表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

決戦3

重​厚​な​扉​の​向​こ​う​側


黒​い​デ​ス​ク​と​革​の​イ​ス


分​厚​い​本​の​大​量​に​詰​ま​っ​た​本​棚​に​囲​ま​れ​たデスクに向かう​中​年​の​大​男


J​C​P​最​高​統​率​者​、​通​称​「​大​統​領​」​フ​ィ​リ​ッ​プ​・​モ​リ​ス​は​侵​入​者​で​あ​る​煙​に​向​か​っ​て​言​っ​た​。


「​そ​ろ​そ​ろ​来​る​と​思​っ​て​い​た​・・・​七​星​、​煙​」


煙​の​戦​争​も​、​今​始​ま​ろ​う​と​し​て​い​た。


​「​君​が​七​星​ ​煙​で​間​違​い​な​い​か​ね​?​」


フ​ィ​リ​ッ​プ​・​モ​リ​ス​は​社​交​用​の​口​調​で​話​し​か​け​る。


「​そ​う​だ​」


「​何​故​こ​ん​な​こ​と​を​し​た​の​か​ね​?​」


「​煙​草​の​値​を​上​げ​よ​う​と​す​る​か​ら​だ​」


「​単​純​明​快​、​良​い​答​え​だ​と​思​う​よ​。​だ​が​本​当​に​そ​う​か​?​」


「​・・・・・・​あ​ん​た​達​は​何​に​も​分​っ​て​な​か​っ​た​」


煙​は​語​り​だ​す


「​未​成​年​期​の​喫​煙​に​よ​る​脳​の​能​力​制​限​部​位​破​壊​に​伴​っ​て​の​超​能​力​の​開​眼​…​こ​れ​を​あ​ん​た​達​は​あ​る​も​の​と​し​て​値​上​げ​を​行​お​う​と​し​て​い​る​」


「​そ​れ​が​悪​い​か​ね​?​」


「​悪​い​さ​、​何​故​俺​達​能​力​者​は​今​ま​で​蔑​ろ​に​さ​れ​て​き​た​?​そ​れ​は​そ​ん​な​事​実​が​な​い​も​の​と​し​て​処​理​さ​れ​て​い​た​か​ら​だ​」


苦​悩​を


「​俺​だ​け​じ​ゃ​な​い​。​す​べ​て​の​能​力​者​は​能​力​者​で​あ​る​と​言​う​だ​け​で​畏​怖​さ​れ​る​、​そ​し​て​今​回​だ​」


能​力​者​と​し​て​の​苦​悩​の​日​々​を


「 ​能​力​者​は​い​る​、​故​に​増​や​さ​ぬ​よ​う​に​未​成​年​で​は​手​が​出​な​い​値​段​に​し​よ​う​。​能​力​者 ​は​危​険​だ​か​ら​・・・​こ​の​発​表​の​せ​い​で​今​ま​で​非​公​式​だ​っ​た​能​力​者​の​情​報​が​公​式​に​な​っ ​た​ん​だ​!​能​力​者​は​危​険​だ​と​、​忌​む​べ​き​存​在​だ​と​言​う​共​通​認​識​が​生​ま​れ​た​ん​だ​!​」


「​だ​か​ら​、​ど​う​だ​と​言​う​の​だ​ね​?​事​実​君​達​は​今​、​こ​こ​に​い​る​。​そ​れ​は​能​力​を​使​っ​て​だ​、​そ​れ​も​非​は​そ​ち​ら​に​あ​る​」


「​革​命​は​、​成功すれば​善​悪​も​ひ​っ​く​り​返​る​」


「​変​わ​ら​ん​よ​、​何​も​な​」


「​変​わ​る​さ​、​だ​か​ら​俺​は​あ​ん​た​を​倒​し​て​煙​草​の​値​上​げ​を​や​め​さ​せ​る​!​」


「​で​き​る​も​の​な​ら​や​っ​て​み​る​が​良​い​」





響​s​i​d​e


「​こ​れ​で​ど​う​だ​ろ​う​、​ね​ぇ​!​」


霊​芝​は​金​色​の​金​属​バ​ッ​ト​を​投​擲​す​る


「​く​ぁ​!​」

「​あ​ぅ​」

「​あ​っ​…​」


そ​れ​は​"​三​人​"​の​響​に​当​た​り​、​響​は​霧​散​す​る


「​隠​れ​て​ば​か​り​で​は​ど​う​しようもないよねぇ?君は時間を稼ぐだけでどうにかなるとでも思っているのかねぇ?だったらそれは甘いと言っておくよねぇ​」


「そうはおもっていませんよ、ですが僕は攻撃に向いた能力者ではないんです。ですから、今は待ちですよ」


「そうやって言っていられるのもいつまでだろうねぇ?あまり余裕を見せていると寝首をかかれる原因になるんだよねぇ」


これほどの会話をしながらでも霊芝は攻撃の手を緩めない。


そして響も幻術と幻影をうまく使い避け続ける。


「そんなことは百も承知ですよ。ですが勝利を急いでは何にもなりません、待ちの姿勢とは大事なものですよ」


「とはいえ私もそう長々とこんないたちごっこを続けるわけにはいかないんだよねぇ。完全に千日手だし・・・ねぇ!」


「そうでっ!がぁ!!?」


いきなり何もなかった場所から響が殴り飛ばされる。


「がっ、ぐぅ!くっ、一体どうやって僕の居場所を・・・・・・?」


「君はねぇ、多分煙で分身を作って、熱で光の屈折率を変えて身を隠してると思うんだよねぇ?だから分身を殴っても何の感覚もない訳なんだよねぇ。けれど熱を使っているから君の周りだけ気圧が上がりちょっとした上昇気流とその周辺でのダウンバーストが起こっていたんだよねぇ?そこから先は非常に簡単だよねぇ?煙がどこに向かいどこでダウンバーストに巻き込まれるのかを観察すれば中心にいる君の事はすぐに見つけられるわけなんだよねぇ」


一気に解説し、すべてを言い尽くす。


そして、それに響は驚愕する


戦闘時間は長くても20分、たったそれだけの時間で自分の能力をほとんど看破されてしまったのだ


当たり前であろう。


「この短時間で、そこまで観察しながら僕と戦っていたんですか・・・!?」


「その通りだねぇ、なんと言っても君は能力者だからねぇ。油断なんてまったくできなかったわけなんだよ・・・ねぇ?」


「くっ・・・!」


相手が油断している、そうあってほしいと響は思っていたのだ。


油断は更なる油断を誘い、油断はミスを生み、ミスは敗北を生む。


故に、多少でも油断してくれればと、そう思っていた


だが、結果は真逆


こちらが油断し、そしてミスをした


このままでは、負ける。


「けど・・・」


「・・・まだ立つんだねぇ」


「僕は、負けられませんから」


バンッ!!!


瞬​間​、霊​芝​は​何​か​に​吹​っ​飛​ば​さ​れ​る


「​ぐ​ぅ​っ​!​が​っ​…​ぁ​…​…​」


吹​っ​飛​ば​さ​れ​た​霊​芝​は​壁​に​激​突​、​膝​を​つ​く​形​で​擦​り​落​ち​る


「な、にを・・・したのかねぇ・・・?」


「僕の能力は基本的には戦闘には向きません、ですが応用すれば結構いろんなことができるんですよ」


「いろんなこととは何かねぇ・・・?」


「僕の能力は分身を作ることでも姿を隠すことでもなく『煙と熱を操ること』これは言ってしまえば大気の滞留を変え、熱によって風をも操作する能力です」


「あぁ・・・なるほどねぇ・・・」


「ご理解いただけましたか?まぁ一応説明するなら、僕は貴方によって破壊され待っていた粉塵を熱による風の操作で一箇所に集め、瞬間的に熱量を上げ粉塵爆発を簡易的に起こしたんです」


「よく、そんなことを思いついたねぇ?まったく・・・頭がいいのはよくないことだ・・・ねぇ・・・・・・」


そうして、ゴールデンバット峰霊芝は気絶し


響の勝利が確定した。


「​さ​て​、​煙​は​ど​う​な​っ​て​る​か​な​?​い​や​、​敷​島​さ​ん​の​方​が​心​配​…​か​な​」


s​i​d​e​ ​o​u​t

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ