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第九章 飛華秘話(第八章までのあらすじ)

王朝の首都、華都かとには、官吏登用試験用の私塾「山麓さんろく」があった。

欧陸洋おうりくようは、そこに通う十六歳の学生である。

華都では、最近、灰色の目をした賊が現れ、店ごと何らかの術で吹き飛ばすという事件が多発している。

仙人のしわざだ、と言われていた。

ちょうどそのころ、灰色の目をした楊淵季ようえんきが「山麓」に入塾する。


ある日、仙人を名乗る老人が「山麓」に現れた。

老人は、教室の壇上で従者に持たせた仙鏡を取り出す。

そこには、隣室にいる学長・黄徳志こうとくしが映っていた。

老人が鏡に向かって首を絞める動作をしてみせると、

鏡の中の学長が苦しみ始めた。

欧陸洋と楊淵季は、隣の部屋に駆け込んだ。

学長を救い出そうとしたところ、老人が入ってきた。

老人は、楊淵季に共に来るように言い、さもなくば欧陸洋を殺すという。

楊淵季は応じ、連れ去られた。

欧陸洋の見守る中、学長は息を引き取る。

その間際、見開いた学長の目は、灰色だった。


残された欧陸洋は、役人に殺人容疑をかけられる。

鏡越しに人を殺すなど不可能だ、と考えた役人は、事件直後に学長のいる部屋に入った欧陸洋と楊淵季を疑ったのだ。

欧陸洋は、楊淵季に罪をかぶせたがる役人を拒絶する。

居場所のなくなった欧陸洋は、友人の周仲興しゅうちゅうこう孫伯文そんはくぶんと共に華都を脱出する。

その際、「山麓」で働いていた少年、程適ていてきを巻き込んで、連れ出してしまった。


欧陸洋らは、逃げた先で、周仲興の知り合いの宿屋に身を寄せた。

その宿屋で、玄都げんとという街の近くに龍鳳山りゅうほうざんという仙人の国があると知る。

そこに行けば、犯人である仙人を見つけられるかも知れない。

陸洋らは、龍鳳山を目指すことにした。

ところが、宿屋の主が周仲興の父と通じており、陸洋らは仲興の家の者に引き渡されそうになる。

仲興は、陸洋、伯文と共に周家の者を撃退することを決めた。

陸洋は、お守り代わりの帯玉を程適にもたせ、先に逃がす。

三人は船に乗り、周家の追っ手をかわそうとするが、失敗。

仲興と伯文は、陸洋を南方に逃がした。


一人きりになった欧陸洋は、船での漂流を経て、玄都に向かう。

途中、帯玉を返すために追ってきた程適と合流、

とうとう、玄都に到着した。

玄都で二人は、仙人国である迂峨過都うおことと、その支配者で仙鏡で人を殺す「天君てんくん」について教えてもらう。

その迂峨過都の「天君」から呼び出され、欧陸洋は仙人国に上ることになった。


小船で迂峨過都に到着した陸洋は、文明の高さに圧倒される。

天君がいるという龍鳳洞に向かう途中、陸洋は武偉長ぶいちょうという金髪の大男に出会う。

しかし、武偉長は天君に殺されてしまう。

やはり、鏡を使った遠隔殺人だった。

天君は、陸洋に、楊淵季に仕えるよう迫る。

陸洋が隙をついて逃げ出したところ、頭上に虹色の鸚鵡が飛んできた。

楊淵季と合流した陸洋は、龍鳳洞から脱出した。


二人は、武偉長の殺害現場であったと考えられる、龍鳳洞にほど近いやぐらに上る。

やぐらでは全面鏡でできた箱と、ガラスの目がはまった小さな玉を手に入れたが、使い道がわからないままだった。

欧陸洋の身を案じた楊淵季は、彼を何虎敬の元に連れて行く。

彼なら陸洋を保護してくれると考えたからだった。

結局、何虎敬のとりなしで、欧陸洋も楊淵季も馬虎飯店に匿われることになった。

しかし、何虎敬は天君の出頭命令に応じ、龍鳳洞で捕らえられてしまった。

二人は、何虎敬を救い出すべく、龍鳳洞に向かった。


龍鳳洞の鏡の間では、何虎敬の処刑が始まっていた。

何虎敬の体は突然宙に浮き、天井の穴から吸い出される。

同時に爆発が起き、辺りには血肉が飛び散った。

陸洋と淵季も龍鳳洞に囚われ、迂峨過都の歴史について学ぶことになる。

歴史によれば、不思議な遺物を与えたいにしえの人が、天君に国を託したのだという。

天君の資格があるかわかる宝物があると知らされた淵季は、自分に資格があるか試すことにした。

淵季は、自分には資格がないと確信していたが、「汝為天君」という文字が宝物にの中に浮かび上がった。

誰もいなくなった部屋で、陸洋も宝物に手をかざし、自分が国を滅ぼす異形であることを知る。

自分の境遇に戸惑う二人だったが、窓から飛華洞の道士たちが葬儀を行う様子を見て、違和感を感じた。

彼らは真実をつきとめるべく、龍鳳洞を抜けだそうとする。

だが、天君に見つかってしまったのだった。

お読みいただきありがとうございます!

今日はこのあと、11時に第九章(一)を更新します。

よろしくお願いします。

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