表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方奏霊夢 -Dream of the played soul-  作者: 柊 枯鳥
第一章 東方奏永都 -The eternal capital which the soul plays-
4/8

4/目覚め、そして当ても無きままま歩みだす。

・・・やっとできた。

















「……んぁ?」



 あの女性……〝龍神〟によって転生させられた私。

 光が眩しくて目を閉じていたのだが、どうやら既に着いていたらしい。

 そして何故か倒れた体勢でいるようだ。


 始めに聞こえたのは鳥の鳴く声。

 蒼い空を二匹の小鳥が飛んでいくのが見えた。数秒して、鳥たちの姿は視界から消える。

 私は暫く呆然と動かず、只々空を眺めていた。



 『あぁ転生したんだな』と、意外にも安直に思えてくる。



「……ふぅ」



 大きく溜息を吐いた。

 続けてゆっくりした動作でだが、立ち上がる。

 転生の負担でなのか、足に小さい切り傷が付いていたが……今は気にしないでおく。


 妖怪退治の基本が身に着いてしまっているのか、無意識で周囲確認を行う。

 どこぞの悟り妖怪(妹)か、私は。



「此処は……森?」



 行った周囲確認で理解したのは、少ないが二つだ。

 此処が何処かの森であること。

 四匹の妖怪が近くを徘徊していること。

 『現在地:森』というのは良いとして、妖怪が近くを徘徊している件については如何したモノか。

 別に退治すれば良い話なのだろうが、この時代の妖怪がどれだけ強いのか分からないために、下手には動けない。



「奇襲……は無理ね。四匹相手に一人で立ち回るなんて芸当、私にはできないわ」



 《空を飛ぶ程度の能力》を使用すれば、ほぼ間違いなく――――いや、確実に勝てるのだが。


  だ が 使 わ な い 。


 霊力も大量に消費してしまうし、手の内を万遍なく見せるというのは、いささか抵抗がある。

 何より、面倒なのが嫌なので却下。



「……というか能力とか消えてないわよね?」



 自分で言っておいて、私は思いっきり不安になった。

 〝転生〟とは私が知る限り、『新しく生まれ変わる』を意味する。

 そして能力とは、言わば生まれ持った〝才能〟。死んでしまえば使えなくなるのは必然である。


 『新しく生まれ変わる』とは、裏を返せば『自分が自分で無くなる(・・・・・・・・・・)』と言う意味だ。

 『自分が自分で無くなる』。それはつまり――かなり強引だが――〝死〟を表すのではないだろうか。

 ココでさっき述べた考え、『〝才能〟は死んでしまえば使えなくなる』の登場だ。

 今までに挙げた予測と組み合わせ、簡略化して表すなら……こうだ。


 ――――〝転生〟した影響で才能……もとい〝能力(・・)が消えるのでは(・・・・・・・)ないか(・・・)



「その割には体格とかは変わって無さそうだけど……まぁとにかく」



 やはり確認はしておくべきか、と。静かに瞑目しながら能力の使用を試みる。

 あわゆくば当たらないでほしい予想。

 嫌な汗が流れるのを無視して、果たして結果は――――





















「…………普通に使える」



 空を飛翔し、見事に体が浮き上がっていた。

 特に異常も見当たらない。



「何だか、拍子抜けね」



 あれだけ考えたせいか、はたまた無駄に集中してしまったせいか。頭がズキズキと痛むが気にしない。

 嬉しさのあまり泣きそうになる感情を抑え付け、安静化させる。



「あー良かった。これで使えなかったら怒り散らして妖怪どもを……ん? 妖怪?」



 即座に「あ」と零す。

 忘れていた。近くに妖怪が居ることを。

 そんな状況で霊力を使ったらどうなるか。


 答えは――――目標(ターゲット)(ロック)(オン)。襲われます。


 そこまで思い当たった瞬間。

 案の定、と言わんばかりに草むらから妖怪が現れる。



『ガフッガフッ・・・!』


『フグァ・・・フグァ・・・ッ』


『キュォオオオオオンンッ!』


『かおkzjふぉああdjkdp!!』



 加えて、酷く興奮しているようで、とてもじゃないが相手にしたくないくらい気持ち悪い。

 特に最後のは、もはや叫び声ですら無いだろう。


 何とも近寄りがたい雰囲気を放っている妖怪四兄妹(霊夢命名)。

 当初の『とりあえず近接で霊撃をぶっ放す作戦』が、こうも簡単に破られてしまった。

 「どうしたものか」と妖怪四兄妹を眺めていると、右端の年長兄妖怪――背が一番高いので兄とした――が襲い掛かってきた。



『ガファアアアアアアアアアアアアアッ!!』


「うっさい」



 ――――()()封魔陣(ふうまじん)」。


 年長兄妖怪の足元に<霊陣>が出現し、幾重の弾幕を放つと共に年長兄妖怪を取り込んだ。

 簡単に言えばこうである。

 『弾幕を放って弱らせ、動きが鈍ったところを突いて<霊陣>に取り込み封印成功』。

 これほど分かりやすい説明は無いだろうと、霊夢は何となく思った。



「ハイ撃沈。次はアンタら(弟妹)かしら?」



 霊夢はニッコリ微笑んだ。






霊夢「か、感想くれたら・・・お茶くらいは用意してあげるわッ」


あ、今日はもう一話投稿しますので。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ