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俺のスキル、説明すると大体笑われるが、そんな他人からの評価なんてどうでもいいわ  作者: ささみやき


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第12話  異世界に来てやっと一日が終わりそうです。  一日が濃すぎます。

重たい沈黙が作戦室を包む。

地図の上に落ちたギルドマスターの指が、森の一角を強く叩いた。


「異常が確認されたのは、この辺りだ。お前たちがスライムと交戦した場所とも一致する」

「……はい。間違いありません」


ライラが即答する。

するとクレアが、地図を見て発言した。


「この辺りだけ魔力の流れがおかしいわ。何かあったのか」


ギルドマスターが発言する。


「ああ、この辺りに最近不審な人物の目撃が報告されている」


それにしても地図を見ただけで魔力の流れ云々が分かるのか。

俺には何も分からないし、他の冒険者達もそうなの?みたいなリアクションしている。

多分、固有スキルが関係しているのだろうか。


「……その人物、怪しいな」

「状況的に考えれば、そう判断するのが妥当だろう」


短いやり取りが交わされるが——

ふと気づく。


あれ?


この会議、俺たち以外にも冒険者は大勢いるはずなのに、

誰も口を挟まない。


いや、違うか。

これは意見をぶつけ合う場じゃない。

情報を“共有する”ための会議なんだ。

皆、発言せずとも耳を澄まし、頭の中で状況を整理している。

その空気を察して、俺も黙って成り行きを見守った。

やがて、ギルドマスターが腕を組み、しばし沈黙した後——

重々しく口を開いた。


「……よし、方針は決まった」


室内の視線が、一斉に彼へ集まる。


「これより、戦力を二分する。

 一つは、異常が確認されたスライムの討伐チーム」


一拍置き、指が地図の森を指す。


「もう一つは、不審な人物を追う捜索チームだ。

 同時進行で動き、事態を早急に収束させる」


空気が、さらに引き締まった。


「今日はもう遅い。

 詳細は明日あらためて伝える。全員、明朝このギルドに集合だ」


そう言い切ったギルドマスターの視線が、最後にこちらへ向く。


「――もちろん、そこの初心者たちもな」


……え?


俺は一瞬、思考が止まった。

いやいや、マジで?

てっきり俺たちは、

現場で見たことを報告して終わりだと思っていた。

それなのに――


「え、俺たちもですか……?」


思わず漏れた声は、完全に素だった。

つまり、話を聞くだけじゃ終わらない。

明日からの作戦にも、がっつり参加確定ってことじゃないか。

……聞いてねぇ

胃の奥が、じわっと重くなる。


どうやら俺は、

思っていた以上に面倒な事件に首を突っ込んでしまったらしい。


それにしても――この世界に転生してからというもの、俺のスケジュールはどう考えても狂っている。


村に着いたと思ったら、なぜか初対面で変態扱い。

意味不明なあだ名を次々と付けられ、気づけば俺の人権はログアウトしていた。

挙げ句の果てに、最初に立ち寄ったギルドでは明らかにヤバい男に絡まれ、やむを得ず正当防衛。

結果? 股間を蹴っただけなのに――


「股間デストロイヤー」


……いや、称号みたいに言うな。

俺はそんな二つ名を望んでいない。


この先どうなるんだ、俺の異世界生活。

剣と魔法とロマンに満ちた冒険が始まるはずだったのに、現状は不安しかない。

やっと、これで初日終わりかよ。一日が濃すぎるぞ。

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