表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/76

12.立太子


そんなこんなしながら14歳になった。

無事14歳まで成長できたということでライが立太子することになった。

この国では第一王子が狙われすぎるため、14歳になるまで立太子しないのである。

そして立太子を祝い、近く式典が行われることになっている。


王太子が目立つ場所。

それは最も狙われやすいということ。

陛下から言葉をいただく式典では、もちろんライが。

その後のパーティーでは私が役を請け負うことになっている。

最近は、より鍛えるために騎士団での訓練を私とライ交代で行っている。

一緒に訓練を受けることができないのは残念だが、色んな人と手合わせができるのでレベルアップに繋がっている。




ぱっと見の私とライはいまだにそっくりだ。

顔も身長もよく似てる。


だけど全然違うところが出てきた。

まず声。

変声期を迎えたライはやや声が低くなった。

男性にしては高めの声であるから、2人でちょうどいい声の高さを見つけ調整している。



それから身体的特徴である胸だ。


14歳なのにどんどん大きくなっているのだ。

隠さなければならないほどに。

「レイ様のお胸を潰してしまうのは心苦しいです」

と言いながらメリッサが毎日身支度をしてくれている。

今はサラシのように布で巻いている。

これがまた圧迫されて苦しい。


前世のように慎ましやかであればそんな苦労はしなくて良かっただろうに、母の遺伝なのか成長速度が早い。

まだ胸以外はそこまで変わらないことにホッとする。



胸を潰し、透けないようにしっかり下着を着込みパーティ用の礼装を身に付ける。

男性の支度は簡単に済むのでありがたい。

今頃式典が行われている頃だろう。

私は公式行事でライが表へ立っている間は見ることができないから残念だ。



そうして待っていると式典が終わりライが帰ってきた。

「おかえり。危険なことは起きなかった?」

「まあ式典だし、もし間者が潜んでいても動きづらいだろうね」

「だよね。しかし、ライ似合ってるね。さすが王子様」

真っ白な肩にゴールドのエポーレットの付いた騎士服を身に纏っている。

ライの金髪碧眼によく合っていて、ザ・王子様!といった様相だ。


「ありがとう。そういうレイも良く似合ってるよ」

私は、ゴールドの刺繍が施された白のタキシード。首元には白のレースのジャボ(レースのひらひらしたやつ)を付けている。

これまた今日の主役!これぞ王子様!という王道ファッションだ。


「ありがとう!」

「仕方ないとはいえ、レイはドレス着たいとか思わないの?」

「うーん。着たくないと言えば嘘になるかもしれないけど、今後着る機会増えるでしょう?王子様なんて皆やりたくてもできないんだから楽しいよ!」

事実である。

今もダンスの練習の時や、淑女教育の時は華美なものでは無いけど着ているし、女性に戻ったら嫌でも着ないといけないのだから今を楽しむべし!


「レイはまたそんなことばっかり言って・・・」

「だって事実だもの」

「はあ。何にしても仕掛けてくるならパーティだよ!気を付けて」

「任せといて!フレッツもいるし大丈夫でしょう」

メリッサも後でドレスに着替えて貴族令嬢として潜入してくれるだろう。



ちなみにメリッサとアリッサは子爵家の令嬢です。

フレッツとフリッツはレイの家より格下の伯爵家の令息です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ