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第79話 王都グロリオーサ

 所定の手続きを済ませ、俺達は王都へとやってきた。

 アカンサスも都会だと思ったが、王都はその比じゃないな。


 道幅もそうだが、立ち並ぶ店舗の規模が違う。見たこと無いほどの、大きな建物が立ち並んでいる。

 主観の問題かもしれないが、通行人もどこか垢抜けている気がした。


「これが都会ってやつか」

「ご主人様、田舎者みたいな発言はやめてくださいまし」

「しょうがないだろ、実際田舎者なんだよ。それに王都なんて初めてきたしな」


 視界の隅では俺と同じ感想を抱いていただろう、ミントとリユゼルの二人がハッとして、慌てて表情を取り繕っていた。


「今度こそセンティッドへ到着ですね」

「それは違う。センティッドは国の名前であって首都の名称ではない。首都はグロリオーサと言うのだよ」


 はしゃぐタイムはエドガーに水を差されている。

 俺達の面々ではしゃいでいないのは、エドガーを始め姉さんとリナリア、そしてアンゼリカさんくらいなものだ。

 来たことがありそうなリナリアとアンゼリカさんはともかく、姉さんがはしゃいでないのは不思議だ。


「姉さんはもうちょっとこう、はしゃいだりとかはしないのかよ」

「アカンサスより建物がちょっと大きいくらいじゃないか。売ってるものを目にしたならともかく、外観だけなら然した感慨はないさね」

「あっじゃあ後で中を見て回ろうよ」

「その為にも、先に用事を済ませないとな。それでエドガーこの後はどうするんだ?」

「すぐに王城へ、と言いたいところだがね。まずは宿へ向かうとしよう」

「急ぎではないのですか?」


 エドガーの指針にリナリアが疑問を挟む。


「王城へ出向くにも準備が必要なのだよ。申し訳ないが君たちのその身形で王城へ向かわせるわけにも行くまい。まずは適当に誂えるとしよう」


 エドガーは適当にごまかしたが、恐らくそれだけではない。きっと色々と根回しが必要なのかもしれない。

 火急の王命でそんな物が必要になる状況など、考えるだけで頭が痛いが、それが今のこの国の現状ということか。


「良いのか? 俺達にそんな余裕はないぞ?」

「その点は気にする必要はない。これも必要経費のうちだね」

「それは私も良いんでしょうか」

「君は自前のものがあるはずだね?」

「何分火急のこととお受けしたもので、準備が万全とは言えません。ですから私も適用されるべきではないでしょうか」

「……好きにしたまえ」


 エドガーが押し負けてて少し笑える。


「とにかく、まずは宿へ向かうとしよう」


 俺達はエドガーに案内されるまま、そのまま宿へと足を運ぶことにした。

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