母の日
母の日の午後1時、エイミーは玄関で変わり果てた姿で発見された。黒い服を纏った体には数発の弾丸が撃ち込まれており、家中の金目のものは全て持ち去られていた。
現場には、サイレンサー付きの銃と花束が残されており、彼女が花束を守るよう、きつく胸に抱きしめていたために、その色は真紅に染まっていた。
最後に生前のエイミーを目撃したのは、彼女をよく知るお喋りな花屋の主人であった。
「この辺りじゃ有名な孝行娘だったのよ。今日は母の日だからってカーネーションを頼んでくれてね。朝イチで届けに行ったんだけど、話が弾んじゃって。1時間くらいお話したかしら?その時はピンピンしてたのにねえ……」
第一発見者は、陰気なピザ配達員の女性であった。
「本当は隣の家に配達する予定だったんです……。間違えてこの家に来たんですけど、インターホン押しても出ないし、鍵が空いていて……。その光景があまりに悍ましすぎて……。私、気づいたら倒れていたみたいで、時計を見たら1時間経ってるし……。それで慌てて通報したんです……。花言葉とかよく知らないけど、あの花って確かカーネーションですよね……?きっと母の日だからお母様に渡そうと準備されていたんでしょうに、渡せずじまいになってしまったのですね……」
周辺の防犯カメラの映像から、彼女の自宅に出入りしていたのはこの2名のみであることが分かっている。
玄関の隅に落ちていた一片の白い花弁を拾い上げて、2人の話を聞いた美貌の女刑事アリスは「彼女」に狙いを定めた。
Q.刑事が狙いを定めた「彼女」とは?




