3.そして動き出す
ここから名前がちょっとややこしくなります('◇')ゞ
王の子ローライド、伯爵の子ローレライ。
2人はやはりそっくりで生まれてきた。性差が無ければ一卵性の双子と言っても過言ではないほどに。
2人の母、ローズとリリーは一気に男女の母になれたようだと喜んだ。
リカルドは普通に父として娘の誕生を喜び、王であるリードは息子の誕生に喜びつつ姪にも当たるローレライのこの後の人生を思って複雑な気持ちになった。
リードとリカルド
ローライドとローレライ
2人の名前が何となく似ているのは、わざとである。
リカルドは影武者であったとき“リード”と呼ばれていた。
ローライドとローレライはこれから公での愛称としては“ローリー”と呼ばれることとなる。
これは二人で一人の人物として呼ばれる時であり、個人は“ライ”と“レイ”。
どちらかが女の子であるかわからないように、男児の名前と認識できるようにと名付けられた。
そして2人の赤子は全く同じ生活を送ることとなる。
何の疑問を抱くことなく成長する王子ローライドに対して、伯爵家の長女であるローレライはその状況を把握しつつあった。
その赤子ローレライは普通の赤子では無かったからだ。
ローレライには前世の記憶があったのである。
ごくごく普通の会社員。容姿もまあ平凡、山も谷もない結婚もしていない30オーバーの平凡な人生を送っていたのである。
それがこんな世界に生まれたものだから。
ローレライは「え。何それ楽しそう!」と喜んだ。
しかも美形!この父と母の娘なのだから美形に違いない。
赤子であるローレライに言い聞かせ続ける父と母。
「レイ。レイは王子を守るんだよ」
と。
もちろんばっちり理解しているローレライは。
「キャー」
と声を上げるのだ。
そう言い聞かせられながら、ローライドとローレライは一緒に良く遊び、よく食べ、よく寝た。
そうして1歳になった頃。ようやく歩けだしたローライドに対し、ローレライは歩きまくっていた。
ローレライにとってローライドは守るべき対象なのだから、それは一生懸命歩いた。
「レイは運動神経がいいのかしら?」
という王妃に。
「私とリカルドもそうだったらしいぞ」
と王。
「早く動けるようにならないとと思っているのかもしれないな」
とリカルド。
「頼もしいわね」
とリリー。
こんなにのんびり構えてられるのも、2人ともに愛情を平等にかけてあげられるのもあと少し。
3歳になれば、教育が始まる。
そうすれば王子を守るべくローレライもまた別の教育も始まるからである。
そうして可愛がられながら2人は3歳となった。
可愛く顎の辺りで切り揃えられた金髪に、碧眼そっくりの顔立ち。
3歳ともなると徐々に話がわかるようになってくる。
もちろんローレライは全てわかっているので、お返事もしっかりするのである。
始まる王子教育をローレライも一緒にこなす。
ローレライはさらに余分にガオナー伯爵家の掟も学ぶ。
父リカルドは、うちの子は普通ではない!理解力が3歳のそれではない!と親馬鹿を発揮しつつも教えたら教えただけ覚える娘に教育を詰め込んだ。