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東方奏霊夢 -Dream of the played soul-  作者: 柊 枯鳥
第一章 東方奏永都 -The eternal capital which the soul plays-
3/8

3/されどその存在は未だ謎に包まれている。

明日は無事に投稿出来るかなぁ・・・












 ――――都市<アルティア>。

 たった四人の<大賢者>によって創られ、今では約百万(1000000)もの人類が居住む場所。

 しかし歴史は浅く、創られて七十三年しか経っていない。

 四人の<大賢者>も未だ現役。都市を収める〝王〟として君臨していた。



「大賢者様、ご報告があります」



 全長一万(10000)メートルに及ぶ超高層ビルの最上階にて。

 『コ』の字に設置された長机。

 長机の前に座る、ローブを纏う四人。

 四人の前に跪く、鎧とマントを纏う騎士。


 そして『ローブを纏う四人』……この四人こそが<大賢者>。都市の設立者であった。

 静寂が包む部屋の中、言い難い威圧が騎士を襲っていた。

 一人は厳しい顔付きで。

 一人は優しそうな表情で。

 一人は覚悟を持った眼で。

 一人は柔らかげな瞳で。

 我が前に跪く、勇敢そうな騎士の姿を視界に捉えている。



「・・・発言を許す!」



 <大賢者>が一人、天谷(あまや・)宗螺(しゅうら)が暴音に近い声力で叫ぶ。

 それを耳にした騎士は「はっ」と了解の念を見せ、続けて「では報告させて頂きます」と。

 いわば確認の言葉(・・・・・)を発する。


 <大賢者>の表情を窺い、騎士は話し始めた。



「都市の東端で、奇妙な服を着た女性を発見いたしました」



 告げられた言葉に、部屋の雰囲気が一転する。



「・・・女? 奇妙な服?」


「ねぇ騎士くん。その〝発見された子〟って此処の住人じゃないの?」



 あまりにも唐突すぎる騎士の報告に<大賢者>は困惑する。

 『突如として都市東端に現れた女性』。

 それは都市の者では無いのか? 〝奇妙な服〟とは流行りのコスプレではないのか?

 報告の全貌が掴めない<大賢者>は騎士に尋ねる。



「まず、今の時点で確認されたことを申し上げます」



 〝身分の違い〟。

 否が応でもプレッシャーを感じてしまう騎士は、冷や汗を掻きながらも報告を続ける。



「発見された女性は都市に住む者では無く、外から来た者と思われます」


「外から来たって・・・そんな、冗談でしょ?」



 一人の<大賢者>が驚愕の表情で騎士を見る。

 それによって更に威圧された気分になる騎士だが、その<大賢者>に悪気がある訳では無い。


 それほどに信じられない事(・・・・・・・)なのだ。『外から来た』という事実は。

 それは何故か。<大賢者>の一人が叫び散らす。



「だって・・・外は妖怪が屯う(・・・・・)最高危険地帯(・・・・・・)なのよ!?」



 ――――〝妖怪〟。

 人非ざるソレ(・・)は残虐な思考を持ち、主な食料を(・・・)人間としている(・・・・・・・)現代の化け物。

 これは何の比較でもない。

 事実、都市では何年も前に〝妖怪〟の襲撃を受け、人口の半分が減っている。

 そうして今の人口百万(1000000)人という結果となったのだ。


 そんな〝妖怪〟が何万、何億と屯う都市の外で、女性どころか男性だって生き残れやしない。

 誰一人として生き残れない。

 <大賢者>が都市を設立するに当たっての、理由の一つでもあった。



「落ち着け(しゅう)。取り乱しては元も子もない」


「分かってるわ宗螺(しゅうら)・・・でも、そんなこと」



 (しゅう)と呼ばれた<大賢者>。正式な名を高ノ宮(たかのみや・)秋華(しゅうか)という女性は落ち着きを取り戻すも、未だ信じられない顔をしている。



「有り得なくはない」


「塔矢!? 貴方は何を言って――」


「その女性が<能力者(・・・)だと言うのなら(・・・・・・・)、有り得なくはない。・・・そうだろう?」



 〝都市最強〟にして〝最高王〟、天月(あまつき・)塔矢(とうや)

 四人の<大賢者>の中で一番の実力者。……というより、〝都市最強〟の称号を持つ時点で、それが当たり前なのだが。



「<能力者>だと? 塔矢(とうや)、それは本気で言っているのか」


「あぁ。少なくとも今の時点では、外で生き残れるのは<能力者>か、ソレに近い実力を持つ者だけだ」



 <大賢者>の会話の中で時々聞こえる<能力者>という単語。

 これは生まれ付き、特殊なチカラを保有している者を示す言葉である。

 何も無いところから火を燃やしたり、温度調整が可能な水を流したり……大抵が日常でしか使えないようなモノだが、中には〝妖怪〟と渡り合えるほどのモノが存在する。

 <能力者>は滅多に生まれることが無く、都市に住む一般人には〝伝説〟や〝幻〟とも思っている人々がいるのが現状だ。


 塔矢(とうや)はそんな、滅多に生まれない<能力者>の希少な一人である。

加えて言えば、<能力者>の中でも特殊な<多数能力保持者(・・・・・・・)>。

 唯でさえ珍しい能力の、二種以上を保有しているのである。

 しかも全てが〝妖怪〟と渡り合えるほどのモノ。


 そのため〝天月(あまつき・)塔矢(とうや)〟という人物は、その事情を知る者たちから〝神〟とまで崇められていたりする。

 ……『本人はまったく気付けていない』というのが、塔矢(とうや)のちょっとした難点だろう。



「大賢者様。報告を続けてよろしいでしょうか?」


「あ、悪かったな。・・・続けろ」



 こうして騎士の報告により、〝奇妙な服〟を着た女性――――博麗(はくれい・)霊夢(れいむ)の存在が、都市上層部に伝わり始めた……。











つ、次は4000文字突破で新記録を叩きだすぞ!(無理



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