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14.脳筋国家の末路


「さて、王太子殿下。これは一体どういうことか説明していただきましょうか?」


「・・・なぜだ!なぜ薬が効いていない!」


「ああ。あの毒ですか。私には効きませんよ」


「・・・クソ!!!だが、お前は今一人だ。俺がやったという証拠はないだろう」

と勝ち誇ったように言っているが、そんなヘマする訳が無い。


「アリッサ」

と声を掛けると、部屋に潜んでいたアリッサが出てくる。


「アリッサ見てたね?」

「はい。しかとこの目で」


「そんなただの侍女ごとき証人にはならんだろ」


「ただの侍女ではありません。王太子付き侍女。代々王家の侍女を務める家門の侍女です。

それに私は怪我をしました。王太子殿下に切り付けられたのですよ?この国の王太子が、立太子のパーティーで隣国の王太子に。

ああ。大変!

さすがに事の大きさに気付いていただけました?

終わりですよ王太子殿下。アリッサ、縛り上げなさい」

「御意」


と手際よく縛り上げる。


「それに、あなたは弱い」

とにっこり笑っておく。

「ああ。ちなみに私に襲い掛かってくる前にこの部屋の刺客たちは、このアリッサが捕らえていますので」

アリッサが優雅に一礼している。


「大したことないですねぇ。アリッサ」

「ええ。ローリー様、実力主義国家とは名ばかりですわ」

と笑いあう。


そこへフレッツが騎士団を連れてやってきた。

いいタイミングだ。

「覚悟なさることですね。王太子自ら愚行をおかしてくださったおかげで、ベルセルクとの交渉が進みますね」

と一声かけ、連行させる。



「ローリー様、手当てなさいませんと!あと解毒薬も飲んでおきましょう」

「これぐらい大丈夫だよ」

「ダメです!」

とアリッサに怒られながら手当てしてもらい、解毒薬も飲む。


なぜアリッサを潜ませておいたかというと、アリッサは侍女だが影所属だからだ。その手の問題お手の物、こっそり隠れておくなどいとも簡単にやってのける有能侍女なのである。

ちなみにメリッサも、できるのだがアリッサの方が得意なのである。

フリッツはライから離れるわけにはいかないし、もし何かがあって私の変装が解かれてしまったとき女性の方が安心だからアリッサがこの役を買って出てくれた。


「まあ、これでベルセルクを掌握できるといいよね」

「それはローリー様の御父上や宰相様方がやってのけるでしょう」

この場合の父上は私の父リカルドである。

叔父上も宰相だけあってもちろん腹黒いので、まああの二人にかかればひとたまりもないだろう。

ご愁傷さまです。と心の中で手を合わせる。



この後、隣国ベルセルクは『今後一切、ディスィーヴ王国へは手を出さない。手を出した場合、容赦なく王族は打ち首とし、ディスィーヴ王国の王族へと挿げ替える』

との契約書が交わされ、従属国となった。今後のベルセルクはディスィーヴに見張られ続けることになる。

最悪、ベルセルクへ乗り込んで国盗り合戦しちゃえば?と思っていたのでスムーズに事が運んだ。

王太子が馬鹿でよかったよ。

何があったかは私には知らされないが、怖いね父様。


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