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03.三題噺、お題「駅」「魔法」「ステーキ」

三題噺お題ジェネレータ


今回のお題は……


魔法

ステーキ


です!


 駅でチャラ男に絡まれている幼女を助けたら、そいつは魔法少女だった。

 何をいってるのか分からないだろう?俺にも現状が理解できていない。

「だからですね、あたちはまほうしょうじょなので、あにゃたのねがいをかなえられるんです」

 そういう目の前の自称魔法少女は、俺がチャラ男を追い払った途端、空腹で倒れやがったのだ。

 そして近場のファミレスでステーキを口いっぱいにほうばっているというわけだ。

 おい、ソース口についてるぞ、ほら、ちょっと左頬だしてみろ……よし。

「で?その魔法少女様が俺に正体を晒した理由は?俺に敵役になってほしいのか?」

 ちょうど暇してたところだ。俺は昔、あまりにも演技に熱を込めすぎて本気で怖いと言われた過去がある。これからこの幼女相手に存分に発揮するとしよう。

「ちがいます。あたちをたすけたおれいに、まほうでひとつねがいごとをかなえてあげましょう!」

「願い事、ねえ……」

 正直、そこまで願いたいことなど、ない。

 大金と願っても、その後金を守り切れる自身もないし、美人の嫁さんといっても他人を洗脳して連れてくるなんてあっちゃあ、後味が悪い。

 こんな小学校にも上がっていないような幼女の言葉に真面目に考えている俺って、本当に馬鹿だな……

「……そうだな、じゃあ一つだけ願いたいことがある」

「なになに?なんでもいって!ちい?めいよ?おかね?」

 幼女が身を乗り出して聞いてくる。距離が近いなあ、もう。

「君が欲しい」

「……え?」

「君と結婚したい」

「……あたち、まだ11ねんくらいまたないとけっこんできないよ?」

「そうなったら、俺は二十代後半だな。待ってやるよ、それくらい」

「……ほんとに、いいの?」

「ああ」

 ……ふ、決まった。これならよくある「わたし、おとうさんとけっこんする!」イベントと同じで自然消滅する。

 だいたいなんでも願い事が叶うなんて、大抵後にはろくなことが待ってないんだ。人生は分相応、余計な欲は出さないことだ。


 ……あれから、いろいろあって、俺の奥さんは幼女になりました。

 いやー、参ったね。まさか法律そのものを改変するとは、11年後の約束が、翌日には婚姻届を出しているとは思わなかったよ。

「あなたー、はやくー」

 ああくそ、これから初夜だ。だ、大丈夫かな……俺、穢れなきオトメン(笑)なんだけど、満足させられる自信ないぞ。

 ……ああ、夜の営みがうまくなる魔法、ないかなあ?

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