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 朝が来るのを待ち続けても永遠に訪れない世界。

 薄明かりがあるのが日中だと気付くのに随分と時間が掛かった。


 食べ慣れない甘く塩辛い味の食事を1日2回提供してくれているのが

 言葉も通じない相手だと気付くのにも時間が掛かった。


 言葉は通じなくても意思疎通を図るために合わせた視線の先には

 パっと見は似ていても爬虫類のような瞬きをする別の生き物だと気付くのにも時間が掛かった。


 

 太陽がないとこうも気が滅入り、恐怖が先行し、判断も鈍るのだと、

 そして自分ではどうすることもできないのだと毛布に包まりながら鍵の掛かった扉を見つめる。

 

 この接遇はとても親切な部類だろう。


 私ならこんな風によくわからない生き物を持ち帰って世話などしない。

 昔から外面はすこぶる良く、猫はしっかり被って生きてきたけれど

 まさか飼い猫扱いされるようになるとは思ってもみなかった。


 扉が開けば、ただただ撫でられ、時折湯浴みをし、着替えさせられ、膝上に抱きかかえられ、私は耳元で愛の歌を囁く。

 

 窓の外、極夜の空。

 あの輝く星々の中に、私の知る青い星はあるのだろうか。



 パチパチと燃える暖炉の炎と、大切にしようと抱きしめられる腕に温められながら穏やかに時間が過ぎ去ってゆく。

 日付感覚なんてとっくに無いので一日かどうかもわからないけれど。



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