第2話:失恋?
「はぁ。」家に着くなり私は大きなため息を着いた。遂に今日決定的なことを啓に言われたから。『別れよう。』まぁ、こうなることは解ってたし、自分に非があると思うから文句はないけど…。『可愛いから付き合ってみたけど、お前って全然彼女っぽくねぇし。』相当いらついてたにしても、ちょっとこの台詞は頂けない。啓だって結局、彼女が欲しかったから付き合っただけで、別に私のこと好きだったわけじゃないじゃん。…悠乃の彼氏の友達だから、あんまり悪く言いたくないけど。さすがに今日のは傷ついたなぁ…。
私は部屋に入ってすぐベットに寝転んだ。すると鞄に入っていた携帯の着信が鳴った。
「はい。」
「あっ、麗、大丈夫?!」かなり焦ってる悠乃の声が聞こえてきた。
「大丈夫だよ。」
「あたしも今健ちゃんから聞いて、びっくりしちゃって…。」なんだか悠乃の方が泣き出しそうだ。
「本当に平気だから。なんとなく感づいてたし。」
「あのね、庇うわけじゃないんだけど…啓君、本当に麗のこと好きだったんだよ。いつも麗の気持ちに不安がってて、励まし続けて来たんだけど…」
「あたしが変わらなかったんだね。」思えば啓と付き合ったのは去年の夏だったっけ。もう、1年が経ってたんだね…。
「あたしにはうまくやってるように見えたけど、麗は啓君のこと好きじゃなかったの?」悠乃の直球の質問に私は何にも言えずにいた。自分でも、よくわからなかったから。
「わかんない。ごめんね。」
「ううん、麗が謝ることじゃないよ。ただ…あたしも友達なんだし、思ってることがあったら正直に言ってね。」
「…うん。わかった。」そう私は返事をしたけど、ちょっと自信がなかった。だって悠乃は素直で裏表がないのに、綺麗なことしか言わない。でも、私は無関心にならない限り、汚いことも平気で言ってしまう人間になってしまいそうだから。
「じゃあ、またね。」そう言って私達は電話を切った。
私はゆっくり目をつむった。