第7話:見透かされた
田舎生活1日目。
今日は朝6時に起床。って言っても誰かに起こされた訳じゃないけど。自然と目が覚めてしまったので、あえてそのまま起きてただけ。
いつもなら暇なとき携帯をいじったりしてたけど、ここは電波入んないし…。やっぱり勉強?
私は大きく背伸びをして窓を開けた。
「んー。」気持ちいい天気。とりあえず服を着替えて、肩まで伸びた髪を結ぶ。私はタオルを持って洗面所へ向かった。
廊下はしんと静まり返ってる。みんなまだ寝てるのかな?
「あ。」洗面所に着くと、太陽君が先に顔を洗っていた。ずいぶん早いお目覚めで。
「おはよ。」私の挨拶に太陽君は返事を返さず、タオルで顔を拭いている。
「おはよ!」2度目の挨拶に
「…ん。」とだけ太陽君は返事をした。挨拶かどうか判断しにくいけど…ま、いっか。
「意外と早いんだね。」
「たまたま。」
「ふぅん。ところで、なんでそんなに愛想悪いの?」私は疑問に思ってることを直球で問い掛けた。
「あ?あんたに言われたくねぇ。」
「あたし無愛想ではないよ。」私は少しむっとしてそう言った。
「つまんなそうな顔してっけど。」私はどきっとした。周りからはそう見えてるんだ…。決してつまらないわけじゃない。ただ、興味がないんだ。私だってなにかに夢中になったり、些細なことで一喜一憂してみたい。
太陽君は無言で立ってる私にかける言葉を探してるみたいだけど、結局なにも見つからなかったのかそのまま帰って行った。
初めて心を見透かされた気がしたから、びっくりして何も言えなかった。太陽君って意外と人のこと見てるんだなぁ。
ちょっと意外。




