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初々  作者: 雪野 空
10/26

第10話:ハマっちゃいそう

昨日の夜、結局蛍は現れてくれなかった。意外と最後まで粘ったのは太陽君の方で…なんだかちょっと嬉しかった。

部屋に戻ったのは、確か12時近くだったと思う。スイカを食べながら蛍を待ってる時間、太陽君とはあまり会話は無かった。でも、それは決して嫌な雰囲気とかじゃなくて…なんだか妙に落ち着ける時間だった。

太陽君はちょくちょくカンに障ることを言ってくるけど、本当は優しい人なんじゃないかなって思う。

朝ご飯を食べ終わった後、玄関で靴を履いている太陽君を見つけた。

「どこ行くの?」太陽君は後ろを振り向かずに

「畑。」と言った。

「…あたしも連れてって?」

「あ?」さすがに今回はびっくりしたのか、振り向いて私の顔を覗き込んだ。

「え、あたしじゃ役に立たない、とか…?」

「いや、役に立たないどころか邪魔だけど。」

「ひどっ。」

「まぁ、いいや。連れてくから髪だけでも結んで来たら?」

「…うん。」所々気になる台詞はあったけど、私は素直に返事をした。太陽君がそういうことを言ってくるのは照れ隠しだと思うから。太陽君ともっと話したいな。もっと太陽君のこと知りたい。こんなワクワクする気持ち初めて。

髪を結んだ私は玄関で待ってる太陽君に駆け寄った。太陽君は何も言わずに歩き出す。私はその後ろを黙って歩いた。

日に焼けた小麦色の肌とか、ごつごつした細長い指とか、思わず抱き着きたくなるような広い背中とか…なんかかっこいいなぁ。自然体で男らしい人。考えれば考える程、ハマってく。

なんか…やばいかも。

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