三日前
未成年の喫煙は法律で禁止されています。
また、この作品は未成年の喫煙を助長するものではありません。
それらを十分に理解した上でお楽しみください。
厳格な雰囲気が漂う薄暗い一室。
大きく重厚な黒塗りのデスクに向かう中年の大男。
JCP(Japan cigarettes parliament)最高統率者、通称「大統領」フィリップ・モリスである。
彼はおもむろに一本の煙草を取り出し口にくわえる。
高級そうなオイルライターで火をつけてから一言呟いた。
「俺タバコ吸えるしっ」
げっほげぼぅぅぇぁ!
盛大にむせた。
†
「えー、ですからこの式のxは②の式を代入することで………」
授業中
数学である。
教師の口から発せられる公式や解説などが強力な睡眠誘導作用をもつ呪詛にしか聞こえない五時限目。
「あ~・・・ヤニ吸いてぇ・・・・・・」
未成年でありながら愛煙家である不良高校生、七星煙は暇そうにシャーペンを回しながらそう呟いた。
「さっき吸ってたでしょ・・・節約しないとまたなくなるよ?」
隣の席から煙の呟きを聞いた幼なじみ、若葉さくらは教師に注意を配りながら煙に言う。
「そうだけど、眠いし暇だし吸いたくなったんだよ・・・・・・なぁ、抜けて屋上で一服しないか?」
「えぇ・・・中抜けはまずいよ」
「吸いたくて仕方ないんだよ・・・付き合ってくれって、俺のでよければ一本やるから」
煙の甘い囁きにさくらが揺れる。
「・・・・・・・・・一本で戻ってくるんだよ?」
さくらも所詮は喫煙者である。
†
―――屋上。
うまいこと教室を抜け出した煙とさくらは貯水タンクの脇に隠れて煙草を噴かす。
「あー・・・ヤニがうめぇ・・・・・・」
どこを見るでもなく遠くを見ながら煙が呟く。
「本当だねぇ・・・」
同じように呟くさくら
吸っているのは自分の名前と同じ「さくら」である。
因みに煙は「SevenStars black impact」だ。
なんだかんだ自分の煙草を吸うさくらであった。
「うっし、充電完了!バレる前に戻ろうぜ」
5分程で吸い終わり立ち上がる。
「うん!急ごう、あと10分で授業が終わっちゃう」
そうして屋上を二人はあとにした。
†
そうこうしているうちに休み時間。
首尾良く教室に復帰し何事もなかったように授業を終えた二人は少し安堵する。
「お前らずりぃぞ!」
煙の親友にして悪友の峰健斗が授業終了と同時に怒鳴りつけてきた
「あ?なにがだよ」
煙が聞く
「お前抜け出してヤnどぅるぼぁっ!」
「・・・・・・さくら、判断は正しかった。確かに言わせちゃいかん単語は出てきたが・・・釘バットはやりすぎだ。つかどこからだした、それ」
「禁則事項です♪」
「言わないのね……いいけど。ところで次は?」
「生物、移動だよ?」
「んじゃ行くか」
「うん」
二人は立ち上がり教室外へ・・・
「ま、まちやがれ・・・俺は無視、か・・・・・・ガクッ」
そんなものである。




