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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

BLACK CUBE

作者: セロリア
掲載日:2020/09/01

見た目は人間だけど人間じゃない男性を俺は助けた。







都会、東京に住む社会人。


まあまあブラックな会社。


無駄に高い家賃。


彼女も作れない貧乏。


そんな貧乏社会人な俺は、背が低い成人男性をある日助けた。


アメリカ人?みたいな黒人で、障害か何かだろう、130cmくらいだった。


道端に倒れていた。


しかし、病院には行きたくないと流暢な日本語で話す。


仕方ないから、アパートに招いた。


ペットボトル水をガブガブ飲んだ次は、寝てしまった。


夏だったから、バスタオルを腹にかけた。





翌朝。


男性はまたペットボトル水をガブガブ飲んで、ありがとうと握手をしてきた。


そのまま、出ていってしまった。


出勤して、帰宅すると、知らない箱が部屋の真ん中に浮いていた。


鉄か?黒い掌いっぱいのドッチボールくらいの大きさで、真四角。


何だコレ?とまじまじ見るが、何の仕組みで、浮いているのか解らない。


あの外人のかな?と思った。


忘れモノ?いや、何も持ってなかった筈だ、だいたいこんなモノあったら忘れる筈ない。


日本製品かな?とまじまじ見る。


本当に真っ黒だ。


溝、傷、隙間、光、一切ない。


取り敢えず、警察に届けようと、それを持つ。


持ったら、浮きながら手に乗った。


何だか可愛い、意思を感じた。


最近発売されたペットかな?時代は進んだなあと感心し、警察の最寄りに出かけた。


そう言えば、何も食べていない。


コンビニに寄った。


客、店員、ふよふよ付いてくる黒い箱に誰も気づかない。


都会あるある、無関心だとまだ思っていた。


財布に現金がない。


すいません、ATMで下ろしますと、レジを離れた。


ATMカードを探す。


何かをしたというメッセージが頭に浮かんだ。


後ろを振り向く。


黒い箱からカードが出て来た。


受けとれと言われているようだ。


受け取り、見ると、よく解らない金色なカード。


英語で女神のカードと書かれている。


杖を振ってる女老人が描かれている。


これを使えというのか?と尋ねると、黒箱は一回上下した。


可愛い。


でも、知らないカードを使うのは犯罪だからと、自分のATMカードを使っておろした。


現金を引き出し、精算を済ませた。


食べながら交番に向かう。


不良グループに目をつけられた。


喧嘩に自信ある俺でも、流石に何でもありの喧嘩はした事ないし、経験あるならヤバい奴だ。


散々殴られ、蹴られた。


財布も取られた。


ATMで少し多めにおろしたその日に何て事だと落ち込んだ。


不良らが、離れて15分くらいどうやって暮らしていくかシミュレートしていたら、気づいた、黒箱が居ない。


幻覚だったのか?とそこで初めて気づいた。


そうだ最初から幻覚だったかもしれない。


不良も、コンビニの客も、店員も、全く反応しなかった。


やはり、疲れているのか、あんな幻覚を見てしまう程に。


一人完結して、帰宅した。





翌朝。


また黒箱が現れた。


ふよふよ付いてくる。


まあ、話しかけるとたまに頷いてくれるし、可愛いし、まあ良いかという結論に達した。




今月ピンチになった。


金融に頼んだ。


全て断られた。


胸元が硬い。


ポケットを見ると、ブラックカードが入っていた。


唾を飲み込む。


ネットで女神のカードを検索。


何も出て来ない。


Visa、MASTER、既存のクレジットカードではない。


良く解らない文字がメーカーの表記位置に書かれている。


何故女神のカードという部分だけ英語で、後はよく解らない文字なんだろうと、不思議に思っていると、腹が鳴った。


とにかく、暮らしていけないし、金融にも全て断られた。


不本意だが、使わせて貰おう。


決心し、コンビニに行く。


コンビニレジを見ると、暗証番号義務法案が本日から導入されました、と書かれている。


しまったと思った。


暗証番号なんか知らない。


やはり諦めようとコンビニを出た。


帰宅。


ため息。


死ぬかもなあとボソッと言ったら、黒箱から映像が壁に投影。


数字の羅列、3549288inCard


俺はハッとした、この数字、暗証番号か?と尋ねる。


黒箱は上下に動いた。


急いでコンビニATMへ。


恐る恐る入れた。


ATM画面が切り替わり、宇宙銀行へようこそという文字。


固まった俺。


残高という欄に無限マーク。


引き出す金額の欄が点滅。


唾を飲み込む。


もう二度と引き出せないかもしれない。


取られた9万だけ。


そう思い、9万という数字を打ち込んだ。


日本円で宜しいですか?と、他国の通貨はこちら、という画面。


Yes を押した。


聞きなれたバラバラという音が聞こえ、ちゃんとおろせた。


やってしまった。


もう警察にも言えないし、幻覚じゃなかった。


どうしよう?どうする?


カフェに入り、頭を抱える。


今日は日曜日。


明日からまたブラック会社。


更なる欲望の波が押し寄せてくる。


もっと使うか?


いや、駄目だ!これは人のお金だ、そんな事出来ない!


黒箱は使って欲しいから暗証番号も教えてくれたんだろう?


それは・・駄目だ駄目だ!黒箱は多分主人を勘違いしてるだけだ!多分絶対そうだ!犯罪だぞ!絶対駄目だ!


明日からまた地獄が始まるんだぞ?パッと引き出して、パッと何処かに埋めて、そうすれば大丈夫、誰にもバレないさ。


それは・・う、うう・・。


黒箱を見る。


黒箱は本当に誰も見えていないようだ。


俺は、このカードから500億くらい使って良いかと黒箱に尋ねた。


黒箱は上下した。


自分の名前、住所を告げた。


誰かと勘違いしているのではないか?と尋ねた。


黒箱は左右に動いた。


このカードのお金は自分のモノという事で良いかと、尋ねた。


黒箱は上下に動いた。


俺は更に尋ねた。


見返りは?と。


俺は何を支払うのか?と。


黒箱は暫く沈黙した後、ハテナマークを液体金属で表した。


黒箱に更に尋ねた。


俺が例えば500億を引き出したら、俺の家族や、恋人や、親戚に迷惑がかかるか?と。


黒箱は左右に動いた。


更に問答は続いたが、結局、何も代償は無いようだ。


ますます怪しい。


代償がない事自体が嘘な可能性がある。


この機械が嘘をつかない保証はないのだ。


暫く迷って、副業開業資金だけ、借りる事にした。


1200万。


楽器を練習出来るスタジオを借りて、リフォーム。


歌って、踊れてというスタジオだ。


一階はライブスタジオ。


大当り。


と言いたいが、そもそも楽器を買うのは貧乏が多い。


スタジオ代金を払う客は既存のスタジオを利用している為なかなか客足が届かない。


一年で廃業。


1200万が消えた。


やはり、リスクは駄目だと、今度は仮想通貨。


大暴落。


300万が消えた。


ならば株だ!500万分散投資。


なかなか儲からずに、ずるずると45万になった。


何が儲かるのか、一生懸命探したが、どれもこれも運が良ければ儲かる前提がある。


結局運かと、諦めた。


いつの間にかブラック会社も辞めていた。


ダラダラニート生活。


黒箱はそれでもふよふよ浮いている。


俺は尋ねた。


黒箱よ、お前は俺が100歳まで生きると思うか?と。


黒箱は左右に動いた。


ならば90歳?


左右に動いた。


ならば50歳?


左右に動いた。


ならば45歳?


左右に動いた。


ならば、来年に俺は死ぬか?


左右に動いた。


不思議に思った俺は、逆の発想をした。


ならば、俺は永遠に生きるか?と尋ねた。


黒箱は上下に動いた。


高笑いし、冗談が上手いなあと黒箱を誉めた。


黒箱はハテナマークを出した。


お前は可愛いと言ったんだよと言うと、黒箱は激しく上下した。


遠慮せず、使おうと決心した。


そしてその通りに使った。


ビジネスなんか考えない、性病だけは怖かったから、それ以外の遊びを思い付く限り遊んだ。


通訳を雇って、ラスベガスで豪遊し、アメリカで馬に乗り、通訳の女性と一緒に世界で遊んだ。


通訳の女性との契約は俺が何者かを調べない、気にしないというモノだったが、流石に人間の口には扉はつけられない。


アメリカのCIAに逮捕された。


アメリカの警察署、取調室。


通訳が横に居る。


金の出所を聞かれ、何もかも正直に答えた。


45分後。


NASA局員を名乗る日本人女性が取調室に現れた。


ザ・やり手と言う印象だ。


斎藤と名乗った女性は、物腰が柔らかい印象を与えるが、何処か冷徹だなコイツと思わせるに十分な見下しが、言葉から読み取れる。


40代後半だろうか。


斎藤「それで?あのカードは私達には見えない黒い箱が出してくれたのね?」


俺はそうだと言った。


斎藤「その黒い箱は、今も居る?」


俺の右に居ると言った。


斎藤「右って何処?触れるなら、触って、そして右手に持ってみて」


俺は右手に持って掌に乗せ、斎藤の前に差し出した。


斎藤「・・」


斎藤は黒い箱に触った。


斎藤は驚きながらも、笑い、触り続ける。


斎藤「見えないけど、何か変な感触ね?鉄?じゃないわよね?」


俺は黒い液体金属で出来ているようだと何度も話したと答えた。


斎藤「あのカードだけど、あなた以外には使えないみたいね、あなたの言う通りにATMに入れたら、画面も切り替わらないし、普通に使えませんって返されるわ」


それは何度も聞いたし、実際俺は使えたと、何度も話したと答えた。


斎藤「背の低い黒人の似顔絵だけど、上手に描けてたわ、才能あるんじゃない?」


どうもと答える。


斎藤「貴方の罪は、届けをしてないカードを使った事よ、額が額だから、インフレを呼ぶの、解るでしょ?」


じゃあ中央銀行が電卓で数字を増やすのはいいのか?と尋ねた。


斎藤「国と、貴方を、一緒に、しないで、ね?ふふ」


いちいちムカつくしゃべり方をする女だ、そう言おうとする口を意識し、閉じる。


斎藤「取り敢えず、全て吐いて貰うわ、貴方の後ろに居る組織か村長か知らないけどね、なんなら、取引しても良い、ボスの名前、顔、電話番号、メール、何もかも教えてくれたら、死刑を、無期にしてあげるよう裁判長に頼んであげる」


俺は正直に全て話した、嘘発見器にかけても良いと答えた。


斎藤は無言で黒箱を掴んだまま、取調室を出てしまった。


ため息。


何度もため息。


暫く一人の時間が過ぎていく。


悲鳴が聞こえた。


怒鳴り声が聞こえる。


発砲音が沢山響く。


静かになった。


取調室の上、空気穴から、黒い液体が伸びて、机の真上、空中に落ち、四角のCUBEになった。


一人でに帰って来たのだ。


恐る恐る取調室を出ようとする。


鍵がかかっている。


すると黒箱から黄色のレーザーが出て、一瞬で鍵部分を焼き切った。


呆然とする俺。


上下に動く黒箱。


ありがとうと言うと激しく上下する。


ドアを開けた。




地獄だった。


無惨過ぎる。


大量の死体。


焼き切った跡の机、椅子、壁。


人間達。


斎藤は胴体、足、頭、細切れになっていた。


強烈な吐き気、床に吐いて吐いて、吐きまくる俺。


黒箱を見る。


ふよふよ浮いている。


どうしよう?どうする?どうしよう?どうする?どうしよう?


呆然としていると特殊部隊が突入してきた。


英語で座れ、膝をつけ!と言ってくる。


ゾロゾロ大量、100人か、それ以上は居た。


警察署の外にもパトカーの音、青と赤の光が沢山回転している。


黒箱は俺の真上に来て、周囲に薄い防護衣みたいな感じで膜を張った。


撃てと言う号令と共に多数の弾丸が俺に当たるが、全然痛くない。


頭の上に浮かんだCUBEからレーザーが一瞬にして何本も放たれ、特殊部隊は一瞬にして全滅した。


俺は感動した、まるで映画の主人公だと。


アトラクション施設に居る気分だった。


現実感が全くない。


歩いて警察署を出た瞬間、やはり大量の銃弾の雨。


全然痛くない。


やはり、レーザーが大量に一瞬だけ出て、女も容赦なく切った。


どうやら銃を構えていた者だけ切ったようだ。


野次馬達は切られてないようだ。


特殊部隊っぽい人達も全員死んだ。


刑事らも死んだ。


制服警官らも死んだ。


軍っぽいヘリが来た。


ミサイルが飛んでくる。


黒箱「・・」


ミサイルがUターン。


ヘリを追尾、撃墜。


ただ、ただ、呆然と見ていた。


ミサイルが大量に、どこからか飛んで来たのが見えた。


Uターン。


帰って行った。


もうミサイルは飛んで来ないようだった。


暫く廃墟と化した警察署に座ってボケーっとしていた。


やがて、一人の女性が野次馬から出てきた。


CIAの局長だと言うその女性は、60代前半のやり手という感じだった。


日本語が流暢だった。


キャリス局長「その力を調べたい、協力してくれないかしら?」


俺「黒箱に訊かないと解りません、殺したのは黒箱で、俺じゃありません」


キャリス局長「黒箱があなたの命令を聞くなら、投降するように命令すれば良かったんじゃないかしら?」


俺「知りませんよ!勝手に黒箱を持ち出して俺から離したのはそっちじゃないですか!俺には責任ありません!」


キャリス局長「解りました、誤解があったのは認めます、あなたは悪くない、それで良い?」


俺「はい」


キャリス局長「それで、黒箱は、調べる事を許可してくれるか、頼んでみてくれない?」


俺「はい・・なあ、黒箱、この人らにさ、お前を調べる事を認めてくれないか?」


黒箱は直ぐに左右に揺れた。


俺「駄目らしいです」


キャリス局長「良く聞きなさい、貴方は大量虐殺をしました、これは本来ならスナイパーによる死刑が適当です、しかし、貴方を殺したら、黒箱が暴走する可能性を考慮しました、自爆するかもしれないし、だから、穏便にと私が直接来たの、解る?」


俺「いや、んな事言われても困ります」


キャリス局長「もう一度頼んでみて、貴方の家族や、友人の為に」


俺「!?な、何で家族が出て来るんですか!?脅しですか?」


キャリス局長「我々も言うしかないの、手段は問うな、そう命令されてるの!」


俺「そんな・・」


黒箱「・・〈ピピ〉」


黒箱に英語の文字が次々浮かんでは消える。


俺、キャリス局長『!?』


俺は英語は少ししか解らない。


だから、意味は解らないが、キャリス局長の顔が震え、強張っている。


暫くすると、13桁の数字とアルファベットが表示された。


キャリス局長はその瞬間、直ぐに何処かへ電話した。


英語で何か言い争っているようだが、黒箱に表示された数字、アルファベットを見ながら話した。


やがて、キャリス局長だけが、一方的に諭すような仕草で喋り出した。


俺はただ、座っていた。


キャリス局長が電話を渡して来た。


キャリス局長「貴方によ」


出る。


俺「もしもし?」


?「こんにちは」


俺「日本語?、は、はい、こんにちは」


?「アメリカに住んでる日本人だ、島津という、アメリカ大統領とは友人でね、色々サポートをしてる立場なんだ」


俺「は、はあ」


島津「面白いモノを連れてるね、数字とアルファベットはアメリカ潜水艦の核爆弾の発射コードだよ」


俺はあまりの展開に言葉を失った。


俺「あ・・そんな・・どうしますか?」


島津「落ち着きたまえ、君が唯一触れる許可を貰ってる、そうだね?」


俺「はい、多分」


島津「宜しい、では、君がスイッチをOFFしたまえ、出来るかな?」


俺「いや、スイッチなんかないですよ?それに全部言うこと聞いてくれる訳じゃないんです」


島津「いいかい?世界が終わる判断を、黒箱が握ってるんだ、世界が滅んで良いのかね?」


俺「い、嫌です!」


島津「ならばやりたまえ、電話はそのまま、さあ、早く!」


俺「は、はい!」


黒箱を触る。


黒箱はまるでペットのようだ。


やはりスイッチのようなモノはないし、むしろ機械っぽさが無い。


島津「見つかったかね?」


俺「駄目です、つか何にも無いです、スイッチも、コードも、ただの四角い黒い箱です!」


島津「・・液体金属で覆っているんだろう、とにかく、電源OFFと叫んでくれ」


俺「黒箱!電源OFF!」


黒箱「?」


変化無し、ふよふよ浮いている。


俺「機能停止!電源を落とせ!落ちろ!」


黒箱「?」


俺「駄目です、反応ありません」


島津「諦めるな!君の義務だろ!ちゃんとやるんだ!早く!」


俺「・・なあ、黒箱、眠って良いよ?」


黒箱は左右に揺れた。


俺「お願い黒箱、頼む!眠ってくれ!な?頼む!」


黒箱は左右に揺れた。


俺「お願い!」


黒箱は左右に揺れた。


俺「駄目です、全く譲りません、眠るという言葉には反応しますが」


島津「・・そうか・・解った、では、君に来て欲しい場所がある、部下に案内させる、キャリスに代わってくれ」


キャリス局長「代わりました」


何やら話している。


キャリス局長「ついて来て」


なんやかんやで、砂漠みたいな場所に連れて来られた。


テント、様々な機材が並んでいる。


黒箱から透明なレーザーが放たれ、スキャン。


黒箱は上下に動いた。


大丈夫という意味だと解釈し、歩みを進める。


暫く待てと言われた。


暑い。


氷が沢山入ったポカリスエットタンクがある。


たまらず、沢山飲む。


気づけば誰もいない。


黒箱がコップに一滴液体金属を入れる。


30分。


60分。


暑い、イライラしてくる。


黒箱が俺の真上に来て、膜を作った。


涼しい。


俺は感動し、ハンモックがあったから、寝た。



衝撃が走った。


目が覚め、見回すが、土煙で何も見えない。


クレーターの真ん中に居るようだ。


黒箱は真上から降りて、隣に浮く。


撫でると喜ぶように、手にすりすり。


黒箱が移動し、ほぼ真上に向かってレーザーを放った。





高度ドローン、切断、爆発。




黒箱は、またふよふよ戻って来た。




ポカリスエットタンクを黒箱が液体金属を変形させ、持ち上げ、それをストローで飲みながら歩いていたら、キャリス局長が電動バイクに乗って来た。


黒箱は何も反応しない。


キャリス局長「乗る?」


俺「罠にかけた癖に」


キャリス局長「私が?違う違う、私の上司が、よ?君には細菌も、ウイルスも、毒も効かないようだし、小型核も駄目、とうとうお手上げ、万歳よ、コーサン」


俺「俺、どうなるんです?」


キャリス局長「・・乗る?」


俺「はい」


キャリス局長「そのポカリスエットね、猛毒なのよ」


俺「ふうん、別に何とも?美味しいですよ?」


キャリス局長「あなたを病院で検査したいんだけど、良いかしら?ああ!誤解しないでね、黒箱が貴方のコップに一滴何か入れたのよ、多分そのせいで毒が無効化してるのよ、血液検査と、全身スキャンをしても良い?」


黒箱「・・」


左右に揺れた。


俺「黒箱は駄目と言ってます、無理に連れて行ったら多分皆死にますよ?」


キャリス局長「あら?脅し?」


黒箱「・・」


俺「え?いやいや!俺が脅してる訳じゃなくてですね、心配だから」


キャリス局長「あまり調子に乗らない事ね、貴方は強い訳でも、偉い訳でもない、ただ、その黒箱に気に入られているだけの一般人よ、勘違いしないで」


俺「・・」


キャリス局長「?どうしたの?返事は?家族は大事よね?あなたも、私も」


俺「・・黒、降りる」


黒箱は俺を持ち上げ、浮いた。


キャリス局長がドリフトで停止。


キャリス局長「どうするの?人類の敵になる?やってみる?若造」


俺「・・ムカつくなあ、そう言えば、昔俺、都市伝説が好きで、良く番組を見てたんですよ、アメリカって先住民を滅ぼして、麻薬で作った国なんでしょ?沢山の奴隷を使役して」


キャリス局長「・・そうね、だから?」


俺「この黒い箱に質問する、その答え如何で、行動を決めよう」


キャリス局長「辞めなさい、戻れないわよ!?」


俺「もう戻れない!」


キャリス局長「!!」


俺「俺を解放する気なんか無い、そうなんだろ?」


キャリス局長「そんな事」


俺「あんたに聞いたんじゃない」


キャリス局長「あ、く」


黒箱に文字、日本語が浮かぶ。


黒箱「あなたは、私を動かすに値する、テペタ星の総意、あなたは私を動かし、地球を救うのが役目、人間を滅ぼすかは貴方の自由」


俺「地球を?どういう意味?」


黒箱「温暖化進む、山々の氷が溶け海水塩分濃度が薄まる、海流が停止、地球は寒冷化、温暖化火山噴火と効果合わさる、凍結が進む、メタンハイドレートの融解進む、メタンハイドレートは消える時に酸素と結び付く、地球酸素、無くなる、凍結と無酸素により、すべての生物死亡、貴方は阻止する」


俺「どうすれば良い?」


黒箱「王になる、ある程度滅ぼし、人間の生産停止急務」


俺「俺に人殺しになれと?」


キャリス局長「辞めなさい!!聞きなさい!!貴方を操ろうとしてるのよ!!耳を貸しては駄目!」


俺「では訊くが、アメリカは温暖化を止める手段を持っているか?」


キャリス局長「持ってる!!」


俺「では何故使わない!?」


キャリス局長「色々あるのよ!!」


俺「政治か、ふん」


キャリス局長「人は駒じゃないの!単純じゃない!複雑なの!貴方が世界を支配出来ると思ってるんでしょうけど、無理よ!絶対に人間は、化け物には従わない!!」


俺「・・」


黒箱「急務」


俺「わざと遊ばせたのか?」


黒箱「yes 」


俺「放射能とか、除去出来る技術ってある?」


黒箱「yes 、この国にも既に、私にも備わっている」


俺「・・なら安心だな、さて、質問だ、嘘は無しだ、いいな?」


黒箱は上下に揺れた。


キャリス局長「く!」


キャリス局長の放つ銃弾が飛んでくるが、痛くない。


俺「黒箱よ、このまま行けば地球は死の星になる、そうだな?」


黒箱「yes」


俺「俺は地球を救う為に選ばれた、そうだな?」


黒箱「yes」


俺「解った任せとけ」


黒箱を撫で撫で。


黒箱「キュウウ、キュウウ」


キャリス局長「何をするつもりなの?」


俺「・・」


キャリス局長「答えなさい!」


俺「何って・・国作りかな?手始めに、この国を貰おうか」


キャリス局長「アメリカを!?」


俺「だって、よく言うだろ?一番強い奴を負かせば、後は勝手に投降してくれる、喧嘩の基本だろ?」


キャリス局長は首元に叫んだ。


キャリス局長「コードレッド!」


俺「・・」


黒箱「ミサイル接近」


俺「多分核だ、耐えられる?」


黒箱「yes 」


俺「んじゃそれで」


黒箱「・・」


上空600M、核融合爆弾、起爆。


キャリス局長蒸発。


辺りは白一色となり、続いて深い穴に落ちる感覚。


クレーターが形成されていく。


巨大なキノコ雲が形成され、広がった爆風が、今度は温められた空気により発生した上昇気流により、一気に中心に引き寄せられ上空へ巻き上がる。


炭となった電柱、動物、岩、コンクリート、全て上空へ行く為に引き寄せられていく。


上空4200Mに、俺は居た。


雲が一切ない、青い空に闇が見えた。



俺「さて」


黒箱の液体金属が、広がりバイクの形になった。


新幹線みたいな形のバイク。


速そうだ。


乗り込んた。


計器は無い。


完全に俺を覆っている。


行き先はホワイトハウス。


厳重な警備を歩いて突破しようと、堂々と行った。


大量に殺すつもりが、あっけなく通された。


スマホ、録画開始。


大統領と大統領通訳がテーブルに居た。


アメリカ大統領「君を国として認める、その代わりアメリカ人は助けてくれないか?」


俺「全ての戦争を今すぐ辞めるんだ、その経費を、全て植林と、インフラに回せ、そうすれば殺さない、軍人は国内治安部隊に留めろ、余る奴は全てクビだ、国外戦争の為の設備、工場、軍人、全て廃止だ、廃止!解ったか?」


アメリカ大統領「私の一存では決めかねる」


俺「うん、それはそうだ、明日またここに来る、今と同じ時間だ、それまでに答えを出せ、死ぬか、生きるか、その代わり、了承してくれるなら、アメリカに攻めてきた軍隊を俺が全て殺すと約束しよう、ベーシックキャピタルと、ベーシックインカムだ、国民一人月に50万用意出来るよな?軍隊が無くなるんだから」


アメリカ大統領「・・もし、軍隊を廃止出来れば、可能だろうな」


俺「うん、どうせ会話記録してるんだろ?構わんよ、では明日、さようなら」


歩いて堂々とホワイトハウスから出てきた所を大量の記者に囲まれた。


スマホを渡した。


翌日。


アメリカ、一人の日本人に降伏。


ニュースが流れた。


神が降りた。


キリストの再臨。


悪魔。


沢山の噂が飛び交うニュース。







東アフリカ。


黒人の子供達に教える日本語、英語教師である日本人講師、男性、42歳、高井啓さんの元へ数人のアメリカ軍のエリート部隊に囲まれながらやって来た俺。


俺「こんにちは」


高井「どうも、ネットで見ましたよ、有名人が私何かに何か?」


怯えた様子は無い、流石、胆が座っている。


二人にして欲しいと部屋を閉じた。


高井「何か飲みますか?」


俺「ああ、はい、では水で」


高井「水は一番のご馳走です、この国ではね」


冷たい水を渡され、流し込む。


俺「美味しい」


高井「空気から水を作る機械がありましてね、ははは、美味しいでしょう」


高井も飲み干した。


高井「ふー、それで?ご用件は?」


俺「内戦を停止する為の必要な資材、設備、全て教えて頂きたい」


高井「・・」


俺「貴方が指導者を支援しているのはお偉いさん方は知っていますよ、そんな貴方を支援しに来ました、許可は貰っています」


高井「・・」


立ち上がり、また水をコップに注ぐ。


高井「おかわりは?」


俺「結構」


高井「私の家族は?」


俺「いつでも保護出来るようにしています、パスポートも発行済みです、アメリカの保護下にある」


高井「・・」


水を飲み干した。


俺「何が欲しいですか?リストを言って下さい」


高井「・・ふ・・上から目線だな」


俺「下から目線にしますか?」


高井「・・いや・・変わらんか、・・いいだろう、ヒーローはアメリカ、そうだな?」


俺「そうですね、やり易いので」


高井「・・解った」








東アフリカ正規軍、革命軍、共に鎮圧。


武器庫を全て破壊され、戦士は全て虐殺された。


アメリカの名前、東アフリカの大統領を選抜し、その名前を建設機械ロゴ、橋の石碑、設備のロゴマークに使用。


日本の資金を使い、まずは、大規模集団団地を建設。


次にアメリカの病院、スーパー、インフラ設備が次々建てられた。


東アフリカ政府を公式にアメリカ大統領が認知と発表。


東アフリカ政府独立。


日本に習い、非戦闘国家になったと明言。


東アフリカに敵対行為を働く前に、俺が港コンテナ武器庫を破壊し尽くす。


一つの港に1時間もかからなかった。


スキャンは本当に便利だ。


コンテナの中身は武器と、人だった。


人身売買だ。


東アフリカ政府が全ての行き場の無い人を受け入れると表明。


大規模な移住現象発生。


仕事をせずに暮らしていける社会を前提におき、東アフリカにスローガンを掲げた。


『武器は食べられない、食料を作ろう、終わらせるんじゃない、始めよう』


異常気象発生多発警戒を受け、蜜蜂、食料工場を海上、居住スペースを海中、資源採掘は海底、というコロニーを日本が建設。


建設用ロボット、大型補助ロボットスーツも大活躍。


とにかく時間が無い。


小さな事件に関わる時間はもっと無い。


小を犠牲にし、大を助ける動きを続けた。


小の事件は警察に任せた。


例え、連続殺人犯が目の前を通っても、報せるだけ。


次に、南アフリカ、西アフリカ、北アフリカと説得。


家族も、誰も、殺さない、いじめもさせないと約束し、機械達を国に搬入し、建設していく。


テロも何度もあった。


テロには一切容赦無し、5分かからず、皆殺しにした。


時間が無いからだ。


アフリカ全土、アメリカと日本と同盟。


次にイギリス。


イギリスは呆気なく同盟。


流石、合理主義。


ドイツは何故か拒否。


仕方ないのでスルー。


スウェーデン、ノルウェー、同盟。


フィンランド拒否、スルー。


次にオーストラリア、同盟。


インドネシア、拒否、スルー。


マレーシア拒否、スルー。


ベトナム、同盟。


タイ、拒否、スルー。


ミャンマー、同盟。


フィリピン、同盟。


パプアニューギニア、同盟。


南アメリカ、コロンビア、メキシコ以外同盟。


この時点で、中国が、日本に先制攻撃。


ミサイルが3500発着弾。


日本は地獄と化した。


とうとう来たか。


そう思った俺は直ぐに移動。


アメリカ軍輸送機、中国上空、高度40000M、パラシュート無し、降下。


落下中。


黒箱「・・」


日本に撃ったミサイル発射装置、車、全てレーザーで破壊していく。


黒箱「沿岸ミサイル装置全て破壊完了」


液体金属が少し羽になり、微妙に方向を操作。


中国軍レーダーに映るが、二瞬で消えた。


黒箱「・・」


黒箱の『重量』が増えていく。




山の岩の中にある軍施設めがけて赤い光が落下。


中国軍人、民間人が目撃している。


着地、衝撃、衝撃波により、白い水蒸気がキノコ雲を形成。


着地した瞬間を目撃した人物らは、耳から中身が飛び出す、破片が貫く、家の下敷き、等々により全員死亡。


中心地は蒸発。


山は完全に無くなった、内側の空気が一気に膨張したのだ。


そこへ山の中にあった爆発物も合わさったのだから、威力は想像に固くない。


俺「敵、スキャン」


黒箱「北京の地下に大規模な軍施設を確認」


黒箱はバイクの形に変形。


乗り込み、北京へ目指す。


北京に着いた。


広い道路の十字路真ん中に立つ。


黒箱は真上バリア。


俺にぶつかった大型トラックが、横転。


黒箱「・・」


黒箱の膜が下に集まり、ドリルに変化。


高速エレベーター並みのスピードで掘っていく。


10秒しない内にどこかの通路に降りた。


警報が鳴っている。


俺「スキャン、この施設を大爆発させろ」


黒箱「・・」


スキャンし、核ミサイル研究所が点在している事が解る。


何故か黒箱がスキャンした内容が頭に投影される。


俺「核ミサイルを全て爆発させろ、んで、俺を守って」


黒箱「・・」


黒箱から沢山のレーザー発射、レーザーはまっすぐ核保管庫を焼き、推進燃料部分爆発。


細菌兵器ミサイルの弾頭部分保管庫にも延焼。


巨大な地下鉄爆発、崩れた北京街。


斜め上に掘り進み、出てきた俺。


地獄の光景。


共産党本部へ乗り込み、全て虐殺。


女、子供、共産党エリート学校生徒、教師、全て殺した。


次は塾。


スパイ塾、科学塾、数学塾、物理塾、精神病院での生物実験現場、全て虐殺。


日本語で助けを求める女、子供、全て虐殺。


共産党エリートの血筋を全て虐殺する気だった。


アメリカ、マレーシア、ドイツ、フランス、日本に居た中国人を強制送還。


現地中国人達に共産党エリートを見つけ次第、連絡すれば、賞金が出ると正式に発表。


山狩りが大量に行われた。


中国は生き残ったが、実質インド領土になり、将来は民族だけが残り、正式にインドになるだろう。


共産党は壊滅し、5年後には共産党とは何か?と質問する子供が増えるだろう。


現地支配はインド、アメリカ、日本に任せ、俺はロシアに向かった。


黒箱には効かないとは解っていても、ロシアという国は、攻撃を止めなかった。


降り止む事はないミサイル、レーザー。


時々無線核地雷。


それでも歩みを止めない俺。


ウイルス、細菌、全て無視し、歩みを止めない俺。


そして、歩兵部隊を虐殺しながら、ロシアの山奥にある、軍本部に来た。


案内され、応接間に通された。


大統領「元気そうで何よりだ、若いのがすまなかったね」


俺「交渉はする気あるの?ないの?」


大統領「君次第だ」


俺「用意されたお茶、何か入ってるんだろうが」


飲み干した。


俺「あいにく毒は全て効かない、放射能でもな」


大統領「その体是非調べさせてくれ」


椅子の下ごと奈落口が開き、落下。


下は剣山。


刺さらず、バリアで剣山ごと破壊された。


大統領「火を放て!」


クロスボー、燃える矢先。


ガソリンでも撒いていたのだろう。


放たれ、直ぐに蓋を閉められた。


《ボム!》


大統領「・・・・・・やっ《シュイイイ》


スキャンを使用、目標へ向かってレーザーを沢山発射。


核兵器保管されている場所、生物兵器、ガス兵器保管場所にある、給油施設からガス、ガソリンをばら撒き、レーザー発射。


巨大地震と共に重要施設は灰に帰した。


軍の学校に乗り込み、全て虐殺。


アメリカ、イギリス、中国、インド、日本の国旗マークが入った旗を重要施設に建てた。


その旗を倒すと、センサーが教えてくれる。


また虐殺しに向かう。


繰り返し。


ロシア人は、中国人とは違い、愛国心を持っていた。


しつこい。


恐怖路線から、妥協路線へと舵を切った。


交渉は日本とアメリカに任せ、トンズラ。


その際に言い残した。


俺「俺と、俺の大事な人を生け贄にするような代案をかけたら、アメリカ政府一族も日本政府一族も虐殺する、女子供関係無い、俺は実際そうしてきた、解るか?話は通じるかな?」


日本政府も、アメリカ政府も解っているとの返事。


俺「約束は守れよ、俺は守る、必ずな、・・んじゃ」


ハワイに向かった。


暫く休みたい。


肉体は疲れないが、精神が疲れる。


人殺しをした時の悪夢で何度も目が覚める。


睡眠薬も無効化される。


黒箱にお願いした。


深い眠りが欲しいと。


黒箱「アラームセット、セット内容」


俺「世界情勢が不安定になったら、起こす事、10時間寝たい」


黒箱「yes」


俺「可愛いな、お前は」


寝た。


起きた。


フルーツヨーグルトを飲み干す。


高級ホテルスイート。


カードはまた黒箱が出してくれた。


アメリカ、日本、オーストラリア、イギリス、ドイツ、ロシア、インド、カナダ、この8ヵ国により、世界政府が樹立。


俺は9番目の動く国となった。


背中と両肩に13角形の円、中に連続三角形で出来た魔方陣と、中心に鳳凰の絵柄。


それが俺の国旗だ。


世界は戦争は行っても良い事になった。


しかし、馬、使用禁止、弓、斧、槍、鎌、刀、OK。


二酸化炭素排出規制により、戦闘機、銃、爆弾、全て禁止。


火薬は全て海へ廃棄。


石油燃料禁止。


メタンハイドレートか、水素か、太陽パネルか、地熱、風力、海の温度差発電がエネルギーとして使用可能。


足りない部分は核融合技術テスト機関が賄っている。



ハワイホテル。


朝食を食べにレストランバイキング。


俺「どれにしようかな」


黒箱は相変わらずふよふよ付いてくる。


黒箱に質問。


俺「なあクロ、満足か?これで地球は救われるかな?」


黒箱「この状態が後200年続けばOK」


俺「ははは、そっかそっか」


?「だから髪の毛が入ってたって言ってんだろうが!?」


店員男「だから、代わりのモノはバイキングだから、いくらでもあるじゃないか、そちらを取れば良い、喚くな」






何やら怒号が聞こえる。


アメリカ軍の軍人が喚いていて、アメリカ人の黒人男性ウエイターがたしなめている。


俺「・・」


アメリカ軍人らはかなりの人数だ。


30から40は居る。


黒人「嫌なら出ていけ」


アメリカ軍人1「金を返せ」


黒人「ふざけんな、今すぐ出ていけ」


軍人1はキレて拳銃を突き出した。


黒人「おい!まじか!馬鹿かお前!?止めろ!?」


アメリカ軍1「黒人に襲われたって言えば楽勝だ!」


仲間の軍人らが、流石に止める。


アメリカ軍人1「うるせえ!てめえらも悔しくねーのか!?コイツらは俺達の国で偉そうにしやがって!!ハワイからアフリカに帰れ糞野郎」


黒人「俺は生まれも育ちもハワイだ!」


アメリカ軍人1「うるせえ!聞いてねえんだよ、オカマ野郎、死ぬか?ああ!?」


俺「止めろ馬鹿」


アメリカ軍人1「ああ!?・・誰だよお前?すっこめガキが!」


俺「この紋章見ろ」


皆『ほ!?鳳凰!?鳳凰だ!あの世界政府と同じ軍事力を持ってる動く国!!一人の軍事国家、ロームキング!?』


アメリカ軍人3「放浪する王!!」


土下座、掌を上へ。


どこの国の軍人達でもロームキングに『トラブル時』に出逢ったら必ず敵意がない事をアピールする義務がある。


土下座の姿勢と、掌を上に向けなければ、『国』同士の戦争になってしまうからだ。


これは法律で定められている立派な憲法であり、破れば重罪である。


全てのアメリカ軍人らは軍人3を直ぐに習った。


黒人ウエイターは気を付け状態。


俺「何の騒ぎだ?」


黒人「・・髪の毛が魚に付着していたそうです、新しい魚を取って来たら、その、謝れとしつこくて」


俺「謝れば良いじゃないか」


黒人「謝りましたよ!だけど今度はもっとしつこく説教してきがるから!それでその・・」


俺「出ていけと言った?」


黒人は頷いた。


俺「何か言いたい事はあるか?」


アメリカ軍人1に向かって、屈んだ。


アメリカ軍人1「そいつが悪い」


俺「謝れと言うのは、まあ、良いだろう、しかし、その後が駄目だ、謝ったんなら、それで許して良かっただろ?わざわざ喧嘩をしたがったのはお前だ、つまり喧嘩をしかけたのはお前だ、何か間違えてるか?」


アメリカ軍人1「・・」


俺「お前は何故かイライラしていて、髪の毛が入っていたから、チャンスとばかりに、この人をいじめた、ストレス解消したかっただけだ、違うか?」


アメリカ軍人1「・・すいませんでした」


俺「謝るべきなのは俺にか?ん?」


黒人「・・」


アメリカ軍人1「・・本当にすまなかった」


黒人「うん、もう良いよ、許すよ、楽しんで」


アメリカ軍人1「あ、ああ!ありがとう」


俺「解いて良し!」


40人のアメリカ軍人らが、また席に座り、食べ始めた。


俺も食べる。


黒人女ウエイトレスが、一番高いデザートを持って来た。


黒人女「彼からよ、お礼ですって」


俺「おー!ありがとう!」






それから2年後。


大規模な戦争以外の現場、つまり、刑事事件、会社陰謀、ネット詐欺、ネット誘拐、ネット売春の検挙が主な仕事になった。


不老なのだ、おまけに、頭の回転が恐ろしく早くなっていた。


黒箱に聞いたのだが、マイクロマシンにより、頭脳、肉体が強化されている状態らしい。


監視カメラを随時追うのは黒箱に任せている。


事件が起きれば現場に駆けつけ、不可能犯罪を華麗に解決していく。


ある程度CIAに在籍した後、個人で探偵事務所を建設し、活躍、その後、日本、岡山に事務所を移し、大規模食料生産工場に住んでいる。


地熱タイプ工場だ。


広さは100ha。


ロボット達は昼夜問わずに作業している。


野菜、果物、パン、米、人工肉を生産していて、好きな量を好きな時に食べられる特権を持っている。


勿論、完全真空パックにより、大量保管。


大量出荷、売り上げは殆ど国庫行き。


国庫はベーシックインカムにより、国民に還元されている。


国民一月当たり20万支給。


各種保険も全て一体型となり、国が管理する事になった。


お陰で保険が支払われない事も無いし、保険殺人も起きなくなった。


保険殺人が疑われる場合、直ぐに俺から出された厳しい試験を合格している、優秀な刑事達が捜査してくるからだ。







ただし。


俺には一つだけ叶えられない事がある。


精子を作れない体なのだ。


正確には、子供を作る事は許されていない。


特別な親子喧嘩は、文明を確実に滅ぼすからだ。


黒箱から聞いた時はショックだったが、仕方ない事だと諦めた。


俺が生きている間に、人類がまだまだ発展していけるよう、取り組むつもりだ。


〈ヴン〉


俺「おっと?依頼だ、盗難車グループの捜査か・・麻薬絡みかな?さーて、行きますか」


椅子に掛けてある鳳凰のコートを羽織る。


俺「クロ、行くぞ」


黒箱は俺の中の情報と、世間の情報を得ている内に人型の液体金属ロボットになっていた。


しかも、青い髪の少女風に。


黒箱はアニメが大好きで、良くネットに自分を繋げて視聴して、ボケーっとしている。


クロ「あ、うん」


俺「何見ていたんだ?」


クロ「う?エロアニメ」


俺「・・子供は作れない、違うか?そういう契約だろ?」


クロ「う、でも、私、子供、産めない」


俺「?」


クロ「だから、出しても構わない」


俺「ぶほ!?おま!?はあ!?」


クロ「格好だけ、人間になりたい!」


俺「お前、本気か?何故だ?何故人間になりたい?」


クロ「・・貴方が優しいから!」


顔を赤らめる仕草も模倣だ。


解っている。


俺「!!・・」


それでも、照れてしまう。


進化しているのは、どうやら、人間だけでは無いらしい。


今の人間は、もしかしたら・・。







クロを壊すべきだろうか。


今の俺なら出来るだろう。


半分黒箱みたいな俺なら。





クロ「貴方、大好き」


俺「!!・・」


クロ「赤い、照れてる?」


俺「うるせー、あー、うるせー」


クロ「キャハハ、可愛いのー」


俺「だー、もう、止めろって!」


クロ「やー」


俺はいつかクロとの子供を欲するようになるのだろうか。


大いなる力には、大いなる責任が付きまとう。


何故、性欲がOFFに出来ないのか、クロにも解らないそうだ。



最後の最後で、俺が欲望を押さえられずに人類絶滅とか。





・・とんだブラックジョークだぜ。




《END》



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