二日前
間接照明に照らされた豪華な寝室
キングサイズの巨大なベッドに腰掛けた中年の大男
JCP最高統率者、通称「大統領」フィリップ・モリスである。
彼はおもむろに一本の煙草を取り出し口にくわえる
高級そうなオイルライターで火をつけてから一言呟いた。
「It's revenge!」
げっほげぼぅぅぇぁ!
変わらなかった。
「だから煙草は嫌いなんだ」
前言撤回するの早すぎ(笑
「そうだ、煙草の値段上げよう・・・理由は・・・・・・そうだ良い理由があるじゃないか」
日本全国の愛煙家が苦しむことを夢見て
フィリップ・モリスは照明を消し、意識を手放した。
†
そんなことをフィリップ・モリスが画策した翌々日。
バカなのか堂々としているのか、くわえ煙草で登校している煙。
「エ~ンッ!」
不意に後ろから自分を呼ぶ声が
「どうした健斗、響が実は女であることにやっと気付いたか?」
「そうじゃねぇよ!そんなことよr、ってなんだと!?やっぱり響の奴は女だったのか?!」
「はぁ・・・そんな訳ないだろ、男だよ。煙も適当なこと言わないでよ」
健斗の後ろから歩いてきて、第一声から溜息を吐いているのは二人目の親友、潤間響である。
「おう響、おはようさん」
「何事もないように始めるんだね煙・・・・・・でも確かに煙に伝える事があるんだ」
「そうだよ!聞いてくれ煙!JCP大統領フィリップ・モリス(笑)が煙草の値上げを決定したんだ!」
「なん・・・だと・・・・・・?」
「やほー七星、険しい顔してどうしたの?」
「聞いてくれ敷島、お前にも重要なことだ。煙草が値上げするらしい」
「・・・・・・・・・JCPだね?よし今すぐ潰しに行く!」
「まぁまて、突っ込んでどうにかなるあいてじゃない」
「でも!」
「そうだぜ煙!許せるかこんなこと!」
別に、ただの値上げなのだが・・・・・・
「許せないが、待て・・・冷静さを欠いては勝てないぞ?それに誰が行かないと言った」
「じゃあ!」
「焦るなよ、作戦会議は放課後だ」
かっこよく言ったものの、所詮は悪巧みである(笑
†
そして放課後。
煙たちはベース――カッコつけたが煙の家だ――に来ていた。
「煙、これだけ引っ張ったんだからいい作戦があるんだよな?」
早々に健斗が話をきりだす
「もちろん、単純明快超簡単なお手軽プランを用意してある」
それに自信満々な様子で返す煙
「で、プランって?」
次に聞いたのは敷島希
因みに今ベースに居るのは煙、さくら、響、健斗、希とフルメンバーだ。
「今から説明するさ・・・いいか、まず作戦は三人で行う」
煙が人数を言う
順を追って説明する気らしい、親切(笑
「三人っつーと・・・俺と煙と響か?」
健斗がメンバーを確認する
「いや、違う」
「え、マジで?じゃあ・・・・・・」
「多分メンバーは煙、僕、敷島さんじゃないかな」
健斗が考え始めた瞬間、響が違うメンバーを言う
「でもよ響、敷島は女子だし流石に―――」
「そうだ、響」
煙は肯定した。
「なんで敷島なんだよ?」
健斗が聞く
「簡単な理由だ、お前は否能力者だろ」
「は・・・?いやいや待てよエン、もしかしてあれか?あの未成年の喫煙者は超能力者になるとか言う迷信信じてるんじゃ・・・・・・」
「迷信じゃないんだ」
一言、呟くように響が言った。
「俺たち三人は能力者だ、俺たちは高校生とはいえ所詮子供・・・大人を打倒しようとするなら、な」
「だから私達が、大人どころか人と言う種を凌駕する私たちが行く・・・・・・か」
希が呟く
「その通りだ、問題ないな?」
「待てよ、なんで俺だけしか驚いてないわけ?若葉、お前・・・知ってたのか?」
「・・・・・・・・・うん」
さくらは小さく頷いた。
「なんで俺だけ知らないんだよ!」
健斗が激昂する。
「そんなに俺は信用できないか!おいっ!!」
「知らなければ知らないでいいことだからね」
「別にお前を蔑ろにしていたわけじゃない、ただ話すタイミングがなかっただけだ」
「本当に・・・それだけか?」
「当たり前だろ?親友」
「・・・・・・分った。でも行くからには勝ってこいよ!」
「当たり前だろ!」
煙と健斗は勢いよくハイタッチをした。
「・・・・・・・・・いい感じのところ悪いけど、話の続きしない?」
KY敷島(笑
「・・・そうだな」
「わかった、んじゃ話の続きだ。よく聞いてくれ」
煙はソファーに座り直し、話を再開する。
「さっきも言ったようにメンバーは俺ら三人、作戦は・・・・・・」
「作戦は?」
「武力行使による直談判、要はデモってやつだ!」




