23.似たもの親子
ミーン伯爵令嬢が持っていた飲み物を掛けてきた。
けど読めている。
「きゃあ」
とわざとらしく声をあげ、ふらりとチアの方に倒れるように回避する。
さすが鍛えてる令嬢、きっちり受け止めてくれる。
「ローラ!大丈夫?!」
「ええ。少しふらついてしまって」
嘘八百である。
「まあ!ミーン伯爵令嬢がローラに飲み物を掛けましたわ!!」
とマージ。
「・・・あ・・・」
「どういうつもりですの?デビュタントの記念の日に、飲み物をかけるなんて!!」
「そんなつもりは・・・」
「ではどんなつもりですの?今日の一生に一度の日のために着飾ってきているのですよ?あなたもそうでしょう?それを、汚してやろうだなんて!」
マージの独壇場である。さすが侯爵令嬢。
「わたくしの家から抗議させていただきますからね!」
「わたくしも家を馬鹿にされるなんて許しませんわ」
ああ。終わったわこの令嬢。ご愁傷様です。
「ローレライ!」
ちょうどいいところに父様登場である。
「伯爵様!ローラが倒れてしまいましたの!」
チアから父様に渡される。
「わたくしとチアフィル様のことを庇って少々無理をされたのではと思いますの」
とマージが説明する。
「君はリュクス侯爵家のご令嬢だね。2人ともローレライのことをありがとう。それから、ミーン伯爵家を筆頭に君たちの家にも抗議させていただく。嫁ぎ先が見つかるといいね」
と良い笑顔で言い放った。
皆もう泣きそうだ。保護者も何故野放しにしているのか。
「父様、この方たちお勉強ができてないみたいですの。わたくしの5歳のときの先生を派遣して差し上げたらどうかしら?」
「ローレライ、お前の教師は王妃様のご推薦だからそうそう普通の家には行けないんだよ」
「そうでしたの」
と王家の家庭教師に教えてもらったことを遠回しに伝え、『普通』の家には行けないとうちとの格の違いを見せつける私と父様は似たもの親子だろう。
ますます顔を青ざめさせるご令嬢達を横目に
「さあ。ローレライ帰ろうか」
「はい。マージ、チアごめんなさいね。先に失礼します」
「ええ。ゆっくり休んで!」
「また手紙だしますわね!」
退場し、うちの住居スペースへと戻ってきた。
「レイ。やるねえ、さすが私の娘」
「楽しかった!病弱に見えた?」
「少々わざとらしかったが、私は知ってるからね。チアフィル嬢とマジェリー嬢も騙されてたと思うよ」
「父様、令嬢たちの貴族教育どうなってるの?マナーの無い令嬢に何人も声かけられたのだけど」
「親が甘やかしたのだろうね」
「ライのお嫁さんに向いてないねー」
「お前がライのことを心配してるのかい?」
「だって、ずっと一緒に育ったんだから兄妹みたいなものだもの」
「ライはまだ婚約者は作れない」
「ああ。隣国問題か」
「それもそろそろ片が付くと思うけどね」
「そうなの?」
「そろそろ仕掛けてくると思うんだ」
「まかせて!」
とほのぼの会話しているところに
「レイー!!」
「「姉さまー!!」」
と扉がバァン!と開いた。
良い性格しています!




