決戦1
JCP関東総合本部、ビル前。
「・・・・・・来たね」
煙草の形をしたモニュメントによっかかり、煙草を吸っている響が呟く。
「悪い、遅れた」
「構わないよ、予想していたことだから」
謝る煙に気にした風もなく答える響
「ちゃんとさくらといちゃいちゃしてきた?」
希が茶化す
「んなことしてねぇよ。・・・・・・さて、ここからはマジで行こう」
「あぁ」
「はいよ」
「行くぞ・・・ここからが、俺達の『戦争』だ」
†
ビルの回転扉を抜けロビーへと入った煙達を待っていたのは異常な光景だった。
「平日の、しかも8時過ぎに誰もいない・・・?」
「普通じゃないね、もしかして私達の作戦がバレて・・・・・・!」
煙の言葉に返していた希が臨戦態勢をとる。
「っ!!」
「・・・!」
煙、響も希を見て言葉を発するよりも早く身構え周囲を警戒する。
「やれやれ、本当に来てしまったんだねぇ」
するとロビーの受付から一人の男が出てきた
「・・・・・・・・・(フィリップ・モリスじゃない、か)」
「・・・!!!」
「あなたは?」
煙は出てきた男が大統領フィリップ・モリスでないことを確認し沈黙を守る
響は何かに驚愕し、立ち尽くし
希は相手から情報を引き出すため話しかける。
「私かい?私はねぇ、ゴールデンバットと呼ばれているねぇ」
独特の喋り方をするゴールデンバットと名乗る男はいかにも面倒くさそうにそう答える
だが
「・・・・・・違う」
異を唱える者がいた
「彼は・・・」
意を決したように言う
「彼は、峰霊芝・・・・・・健斗の父親だよ」
「なっ!?」
「嘘・・・!」
二人が驚きに声を上げる。
「ん~、そうか。君は響君だねぇ?いやぁ、大きくなったものだねぇ」
ゴールデンバットこと峰 霊芝は響を見てそう言った
「貴方は公務員のはずだ、なのに何故こんなところに・・・!」
「私はねぇ、別に嘘は言っていないよねぇ?ここJCPも国家機関だからねぇ?ほら、Japan cigarettes parliament・・・訳すと日本煙草議会、厚生労働省直結の国家機関なんだよねぇ?だからもちろん国家公務員の資格があるんだよねぇ」
「言葉遊びだな」
霊芝の物言いに煙がそう吐き捨てる。
「そうかもねぇ?まぁそれはどうでもいいよねぇ、今は君達だよねぇ?帰っては・・・くれないよねぇ?」
瞬間、広いエントランスに殺気が満ちる。
「・・・えぇ、僕達は引きません。引けない理由がありますから」
響はにこりと笑いながら言う
「煙、敷島さん、先に行って?彼は僕が止める」
「お前・・・」
「大丈夫だよ、心配しないで先に行って?さぁ早く!」
「七星行こう、響が強いことは知ってるんだから、大丈夫だよ」
希が煙を促す
「・・・響、勝てよ?」
「勿論」
「すまん・・・・・・」
そうして煙達は走り階段を上がっていった。




