でノシーン、キーワードは、プ・ロ・野・ナ・ン・プ・レでイシーン、ってコラーゲンはなんでやねん!
やめさしてもらう、あすあさってじゅうには。
先発は瞬足の亜久米。
ピッチャーといえどもランナーに出すと厄介ですね・・・DH制!!
バッター助っ人のカマン・ベール。
カキーン大きい入ったー。
あ、間違えた。
いよっ、いい男、カマン、ぶっちゃけ、抱かれたい。な~いす~がい~!!
バッターG・G・微糖。
カキーン、1塁、2塁、3塁、魚類、爬虫類、栗原類、モスラ、ゴジラ、ラララ、微糖ら微糖ら(ビトラビトラ)ホームイン!
甘味料とインシュリンの食人鬼、バッター二村、二村マサカヅ、背番号30010(さんまんじゅう、さまんじゅう、さまあずう)。
バッター、長澤まさみ、同姓同名、ただし、おっさん、カキーン、入ったー、ホームラン・・・
構造・・・
うその無限後退、
幻想のミルフィーユ、よってほんとうは一つもない、嘘の嘘ばかり、であるから本当ばかり、とも・・・。
さて、いったいなにが事実なのだろう・・・
本日の試合結果が有野義母窓親王より発表された。
本日のオーナー会議は、現在4番を務めるミフネ・ジャンクションについてだ。
異議あり!
異議あり!
結局ミフネはファーム行きとなった。
始まりました、朝まで生ステ司会の田原総伊知郎です。
これまで、プロ野球は、不透明なカタチをとって存続し続けた。
実際の試合結果云々に一切関係なく、有野義母窓親王の呪術におけるお告げが、全ての結論である。
私はこれを、腐敗であると思っている。
まずはこれに反対するものはいませんか?
はい。
・・・いつの間に!
アナタは脂さんですね。
選手が直にメディアに発言する、これはスキャンダルですよ。
確かに、われわれプロ野球界に疑惑があることは事実ですよ。
聴きましたか!皆さん!続きをどうぞ。
有野義母窓親王の一存に完全に依存していることには間違いありません。
しかしいっぽうでわれわれ選手は、記憶を完全に操作されており、球場をあとにするくだんには、試合に関する一切の記憶が消去された状態にあります。
よって、われわれ選手全体の依存問題も、ほかならぬ選手生命、よって、われわれの内面自体を支えているという、逆説に生かされた、というカタチを取り続けていくことでしょう・・・皮肉なものですが。
聴きましたか!
この国に、陰謀が渦巻いている!!
いったんCMいってからまた議論に戻りましょう。
ぱーぱーぱぱぱぱぱぱぱ、ぱぱ
ファンイベント風景にて。
それではみなさ~ん、今シーズン867本塁打、ホームラン王のシャブおじさん選手で~す。
ぼくは、しょうらい、しゃぶおじさんせんしゅみたいな、すごいせんしゅになって、いっぱいほーむらんをうちたいです。
シャブおじさん選手、見るからにスリムな体ですけど、体脂肪率は、もしかしてぇ~、一桁ですか~??
はい。
す~ご~いいいいい。
お姉さん、この会場を代表して、当てに行ってもいいですかあああああ?
はあああああああああああい。
それじゃあ、思い切って、5%?
いえ・・・
さすがにさすがに、お姉さん思い切り過ぎましたあ・・・
・・・、なにがですか・・・
えっ?
いやいや、さすがに5%は人間的にはありえないかなあって・・・
(食い気味の)1.3%です。
そっちのひとけたあああああ!!!
ところで、ホームラン王のシャブおじさん選手と、野球教室でふれあいましょうねえええええ。
さあ、こどもたちいいいい、にゅうじょうおおお!!
わあああああああ!
ねえねえねえねえ、シャブおじさんせんしゅうう、すぶりおしえてえええ。
う、うん・・・
ええと、もてるかな、バット・・・
よおし、えいっ!
ぼきーーーーーーーーん!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ええええええええええーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!
はい、これは極秘で入手した、昨年オフのファン感謝祭イベントですね。
渦中のシャブおじさんは、シャブ中毒で有名な選手ですが、昨年有野義母窓親王のお告げで、突然本塁打王に祭り上げられた。
まず問いたい。
一年で867本、ヒットですら、打てるだろうか。
はい、あなたは?
また飛び入りかね。
選手のジョー・D・真剣朗です。
また選手が来たんだ・・・
はい。
第一に、物理的に、867打席、立てませんからあ。
所詮試合数は140試合ですから。
ナント!
打席数をあろうことか、ヒット数が上回る、これは虚数ですね。
しかし、いっぽう、有野義母窓親王は、それはありうる、と主張しています。
シャブおじさんサンは、その後シャブ中毒で逮捕されました。
それを受け、有野義母窓親王は会見を開いて、言いました。
そもそも、シャブ中毒者がホームラン王を取るような世の中だ、何があってもおかしくないだろう、と。
あ、むしろ、そこはありきで設定されてるんすね。
ぼくたち選手は皆、記憶を消去されています。
しかし、実際には、それは、不完全さをはらんでいます。
選手はみな、特にぼくみたいにベテラン選手になるほど、消された記憶の回数が多すぎて、幻覚を起こしてしまっている日常があります。
これは、選手間に眠る、シークレットです。
ジョー選手ジョー選手・・・、いいんですね?
いいんですね?
アナタ、へたすると生きて帰れないよ。
その覚悟です。
では、殺される前に押さえときましょう、スタッフ全員!流れ弾、受ける覚悟でいなさいよ。
ええええええーーーーっ。
イヤなのか、まあいいや、で、続きは?
はい、だから、われわれ、試合をしている時も、実際の試合結果と、幻覚の試合結果を、揺りかごを渡るように行き来しながら幻影をおよいでいるといって、過言ではない。
われわれ、ヴィジョンを、3つも4つももちあるいて生きているんです。
ジョー選手ジョー選手、アナタね、うそ、仰ってませんか!
なぜなら、試合後、記憶を消去されているはずでしょう?
なのに何故、アナタは試合中の幻覚を覚えている!!
・・・
ちっ、バレたか。
でもね、うそもあればほんともあるんですよ・・・
嘘も方便、嘘がまことだってことも人生のいっぽうにはしっかり根付いていたりするんです・・・
ばきゅうううんんん!!!
ううぁっ!!
おい急げ!急いで救急隊をよべえ!
・・・一旦CM挟んでエンディングです。
ぱーぱーぱぱぱぱぱぱぱ、ぱぱ
ぽーぴーぽーぴーぽーぴーぽー・・・・・・
われわれは麻薬的幻影をおよいでいる、これはウツツか、いえ、そんなわけはない、われわれはゴッソリ、内面ごと忘却の淵へと突き落とされて還れない。
高い高いフェンスに守られた奈落・・・魔界への呼び声を、新庄みたいな芸当でうっかり超えてしまおうものなら、もうもどれないんだ、アドレナリンなら、そう、語っているよ・・・
マボロシにある素のプレー。
観客に囲まれず、中継すらされず、録画もされず、判定の人格にもありつけず、ただ、空疎に、簡素に、乾いたグラブ、乾いた木製バットの鳴らされるおとだけが響いてる。
ただ純粋に、プレーのみに特化された、そうして試合後の評価やその累積など全くもって評価にはつながることはない、金のためではない、優勝のためでもない、ファンのためでも、おそらくは・・・、自分のためでもなければ、家族のためにすらならない、ただひとしあい、ひとしあいだけの、すぐにすてさられるためだけのプレーがある。
チームと、チームの、ぶつかり合いがある。
金のためでもない、名誉のためでも、人気のためでも、自己実現にもならない、ゆいいつ・・・それは忘却のためだけにある、そんなプロ野球が存在している・・・
さあ、プレーボール、試合開始だ。
一回の表、おなじみ、スカイブルーの生地にマリーゴールドの縦縞の色彩の照明うずもれた耽美的スタジアム、選手ばかりがにんげんで、設備の周縁には宇宙の終焉をダイレクトにものがたる闇黒へのいりぐち、永久のそれ、漆黒の迷宮のこえ・・・
プレーヤーの憧れは、試合開始後、だんだんとおもいだされていくことだろう。
それは・・・・・・
自分でも忘れるくらいに、おれ、再登場だぜえ!!
お、ひさぶりじゃああん。
さ、と、ぶのあいだに、し、がぬけてまるで歯抜けみたいになってるじゃんよー。
それをいうなら歯抜けでござろう。
はぬ、はぬぬぬ、浪人ふぜいがぬかせい!ルビがなきゃ、誰も気づかんだろうが!
許せ!斬る!
ジャキーーン!
ジョキリ・・・ぽた、ぽた、やき・・・
すばしこい、逃げ足だけは一流だなあ。
ハイハイ、ダジャレは禁止だ!
シジュウになってもあしはイチ流さ。
また、ダジャレになってるーー!
代われ。
1回表ワンアウト3-0
グラフィック・・・
スカイブルーの生地にピーコックブルーの縦縞、オーキッドの横縞である。
ど真ん中ストレート、ズバン・・・
アップルグリーン一色に一瞬包まれた。
つまり、フォアボール!!
ストライクじゃないのかよ!
ど真ん中ストレート、なのにフレームに4回当たって終了・・・みたいなやつう??
1回裏ノーアウト1-2
グラフィック・・・
コバルトブルーの生地にマリーゴールドの縦縞、コチニールレッドの横縞である。
カキーン、入ったー、(ホ、ホームランかあ??)・・・
カシャン、エボニーに包まれて・・・縦縞がピーコックブルーになり、横縞は、消えた。
1回裏、つまりはワンアウト0-0
さっきのリプレイ、カキーン、入ったー(や、野手のグローブに・・・)だった、はあガックシ。
いやあ!さすがは野手!期待の持たせ方、尋常じゃないっすねえ!
さすが、プロフェッショナル仕事の流儀ですよお!!
え!
馬鹿にしてんだろって?
ぜーーんぜん、ぎゃくにい、ですよお。
ホームランだったほうがよっぽど平凡というか、むしろアウトであればこそ生きる、そうだな・・・例えるならすっごい死に方で死んでいく悪役商会てきな?
やっぱ馬鹿にしてんじゃねえか!
もういい、死んでやる!!
どーぞどーぞ・・・
ぐはっ、そこは促さんでくれいい、とめてくれいい。
や・め・て・え。
なんで棒読み、感情こめろよ、死んでやんねえぞ!
そ、それはこ、困る!
お、お、お、お願いですから、〈死ぬのは〉やめてください!!!
せ、誠実さ!
仕方ない、ぐはっ・・・
や、野手~~~!!
惜しいひとをなくしてしまった、もっともっと、思い出を一緒につくりたかったよ~。
(ああ、面と向かっては言えない言葉を、死んでしまってぼくは、霊として聴くことができた)
なんで死んじまったのかよお、畜生!!
(ああ、ぼくももっともっと思い出を作りたかったよ・・・ぼくも死んでやっと素直になれたのさ)
やしゅう~~!!
何度も、何度でもたりないよ~~!
(ぼくだっておんなじさ、なんども、なんどだって・・・)
なんで死んじまったんだーー!!
たった1回きりなんてーーー!!
(へ?)
もっと、もっと無限ループで死ぬのを見たかったよおーーーー!!!
(てめえ、とり憑いてさんざん苦しめたあげくぶっ殺す!!!)
どおしてだ!!
涙が一滴も・・・
(どばああああ(洪水))
2回表ツーアウト満塁、カウント3-2
グラフィック・・・
ライムグリーンの生地にチェリーピンクの縦縞、カーマインの横縞である。
緊迫した場面、投手との駆け引きの場面だ。
・・・。
なんどもなんども首を振る、決まらないサイン、集中する事で、おれは次第に相手への読みを見極めていく・・・
ぶおん、ぶおん・・・
スローカーブ、首を振るおまえ・・・
(正解:おれは変態だ。お前がおもうよりもっと、もっと・・・)
ぶおん、ぶおん・・・
ナックル、躊躇するも、やはりお前は決められない・・・
(正解:今日だってヌーブラしてるぜ!しかも、股間にぷるん、ぷるん・・・あイキそう)
ぶおん?ぶお・・・ん。
消える魔球?投げれるわけねえよ!星、飛馬じゃ・・・ねえよ。
(正解:それにドケチです、おんな?いえ、おごったりしたくありま・・・せん、車なんて買いません、ニートですもの、ガレージには、一輪車、一輪車に乗って街に繰り出しナンパする)
ぶお、ぶおん、ぶおん・・・
増える魔球無理、増えるわかめ、煮えるタガメちゃん・・・
(正解:ドラムスアヒトイナザワ
シェインタタンタカタカタカタンタカタカタカタンタカタカタカタンタカタカタカタンタカタカタカタボロボロボトゥボロボロボトゥボボボボトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトターン シェインタタタタドゥドゥタタタタドゥタドンドドドゥドゥドゥドゥドンドンドンドンドンドンドンドンドンドントターン シェインタンタトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトターンタラントコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトコトトトトターン シェインタンタタンタタンタタンタトントトントトントトトトトトトトトットットターン シェインタラタラタラタラタラタラタラタラタタトンタタトタトントンボボンボボボトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトンターン シェーイン)
さらり、さら、さらり・・・
シャララ、シャララ、シャララ、シャララ・・・
(正解:ぶ~ぶ~ぶ~ぶぶぶぶぶぶぶどらいぶたのしぶぶぶぶぶ~)
続いて2回裏ツーアウト1-0
グラフィック・・・
モスグリーンの生地にチェリーピンクの縦縞、ベビーブルーの横縞である。
バッター、なにか気になるようですね、バッターボックスの中で・・・あれはパントマイムの壁をしながらどんどんバッターボックスの立体の中に閉じ込められているぞ・・・
ナーバスになってるトコ非常に水を差すようで恐縮だけど、見てるこっちが一番気になるわ!
さあ、イチロー選手みたいにくるくる右腕を回していますが・・・バットが無ーい、スタジアム包むカージナルレッド、ストラーイク。
パントマイムへの情熱だけは伝わった。お前はニューヨークの街中へ行け!
さあ、カウント2-0追い込まれたぞ、
グラフィック・・・
モスグリーンの生地にチェリーピンクの縦縞、トパーズの横縞である。
ピッチャー投げた、カキーン、キャロットオレンジに包まれたー、ファール、ファールです、惜しい。
・・・しかしバッター、パントマイムのバットでよく打てましたねえ、どうなってるんでしょう。
(飛び降り自殺でも目撃したような顔で・・・)
ウ、ウケる~・・・
さあ、カウント2-0、ピッチャーもう一球投げました、カキーン・・・カージナルレッド、エボニー連続して点滅したあ、三振スリーアウトチェンジです!!
?
今のはなんでしょうか!
怪奇ですよ怪奇!
バットの音が鳴らされているのにかかわらずの、空振り三振、侵略者からの陰謀をわれわれは目の当たりにしているというのでしょうか!!!
VTRで確認しましょう。
ええっ?カメラ寄って下さい、上です上・・・どうやらバッター、口元が動いています。
「か、きい、ん」
確認が取れましたー!!
言っています、あろうことか本人のオノマトペを駆使した
突き抜けるほどのカキーンが放たれているのでしたーー!
さあ、監督チャレンジは失敗に終わりましたあ!!
お前はいい子ちゃんだねえ!
あとでいっぱい可愛い可愛いしてあげちゃうからね・・・
(息の止め過ぎで窒息しろ!)
3回表ノーアウト一塁、カウント3-2、フルカウントです
グラフィック・・・
ライラックの生地にマリーゴールドの縦縞、カーマインの横縞です。
ピッチャーは連続フォアボールだけは避けたいところ。
投げたああ!
・・・ころころころ。
しっかし、転がって行くもんですねえ。
ピッチャーフォアボールを警戒しすぎてあろうことかボールを転がしてしまいました。
アップルグリーン、当然フォアボールです。
ここがボーリング場だったらストライク獲れていたんですけどねえ、惜しいことしました!
いやぁ・・・・・・君とは初めて会った気がしないなぁ。
・・・・・・なれなれしくてすみません!
(え?別に謝らなくていいのに)
回は変わって3回裏ツーアウト、カウント3-1
グラフィック・・・
ロイヤルパープルの生地にチェリーピンクの縦縞、ラセットブラウンの横縞。
カキーン。
・・・マンネリだ。
さっきから、カキーンばかりを使いすぎていることにおれはようやっと今、気づいてしまった。
しかし、そのほかにしっくりくる擬音なんてあるんだろうか。
ベタに、キーン。
アラレちゃんか!
お前もベタすぎだろ!
せめてウィーンとかだったらコンビニのコントとか、ウィーン少年合唱団の顔マネとかできたのにー。
てか、それ、じゅうぶん、ベタ。
キーンよりましだし。
ウィーン売ってんのか?キーン売ってんのか、それとも油売ってんのか?
うまい!!
油です。
それってなに油?
意表をついて蟻あぶら、とか。
もっともっと!
牛のギアラ油。
ワンランクダウン!
クソっ!
ワンランクアップ!
??
じゃあ、真空油。
??なにそれ。
通用しなかった。
じゃあ、陸油。
ただし陸油は対象外とする。
あるんだ陸油・・・
目ヂカラ油。
女子力油。
まさかのリターン!
食前油!
生前油。
リ、リターンエース、敗けたア!!!!
4回表、ベージュの生地、ピーコックブルー縦縞、ポピーレッド横縞・・・
ぼきんっ!
鈍い音しましたねえ、バット、曲がってしまっています。
「いてててて、折れちゃってるなコレ、困ったなあー、オニイサンよお、病院代と慰謝料、払ってもらわないとー」
バババットさん、そうおしゃいましても、これは不可抗力ですし・・・
「ナメとんのかイテマウぞコラア暴力団ナメトンノカわれい」
まあまあまあまあ、そこをなんとか抑えちゃって・・・
「口の聞き方ひとつわかっとらんみたいやな!!このクソガキ。電気ドリルで目ん玉潰したあとにどんぶり飯にかけて食わすぞ!!ぼけえ!」
あにきい、こらこら、声がおっきいゾッ。
―アニキのおでこに人差し指でちょこんと触れている。―
ここがもし、ウィンブルドンのセンターコートだったとするんであれば必然的に、四の五の言わさず追い出されちゃうぞ。そんなアニキの姿なんてのは見たくはないんだぞっ!!
「なんやねんな、調子の良い。わかっとらんな若造、ワシらは、公の場所という場所であえてKYな大声を出すことが何よりの仕事やねんで。縄張り、マーキングの拡張やカクチョウ!!それがオモでワシらおまんま食っとんねん」
そうそう・・・。
そしておれがそんなアニキにいちいちヘマしてあげてっからさあ、結局あにきは食いつないでいけてるってことじゃん?
感謝しなよ、お天道様が消えないうちに。またいつでもヘマってあげるからさ、そいじゃ今日んとこはこのくらいでヘマは加減しとくわ・・・ほなら、じゃあね、さよなら・・・
「あー、ちょっちょっガキー待たんかー、びょっ、病院代はー・・・
あああ~、ホンマに行ってもうた。あのね、あのね。今回ばっかりは実際、折れとんのマジなんやけどー・・・」
4回裏、シャモア、ピーコックブルー、コチニールレッド。
フェアかファールかフェアかファールかフェアかファールか・・・
アキレスと亀・・・
白線上に落ちればフェア、白線外であればファール、では、その完全なる境界線をそのまた境界線へと微分していくことで、フェア/ファール間の中間地点は止め処ない・・・
まして、人情を一切排除してしまった機械仕掛けのプロ野球のルール上では、その無慈悲さゆえにて、このような無限後退への悲劇が起こらないとも言い切れないのが常であるし、その天文学的劇的悲劇はあまりにあっけなく上演されているのである、現実って意想外である、ファンタジーって現実感のインフレーション世界だってこと。
そう。
デジャヴュみたいだね・・・・・・。
・・・。
そうなんです。
さっきから被害妄想がウイルスみたいに体内に巣食ってしまったようで・・・。
腹の中にうようよと増殖をはじめてるんじゃないか、はじめていたらどうしよう、などと考えているうちに、わたしの脳内映像は裁判所からカメラ前へ飛んでやってくるTVスタッフの半紙には、大きく黒い図太い字体で「陽性」と書き殴られているまざまざと描かれた書体が踊っています。
わたしはわたしではありません。
自意識は妄想によって奪われ、ばかりか身体までをも犯される・・・。
思考などといった一貫した筋道は為し得ようがない。
わたしの発するコトバやイメージは、常人が普段おこなっている通常のソレ、とは路線、いえ、始発点からして違う。
これは、理路整然たる、あの人類が愛するもの、あのツールとは異質にして別件。
わたしが発している、ふうなものは、たんなる支離滅裂の無秩序な羅列・・・。
ああ、罪悪感で腹が、とくに大腸が捻れそう・・・。
だしたい、腹の中に確実に宿った告発者は悪魔、嘲笑う、けたたましい邪悪の喧騒が、実際コノ眼で確かめないことには、発狂で死んでしまう。
そしてわたしを捉えて放さぬ牙が肉体の内側を貫通してしまっている・・・よって、それを腹から掻きイダシ不安の除去のためには目視を遂げて罪の浄化のためをも並列して同時に成し遂げる方法・・・
切腹による自害の殉職をいま遂げんとわたしはしているよ・・・ああ・・・・・・
5回表、ゴールデンイエロー・生、マリーゴールド・縦、マルーン・横。
ここは世界の中心であるかぁー!!
それとも宇宙の深淵であるかぁーー!!!
両義的なるものごとのすべては麗しい、それは宇宙を上昇させ続けるモノで、そのエネルギーの源泉や矛先たるや永遠である。
はじまりとゆくさきの官能と情事が、誕生の刹那のみを連続していくエネルギー、つまりが未来物質の正体なのであるよ、Do You Understand? Mr.Zero! ZZZZZZZZ......
理解するんだーZ
異常私たちDYUアイドル週末英雄ディーユーアンダー・ゼット。
ありがとうございましたー。
5回裏、カドミウムイエローチェリーピンクトパーズ。
ナンパ師がいる・・・
難攻不落を貫けるか、それとも落とされてしまうのか。
かのじょ、かのじょ、セックスしよう、いきなりすぎてごめんなさいね、直球勝負しかしらないもので、この直球受け取って欲しい、きみのキャッチャーミットで、セックスしよう、直球受け取ってきみのミットで、セックスしよう、きみットで、セックスしよう、みットで、セックスしようみットで、クスしようみットで、クスしょうみット、クスょうみット、クスょうみト、クスょうみ、Xょうみ、Xょ海、・・・・・・。
かのじょ、かのじょ、Xょ海、いきなりすぎてごめんなさいね、直球勝負しかしらないもので。
Xょ海、Xょ海、Xょ海、Xょ海、Xょ海、Xょ海・・・・・・。
あ~んもうダメ、オチちゃった。
6回表、ローズレッドマリーゴールドベビーブルー。
・・・・・・。
無いんかい、シェー!
ていうか、さっきからミーとユー多重人格者の独り言みたいになってザアマス!!
6回裏、ベゴニアピーコックブルーシャルトルーズグリーン。
暗闇・・・
ここは本当に野球場なのだろうか・・・
それから合いも変わらず観客はおろか、観客席はそこの底までに延びきった深い断崖ときている。
さておれは走りたくてウズウズしている、少しずつ記憶が蘇ろうとしながらも、やはり脳波はずーんと気怠い、おれは、きっと、俗世間において鈍足なカメ野郎ダト、レッテルを貼られているようである、それは、とある―あの、現実において。
しかしいま、おれは世評に反して、盗塁がしたくて、したくて、ウズウズしているのである。
本能か?
おれはこの世界へ生まれ、いま、ひとつの、特殊な状況を演じているようである、だけれども、このまま、プロ野球というひとつの儀式が、何万年も何億年もかけせかいに残され続けるなか、ついに遺伝子の核を破り浸入して来る日というのを待つ運命が、とおい遠い未来にあるのだとすれば、たとえイノセント状態で、野球を経験する機会に恵まれなかったひとがいたとしてそれでもなお、ああ、無性に、盗塁がしたい、という衝動を抱えた突然変異なる一種があらわれてその衝動に突き動かされた結果塁を奪いに体が勝手に動いた、というケースも現れてくるはずである。
暗闇の球場のなか、おれはスタートを切った、投手のクイックモーションが、止まって見える、暗闇であるのに、ベースとベースだけやんわり眩しく輝いている。
そうか、ここは、ZONEなんだ・・・・・・
向かってくるの、無駄のない洗練されたモーションに促されたその閃光で、英雄は、わたしを奪うために体を地面へと激しく打ち付けすべりこみ消耗させながらも・・・
光に満ちた純白の柔肌をその手で握り締めるために、美しく跳躍を極めているんだわ。
その手がわたしを包んだとき、いいわ、わたしの純潔を、あなたにあげましょう。
さあ、わたしを奪って!
おいでなさい・・・・・・。
7回表、カーマインチェリーピンクシャルトルーズグリーン。
観客はいない・・・
でも、これはきっと幻想の仕業なんだろうけれど、7回の攻防が、このスタジアムをお祭り仕立てにしてひとつの特殊な狂熱に被ってしまっている、というヴィジョンを、なぜかしらチームメイトのみなが自然発生的に同調的に、つまりひとりひとりの意識の枠を超えたポイントでの共同幻想を抱えたり演じたりしている、という遠い近い記憶・・・
でもでも、この幻覚も記憶とともに消されていくし、この幻覚自体も一体誰の所有物なの?
そうね、深淵。
深淵だからこそ、壊したり壊れたりすることなく、フレッシュなまま途方もない数量を飲み込んでしまうことができる。
その代わりに深淵、一本の、エゴイストじみた執着する個体としてのこころはあまりここには居場所がないようね
。
よって深淵、狂熱は深淵に呑み込まれ深淵は狂熱を生んでいる・・・
さあはじまりなさいはじまりよ、深淵にはじまる、深淵を喚起、はじまってゆくさあ、いざカニバル!
ああ、ああ負けだ負けだおまえにゃまけだ、宇治金時もブルウハワイもソーダあじも、みんなおまえのものさ、しかも練乳2倍がけでね。
7回裏、シグナルレッドピーコックブルークロムオレンジ。
代打、大型新人、背番号012000930010000(ゼロイチニイゼロゼロゼロノクサレおまん、腐れおまん)
さあ、待望の初打席です、ここで大型新人D・I・Yのコーナー・・・
ピュアイン遺伝子、もしくはピュアじゃないハートに2年間国内で飼育したものとする。
ごま600g、アーモンド30g、けしの実70g、初音ミク3㌧、2~3m以上のサナダムシの燻製、クコの実ふた粒、脱走兵5g、ジャネット・ジャクソン6体、エビ4尾、ツムラのバスクリン、八丁味噌に生き埋めになったチャンカワイの味噌漬け、糸杉を描写した名画3枚は現ナマで、ここで臨時ニュースです、小池容疑者逮捕。
まずは、クコの実を、弱火で3時間炒めます、コチラに用意したものがあります。
アーモンドをオーブンで2時間、ここにあります。
ジャネット・ジャクソンを暗い部屋で監禁します。
森林を伐採します。
一週間油通ししたものがコチラです。
100人乗って壊れちゃったものがコチラです。
テンガロンハットをミンチしたものがコチラです。
単独首位がコチラです。
7年連続Bクラスがコチラです。
万年床がコチラです。
干し芋がコチラです。
こちらが家内です。
こちらが陣太鼓です。
ダイエットしてないのにどんどん痩せていきます、ヒロシです。
情熱大陸なんてグーグルアースでもわかりません、ヒロシです。
マキタスポーツはスポーツ用品店ではありません、猫ひろしじゃありません、猫とタチと聞かれたらねこでしょうと即答します、ジンベエザメがコワイです、海では泳げません、失敗は成功の始まりというけれど、失敗ばかりしています、ヒロシです、今日も鼻緒が切れました、今日3回目です、もう下駄は履きません、ヒロシです、むかし彼女の友達にゆるキャラだと紹介されました、僕は彼氏じゃなかったんですか、森ガールでした、見た目はゆるいのに性格がキツイってどういうことですか、見た目に騙されました、ヒロシです、池上彰があらわれた、ヒロシです、池上彰を10体たおしたというのに、経験値が20しか上がらないってどおいうことなんですか、もういいです、メタルスライムでレベル上げるとです、キャバクラにはもう行きません、こりごりです、そう言ってた自分が懐かしい、一体いくらつぎ込めば抜けられるんですか、一度手を染めたが最後、抜けられません、ここは闇金ですか、ボクの人生と見分けがつきません、自分がコワイ、ヒロシです、ココロの借金は返済できません、過払い金は請求できません、逆に手数料を取られました、踏み倒せるとしても、死が待っています、それはできません、自殺がコワイです、もう一度チヤホヤされたい、ヒロシです、くまモンに便乗したかったとです、もう手遅れです、この前ネタを噛みました、フジモンに飽きられました、もう瀬戸際です、この前つかみで滑りました、ブサイクなペットを街で見かけただけでも、涙腺がゆるみます、コッチは遠距離恋愛だと思っていました、3年で気づいてしまったとです、どうりで会うたびよそよそしいと思いました、営業のイベントのオチでざわつきました、どうしてですか、鉄板のネタじゃなかったんですか、人生に鉄板なんてありません、それが鉄板です、半年に一回、テレビでボクのモノマネを誰かがやってくれます、それで満足です。
世界を俺が変えていくのだから、キミだけはこのままでいてくれ、美しさだけはどうあがいたって変えられない・・・
8回表、インジゴチェリーピンクシャルトルーズグリーン。
該当するものにチェックをいれよ。(重複交渉しだいで可)
A:)意地悪いガキが天高く放ったためにボールを見失った。
B:)サイの角の部分がプラスチックのぜんまいに改造されていたため。
C:)生ヤプーのなめろうが美味であると思った暁。
D:)ベレー帽のゾンビがあらわれた。故やなせたかしだった。
E:)会議室に迷い犬がやってきた。そして走り去るのをみな眺めるのだった。
F:)キャリーバッグがぱみゅぱみゅしている、たいへん握りづらいのである、フライトには間に合わない。
G:)人前で切手を舐めるはじらい、思春期の到来。
H:)「セメント受付中」ただいま炎上中。
I:)ちちんぷいぷいサビ抜きになあれ、ちちんぷいぷい甘口になあれ、あといっこ、ちちんぷいぷい空腹にもーどれ、後方宙返りむしゃむしゃ・・・
J:)伊勢海老あるある・・・だいたい飾り、ライチあるある・・・だいたいタネ。
K:)刃物入り名刺もらって5針ぬう
L:)便所の鏡に映ったおれの顔はでかいおにぎりだった。割ってみたら脳みそが赤く爛れずしりと埋まっている、筋子みたいでとても美味である。
M:)チャペルにて。白衣の花嫁、ちょっと浮いてませんか?「ええ、浮遊術ですから」タ、タイミング!
N:)命名「篠宮パステルカラー」受理。
O:)このピンク色をした粘土の中にはいいものがたくさん埋まっているよ。このスコップで掘ってみるとイイよ。
よいしょ、よいしょ・・・手首?よいしょよいしょ・・・また手首?よいしょよいしょよいしょ・・・手首!手首ばっかじゃん。よいしょよいしょ、手首、手首、手首、手首・・・
P:)10年後、タイムカプセルを埋めたあの半自叙伝の下でまた会おう。
Q:)盛り塩などいらない、欲しいのは真実だけ。
R:)ついに彼は世界の壁にぶち当たる、国内のみならず海外記者からの注目を集める中、あたりめで編んだミスリル、で望んだ初のオリンピック予選、敗退。
S:)膝がウズク、3日前に狂犬に噛まれ膿み、傷はちっとも塞がらない、そして膝を突き破り、蜘蛛みたいに増殖したちいさな狂犬がウヨウヨ現れた。手はじめ俺の体を骨まで食い尽くす、それらは巨大化と殺戮を繰り返し直ぐ様街中を覆い尽くした。ガルガルガルガルーーーウォンウォン・・・
T:)今年の夏は、コソボがアツイ!
U:)すみません、ローランド・エメリッヒさんですよね。ファンなんです、サインいただけますか?ここにデイアフタートゥモローと書いて下さい。きみ、名前は?す、すみません、じゃあアゲハどぶろっくでお願いします、なにせ通りがかりの極楽鳥ですから・・・元来名無しです。で、出会いは一期一会!
V:)お粥がだいすきちゃめちゃめ。すきな具材は冬虫夏草だちゃめ。
W:)トビッコのエレベーターガール、7階、オモチャ売り場で~す、5階、寝具のコ~ナー、2階、ずぶ濡れの下着売り場で~す、1階、性感ローションが売ってるパターンの薬局で~す。チョイスが露骨!
X:)話題の昼ドラ、楽園の恋人たち。主演壇蜜、稲川淳二、KREVA、鈴木杏樹の重厚に織り成す四角関係。2030年、近未来、地上の楽園とされている石垣島、ディストピアの本国をよそに安逸な日々と、熾烈な愛憎劇が交錯し繰り広げられる。しかし、突然の爆撃を境にA・Iなる悪魔の到来にはじまって楽園は崩壊を迎えていく。
Y:)ぶ~ら~り、マサイ族。
Z:)お前機嫌悪いだろ。なんだよ、そんなことないよ。眉の角度さっきからご機嫌斜めだぞ。
だっふんだ、ぱ~うぱ~うぱ~う。
8回裏、サファイアブルーピーコックブルーベビーブルー。
今日はおれの奢りだ、さあたらふく食ってくれ。
・・・。
係長、3万円じゃあと1000円足りません・・・
(空の財布を見ながら)えっ?さすがは現ナマ主義のおれ。いざというときの被害が最小限で済むもんなあ。
部長、3万も飲み食いした俺たちが度が過ぎてましたよ。
いざというときは有能な部下を持つことだな。さすがはおれの部下だ。高級なメニューを嗅ぎ分ける嗅覚に長けている。
(たかが居酒屋だろうがよ)
ね、こういう発言が水をうったように場を引き締めるんだ、いざという時のために覚えとけよお前たち。
部長、残りは俺たちが出しますから。
やっぱりわがチームは素晴らしい。まさしくワンフォーオールオールフォーワンだ。
じゃあひとり200円だしね。
たかが1000円の手出しをきっちりと・・・お前たちはスズメバチの群体の殺傷能力に匹敵するよ。
この組織を築いたザッケローニすげえ!
(この時期にそのたとえ、自分フォローになってねーぞ)
さあさあ、金も浮いたことだし、2次会はキャバクラといくか。
(ぽつん)
いやあ、おれ、人気がありすぎて、一定量のオーラを過ぎると逆に近づけないらしいなあ、人気タレントはこれだからつらい。おれは数多くのファン全員のものだから・・・
9回表、フォグブルーマリーゴールドジェードグリーン。
さてプロ野球ニュース始まりました。9回ノーアウト、バッターは森サマー。第一球投げました。カキーン、伸びる伸びる伸びるー、しかーし、グランドは伸びフェンスは伸び打球も伸びやまずー、両者一歩も引きません。時間感覚もきっと伸びるでしょうし、世界全体も著しく伸びていくことでしょう。この宇宙は加速的膨張を続けています。
疑問その一。
全ては無限に伸び続け止め処ないのでしょうか?
疑問その二。
伸び率に歪みが生じ、宇宙のある一部が、宇宙の前衛を越して自らの加速膨張が全体を突き破る可能性があるのでしょうか?
例えば森サマーの打球・・・
グランドやフェンスの伸び率の均衡を破り、打球は本塁打となりゆく。正しく膠着したゲームさながら均衡を破ることに森様ちゃんは成功したのでした。
尚、ドームの天井を突き破り、惑星の天の境界を越え、宇宙空間を通り過ぎる・・・
草野球・・・
もちろん観客などひとりもいない。それどころかアンパイヤーすらセルフでやっている。
プレイヤーどおし、チームどおしのみの純粋なせめぎ合いがあった。
かつて宇宙の深淵に消滅したプロ野球というものがあったけれど、まるでそれが現実に憑依したかのようである。
青空、天高く舞う白い打球、困った事に、そして悦ばしく驚愕なことに、一度舞い上がったボールは舞い降りず、どころかぐんぐん高度をまして何かに引き込まれるかのように、どころか何かを過ぎ去るように、おそらく何よりも次元の淵に対し垂直にニュートリノみたいにそれはこの時空を光より早く通過していくのである。
草野球、たったひとつのありふれた白い野球ボールが、うちゅうを、超えた・・・
9回裏、最終回、スノーホワイトピーコックブルーコチニールレッド。
なぜみなはスポーツに向かうのか。
この世に美しいありさまがある。
絵画よりもまざまざと予想外でないめんせかいに迫り来る。
花、昆虫、鳥類。
極彩色という表現が的を射る種族が数多くこの世にはある。
この世界の外側へと視線をうつそう。
星、銀河、星雲・・・
闇黒の宇宙空間が最上のコントラストの画布であり、それらは人知を超えて美しさに特化している。
近距離で直視すれば死んでしまうだろう、さながらギリシャの神々みたいな神性・・・
天上に美死す。
このせかいに美死す。
人命の器では到底計れない美エネルギー・・・
人命は地球より重く、更には重きとされる人命は美の軽みに然かない。
この世を離れたましいはこの世ならぬ美しいせかいをしるだろう。
涯てに、存在たちの窮極の果て、前衛の画布に写りこんだ美なる心象風景をある芸術家は捉える。
この世ならぬそんざいがソコには映っている。
そして芸術家はそれを描写していくのである。
かつて神はこの世を創った。
かれらに特権をあたえ、かわりにかれらじしんという越えられない壁、超えられない深淵をあたえた。
花や昆虫や鳥類や、それ以外にも極彩色に美しいグラフィックのそれぞれがこの世に光を映している。
さて、それらこの世を飾り、この世を無限に拮抗している、種族間や種族内での種の永続への本能。
願望。
それは美しい生への渇望である。
自らの特権に特化して、自らの深淵に立ち向かう。
存在、それは宇宙のコード。
生存闘争。
芸術家はその内奥に美を明視する。ただ、それだけだ。
さて、宇宙のコードが絡み合って新しいコードへと発展していく。
生命、現在。
神、OBとしてこの世を鑑賞している。
あの球場に拡がった深淵とは、神々の観客シートなのであろう。
神はふたたびこの世のフィードバックに寄り添って未来をあたためる。
神もそう、生きている。
とくに、昆虫や鳥類は、ダンスや音色にて表現を凝らし、種の相克の手立てとしている。
芸能。
殺戮や強奪とはまたひとつ趣向を違えた文脈がこの世の彩りを追加しそれはもう、根付いている。
にんげん。
死と文明。
死の代替物としてかつて占領の礎にて人間は息づいた。
文明。
この世を強奪する事でわれわれは死の副産物に従事していた。
殺戮を余儀なくされたかつての人間はみな、ことごとく世界であって、世界は皆奪われるためにしかない。
家畜人・・・
われわれが奪い尽くした先にやっとほんとうの光が射す、その権利が生じる。
打球は次元の斜交いに。
無価値無意味を目的とモチーフとして、それらは円環し、永遠のエネルギーとしてすべてを超越するのである。
スポーツ。
一面、闘争本能の代替物として機能するそれは、古代より現代にかけて戦争の再現、その享受と熱狂に、強奪の代替物貨幣を採用することで事物としての確立を得た。
バーチャルリアリティの勃興。
つまり芸術、宇宙の最終目的にして最終モチーフのひとつの手立てがこの惑星においてのスポーツというありかたなのである。
そして観客のいないプロ野球/観客のいない草野球には、その精髄と粋があつまっている。
駆け引き、攻略、パフォーマンスへの純化、知的高揚。
つまりゲームの熱狂であり、エンターテインメントの本尊はここにあるだろう。
野球ゲーム。
巨大なスタジアムがかつてあった。
幻影がヨギル、プレイヤーはみな、睡眠状態にて、スタジアム内のバーチャルゲームの設備に身を投じ、眠りながらも一試合を生きている。
ここにもはや、フィジカルとしてのプロ野球の光景はない。
ただ、知的戦略と、知的テクニック、熟練だけがあって、その行方には必ず芸術性がやどるのであった。
人知を超えたる人知。
神性を宿す人道・・・
広大な芝生に並んだユニフォーム姿のプレイヤーがみな、夢寝見に見ている幻影は、ことごとく真実であり、ことごとく現実なのである。
決まって試合終了とともに、プレイヤーたちの肉体には、忘却が嫌が応にも刻まれるだろう。
そう、われわれがひとつとして夢の景色を肉体に刻み込む試しがないことと同様に・・・
胡蝶だよね・・・
10回表、延長戦、これより照明は、スカイブルー・コバルトブルー・ライムグリーン・モスグリーン・ライラック・ロイヤルパープル・ベージュ・シャモア・ゴールデンイエロー・カドミウムイエロー・ローズレッド・ベゴニア・カーマイン
・シグナルレッド・インジゴ・サファイアブルー・フォグブルー・スノーホワイトの循環にループする・・・
通常、野球は9回で勝敗を決する。
しかし今日の試合はそれができなかったという。
ただいま現在、情報は錯綜しており、どれを信じてよいのかまだわからない。
ただし、有力であるのは、現在も試合は続いてはいるが、一方が大差をつけているがために裏の回で終了することは、確実である、ということ、それなのに、攻撃の手が休まらず、逆にチームが苦しみを味わっている、ということ、いかほどであるか、というと、あえてアウトになろうと決め込んでみても、全ての方法がことごとく失敗に終わる、どうあがいてもこの無限状態は逸することが不可能である、得点というものが勝ちにつながっていくというたった一義に収まるばかりではない、それはワンパターンの現実に過ぎないから、相手チームはおろか、自チームのプレイヤーの全てが、下手をすると重体に陥ってしまうのではないか、という心労、これはあながち詭弁ではない。チームはおそらく今後すべての試合で得るはずであった得点の全てを、運命のねじれを来たした運命の悪戯に従って、本日の試合にのみ得るだろう、という確信、絶望。何かしらの祟りであることは、間違いないであろう。
あるいは別の有力情報として、試合は9回どころか1回表の時点で勝敗は決定してしまった、ということ。このパラドックスの由縁は、パラレル世界の作用で、野球が、1回表で勝敗を決するというルールに変更されていた、とか、強制終了、というコマンドが現れた、とか、レッサーパンダとパンダの試合にスイッチしていた、とか、1回表を9回裏、と認識する機能が人間の盲点には埋ずまってあって、それが発動してしまった、とか、整合性は動かしようのない事実を目前にしてみれば何が何でも構わないのである。
有力情報の最後としては、はじめの情報に似て非なるもので、やはりこの試合はいつまでも終了しない、ただしそれは裏表の攻防が、完全なる均衡状態であるがために終われない、というもので、これはむしろ、回数を永久に増幅させていくという代物、例えるなら鏡面と被写体みたいなものである。これは鏡が現実を欺いて、物の怪でも撮さない限りには終われないだろう。
有力情報に照らし合わせると、事の成り行きはこれらのいずれかであり、あるいはこれらすべて、である・・・
俺がやるよ、いや、俺がやるよ、じゃあ、俺も・・・
・・・。無いんかい、ドーゾドーゾ、下手くそか!!
これよりさき、回は錯綜する、延長戦は無限奈落あるいは深淵を呈する、プレイヤーはただ、脱出からの唯一の鍵であるサヨナラホームランを見つけるための長いながい旅をしていくことであろう。
以下オムニバス。
そんなわけないでしょ、ありえないありえない・・・ホンマや。
おおきい、おおきい、おおきい、入ったーホームラン・・・オールスター恒例ホームランダービー・・・
おれの財産狙ってるだろう。
・・・・・・そうだよ、バレた~??
笑い飯のクライマックスみたいだな。笑い飯って2部構成で有名だけど、哲夫の進行が明らかに直前のネタと全く関係ない時があってそんときすごく不自然だけど、あれってヒトネタでよほどネタが思いつかなかったんだろうな。
俺を入れてから今更トリオになって俺も10代目M-1チャンピオンとして認定してよ。
スピードガンって凶器みたいな名前でコワイよね~。
名前つけかえたほうがいいと思うんだけどどう思う?
そうそう、スピードガ~ン、ってなんかショックっぽい感じがあからさまでコワイもんね~。
それならスピードラッキーとか、スピードよっしゃーとかにすべきだとおもうよ。
いやあ、君、久しぶりだね、景気はいいかい?
あなたのことは知りません。記憶にございません。
撃ったー、これはすごい飛距離です、大きい大きい大きい、あー、ファール、惜しいですねー、おっと、監督抗議ですね。
待て待てーい!!!
ファールってなんだよ。キャディさんみたいじゃねえかよ、ファー!みたいなさあ、ゴルフ場か、ここは。ギャラリーみたいなのいっぱいいるじゃねえか、あ、あれはベンチだった。トイレ行きてえなあ。ipodならあるけど。
この成績で減俸ってどういう事なんですか!!
いやあねえ、キミの成績が凄すぎて非の打ち所が無いもんだから、チームとして苦渋の決断をしたんだよ。
物事は一箇所でもゆるい部分を作らなきゃ長持ちしないもの何だよ。そうするしかないくらいキミはパーフェクトだったのさ。
腰にデッドボールかと思って一塁に歩いてたらただのぎっくり腰だったんスよ。
あほか。アブノーマルアクティビティか!
大丈夫かーって駆け寄ってきてカケてもらったんスヨ、何をどう間違えたんだか虫除けスプレーだったッスけどネ。
やぶ蚊!虻ノーマルアクティビティか!
でもまったく動けなかっタッス、何も動けなくて・・・夏だったすネ、NO-WALKみたいな・・・
知識ゼロか!それを言うなら何も言えなくて・・・夏、J-WALKだろ。
それと、パラノーマルアクティビティか!
いいか、チャー、シュー、メーンでスイングするんだ。
わかりました。チャー、シュー、MEN!
いかんいかん。メーンに心が入っておらん。メーンだ。
それじゃおまえHey!MEN!みたいになってるぞ。
もういちど、チャー、シュー、面!
今度は力が入りすぎている!
メ~ンだよ。
それじゃ剣道の面~みたいじゃないか!
チャー、シュー、メーン。
ところで監督、監督ってあご割れてないっすか?
いやあ、そうでもないだろ。
よく見たら凄いっすよ。ケツあごですよ監督!
監督、あごで挟んでスイングしてみてくださいよ。
え~、理由わかんないよそれ。
やってみてくださいよ、みたいですもんそれ。
お願いですヒップ!
ケツみたいな言い方すな!!
・・・一回だけだぞ。
よいしょ、よいしょ・・・
はい、チャー、シュー、メーン、せ~の!
ちゃ~、しゅ~・・・できません。
あきらめないで!
貴女のアヌス、括約筋でギューッと。
ケツみたいにすな!!
ちゃ~、しゅ~、め~ん・・・これでどうだ?
でき、ましたね・・・
監督、何やってんすか?
あのねえ、へんなことやらされた。
お前が指導者みたいだった。
変態っぽかったっすよ、アナル監督。
そ、そうだな・・・
チャンスで一本が出ないよ・・・
ヘッド、次の回ランナーでたら代打でも出そうか?
じゃあ、僕がでましょうって今日は言えない感じですよね。
ヘッド、それ言ってるもおんなじだろ。
そうですねえ、暗黙の了解みたいなコトですかね。
タアーイム、代打、オレ。
監督ーーー!
なんでやねーーーん・・・。
暑~い、ヘッド、ビール飲みながら采配しようか。
監督、さすがのぼくたちでも、それはやりすぎですよ。
せめて、飲んだ気持ちになって、想像酔っ払いで試合に望むくらいが限度かと。
そうだな。ヘッド、まあ暑いんだしビールでも飲みなさい、プシュ~。
監督、泡、泡・・・
ダメですよ試合中に飲酒なんてー。
いいじゃないか堅いこと言わずに、無礼講ダヨ。
・・・もう、ぼくが押しに弱いこと知ってて監督卑怯なんだから・・・
オートトトト。それじゃあいっちゃいますか、カンパーイ、グビーーー、ウメーーー。
監督、ちょっと、グラウンド見て・・・
ピッチャーめっちゃ打たれてますよ。
なに。いつの間に!!
よし、ピッチャー交代だ。
フラフラフラ、フラフラフラ。
監督、あし、あし!
しょうがないヒトだ、ぼくが肩を貸しましょう・・・
なんだキサマ!
おれが足腰がよわっててひとりで歩ききれないとでも言うのか。
いや実際歩けてないじゃん!
いいから一緒にいきますよ、ほら。
お前はヒトを年寄りだとおもって・・・
え~っと、ピッチャー・・・
五十嵐です。
ん~?そんなやついたっけなあ。
ピッチャーカテキンえ?いるだろそんなやつ!耳クソ審判が!
どういう耳してるんですか!
監督、い・が・ら・しですよ。
い・が・ら、わかった。
ピッチャー、い・が・ら・・・、い・が・ら・・・チーパオ。
惜しい!
認めてあげろよ!ここまで言えたんなら、いがらしだよいがらしー!!
おれでもいいだろが!おれでもだめなんかー!!
激怒だな。おまえ。
わかった、ちゃんと言うから・・・
・・・。グレート・・・ブリテン?
離れましたよーーー!
一緒に言いましょ、一緒に言うしかない。
せ~の、いー。
いー。
がー。
がー。
らー。
らー。
しー。
しー・・・いえた。
言えましたね、監督~!!
言えたな~ヘッド!!
スミマセン、交代を告げる際はつながってないとイケマセン、お手数ですがもう一度続けて願いします。
カキーン・・・
バット:)痛え。
ボール:)痛え。
ザッザッ・・・
グランド:)痛え。
スパイク:)痛え。
パシ、シュンパシン。
グランド:)痛え。
ボール:)痛え。
スパイク:)痛え。
グローブ:)痛え。
ボール:)痛え。
ファーストミット:)痛え。
ボール:)痛え。
監督敗けましたね。
勝ったよ。
いやいや、敗けたじゃないですか。
万が一そうだったとして、相手チームは勝ってるだろうが!
そもそも勝ち負けなんて関係ないんだよ。
何言ってるんですか監督!!
われわれは勝ち負けのためにやってるんでしょうが。
ちがうよ。
か、監督ーーー!
ほんとにちがう。
僕たちが野球をやっている理由は、いかにして、ホームランを撃つか。
えっ。
これはリアルか、幻想か?
これまでにこのスタジアムで放たれたホームランの数々の、のみならずこれから放たれるであろうホームランの数々の、それらの総体。
白く輝いた放物線の無数。
ミサイルが放たれているよう。
ここは戦場か、と錯誤するほど。
宇宙戦争で、どれだけ大銀河ほどの艦隊に囲まれて、そのすべてを迎撃するためであっても、これほど無数の放物線を一度に目撃することはないだろう。
果たしてここは、目的とモチーフが円環した場所である。
つまり永遠であり、そこにうまれるものはいつまでも増大する。
観客のいないプロ野球の心象風景。
これらのすべてが幻影であったとしても、放たれた放物線はすべてがフィジカルである。そう思えてきたらそのようにしかもう思えない・・・
宇宙戦争のような放物線の塊。
そのかべみたいにむすばれたましろなしっくいのばけものその全てがフェンスの奥の、宇宙の深淵にすっぽり呑み込まれて消えていく。
そう、現実がやっと、闇に届いた、現実が幻想に、追いついた・・・
電脳巨大スタジアム、選手、イメージ、試合、錯綜・・・
このプロ野球の精髄は、物理法則を超えた思惟なる魔術、突き詰めるなら意志なる魔法。
魔はちからなり。
モチーフと目的を円環させるちから。
現実と幻想の混淆をおこなう力。
それが物理に宿りし思惟、意志のちから、魔力。
白いボールが放物線を描き青空のなかへ溶けていく。
それはひとつのホームラン。
そしてすべてのホームラン。
こじんの、そしてうちゅうすべての、それから宇宙をかつて彩った凄まじき故人たちの、そしてわたしをふくめたいまだ現れざりし未来への、それは現実への、跳躍へのねがい。
すべてにむけられた超越への執着・執念・・・
このよをこえるもの。
ひらたくいえば芸術への愛、信仰、約めていえば犠牲死。
ピッチャーが投げたー。
ボールは我が脳天を、天誅目掛け我が生命を奪いつくさんと狂気の塊とて、そう凶器の塊とてこの小さなたったひとつのボール大に、全宇宙の質量をまるで注ぎ魂んでしまったかのような淫力で、わがたましいごとスパゲッティ状に引き千切り裂いてしまわんとしている漆黒い宇宙。
深淵がみえる。
あれは銀河の、はてにはだいうちゅうのしんえんであろう。
スタジアムを囲んだ深淵。
神々が観戦している。
芸術の神々、芸術の女神々。
死球がわが脳天を砕けば即死するだろう。
わたしは、極めた。
わたしはプレイヤーであり、かつバットとなる意志を。
脳天よ天誅よきたれ。
宇宙の深淵すべての事象を惹き籠むきょだいなその引力に、わたしは立ち向かう、バットは立ち向かい斥力をはじめる。
カキーン・・・・・・
ゲームセットである。
ボール大に凝縮された彼のすべて、犠牲死の権化―これはそのレプリカに過ぎないが―をわがたましいは吸着仕切ってボールは通過し、ただその抜け殻だけが道端に転がっていた。
観客のいないプロ野球。
惑星の、かつて文明に花咲いて繚乱したひとつの花形のその現役時代を僅かであってもこの炯眼に宿したくてわたしはスタジアム通いではなくかれをえらんだ。
わたしはダイレクトな事実の片鱗や残り香の錯綜よりも、それはかれなりに編纂されたひとつの物語であって、むしろそちらのほうがわたしにとっての真実ではあるまいか、と判断したからである。
歓声が聴こえる。
・・・草野球が再び勃興しているのだろうか?
観客がいる時点でこれはかつてのプロ野球とは異質の代物であることにはちがいない。
わたしはかれの魂の結晶を我が魂に宿さんと決めたとき、かつて草野球が行われていたであろうこんな野原にてセッティングをしておこなおうと、思っていたのである。
私自身、試合前にはこの場所には誰もいなかったしそもそもが草野球なんてもはや想像の産物を実際に行う数奇者たちなんてひとりもいなかったわけであるし。
誰だろう・・・
近づいた矢先快音が鳴り響いた。
カキーン。
白いボールはぐんぐん空高く舞い上がりやがてそらへと吸い込まれてしまった。
翔んでいる・・・
わたしは空を翔けている・・・
打球はかれの描いた物語のクライマックスであった。
それは宇宙にあるすべての存在の目指すちから、愛欲、マジック・・・
すべてのそんざいはホームランを描いている。
ホームランをねがっている。
あこがれそうならんと深くめざしている。
現実世界の地平を理想的斜め上方のベクトルに舞い上がって、それは翔び、跳ばされ、それは輝いて、それは極点をついには突っ切って、深淵にむかい、深淵を輝かした・・・
深淵に隠された芸術の神々と女神々とが顕された。
神もまた、試合の狂熱に入り、かれらは躍動していた。
彼らが追うのは、美しい純白の放物線・・・
バットに打撃された破壊的な威力に、わたしは即死する運命にある。
わたしはバットで、わたしは犠牲死で、わたしは打撃音で、わたしは死球であり、同時にわたしはホームランボールだった。
わたしは殺戮されて、同時に犠牲死を選んだ。
フェンスを超越し、わたしは深淵のすべてを照らす。
神々と女神々が、わたしを照らす。
芸術の神々女神々は私を焼き尽くしてしまうだろう。
巨大な引力、そしてわたしの執着・執念、斥力。
わたしとうちゅうは芸術神との犠牲死という鏡面にて融合し、新生はすぐさまに交叉していた・・・
かれがいる・・・
わたしをまってくれている。
わたしはかれにむかう・・・
そうか、わたしはボールだったんだ。
かれがわたしに手渡してくれたキャッチボールのその球は、すでに私自身であり彼自身であった。
さあ、向かおう。
かれはかれじしんの信仰の、もうすでに神であり、そしてわたしは、わたしじしんの信仰へむかう。
かがみにうつるわたしとかれ。
その境界を跨ぎゆくその手引きに、かれがすっと、鏡面の内側よりかれの手をわたしにむかって差し出していた・・・・・・