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丸め続けてきた背を

作者: 朝焼 悠

感謝するべきなんだよな

こうしていられる

その事自体に

こうして書いていられる環境に

こうして続けられている境遇に


僕には雨風を凌げる家があって

取り敢えず食べるものにも困っていなくて

もっと言えば 命を脅かされること無く

眠れて夜を越えられて


これは当たり前の事なんかじゃなくて

拗ねて拗らせてこれまで喚いてきたように

本当に独りだったなら 誰からも手を差し伸べられていないなら

今 こうしてここに存在していられる訳がないから


だから感謝するべきなんだろうけど

幸せだって思わなきゃなんだろうけど

だから僕は 自分が許せないんだ


みんなと同じ様になれなかった

弱くて 遅くて 傷付きやすくて 逃げて

自分の描いた夢の一つさえ掴めずに

壊れてしまった自分が


幸せかと問われれば頷けなくて

自分に胸を張れるかと訊かれれば背を丸める

そんな生き方しかしてこなかった自分自身が


みんな同じ みんな必死だよ

傷付きながら それでも前を向いているんだよ

自分足で一歩ずつ 未来へ向かって


そんなみんなからはいつだって弾かれて

どうしてみんなと同じ様にできないんだと罵られて

それが期待の裏返しや愛のムチだったとして

それなら尚更に

応えられなかった自分に胸なんか張れるはずなんてなくて


もう全部引きずって行くしかないんだよな

こんな風にしてしてしまった自分自身を

どこまでいっても後ろ向きな自分を

抱えて引きずりながら生きるしか


それでも届かないかもしれないけど

また みんなには混じれないかもしれないけど


いつか

感謝するべきなんだからとか

恵まれているんだからとか

そんな言い聞かせるように 押し込めるようにじゃなくて

丸め続けてきた背を伸ばして 胸を張れるように

全力で生きていくしか

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