空飛ぶ船の攻撃
【カナン大地 丘陵】
大地を一望できる丘にやってきた風の一団
緑の大地の中央に、色とりどりのテントが並ぶ
鼻をひくつかせて風の匂い感じるジェス
風の民:「お仲間のことが気になりますか?」
ジェス:「まあな」
鼻が異常な匂いを嗅ぎつける。風が焼ける匂い
南の空の向こうから黒い点が近づいてくる
【港町ポート・オブ・エリア 桟橋】
青い一つ星の旗の船、マリア・アズーラ号が入港してくる
桟橋で出迎える元乗組員達
タラップが降りて、青いドレスのベルタがしずしずと降りてくる
元乗組員:「お頭、お久しぶりです」
ベルタ:「元気そうねみんな」
ベルタ:「どう?オカの暮らしは慣れた?」
元乗組員:「いやー海が懐かしいですよ。もう一度お頭と海を駆け回りたいですね」
優雅だが、寂しげな微笑みを浮かべるベルタ
その頭上を巨大な影が通り過ぎる。辺り一面を覆い尽くす巨大な空飛ぶ影
あっという間に飛び去る巨大な影
険しい表情で見るベルタ
【カナン大地 中央会議場のテント近く】
馬上で警備につくオリバーとフレイの師弟コンビ
空飛ぶ異変に気がつくフレイ
フレイ:「マスター、あれはなんですか?」
空飛ぶ影に目をこらすオリバー
フレイ:「マスター!」
どんどん近づいてくる黒い影
【カナン大地 太陽のテント内】
テントの中で談笑するファロスとサーラ、それに侍女のアリア
テントがバタバタと、やかましい音を立てて風で揺れ始める
揺れるテントの天井を見上げる3人
テントの外に出るファロス
サーラ:「おいでアリア。離れちゃだめよ」
ファロスに続いてテントの外に出るサーラとアリア
【カナン大地 中央会議場】
空を見上げるファロス
巨大な影が『空飛ぶ船』になって降りてくる
サーラ:「何これ」
◆回想シーン
南海の孤島
開発中の空飛ぶ船
サーラ:「空飛ぶ船!」
ファロス:「そうだ。多分村に来たのと同じだろう」
風を巻き上げて降りてくる空飛ぶ船
暴風の中、どうにか吹き飛ばされずに立っている3人
船の機体の一部が割れてタラップが伸びる。2つの人影がゆっくりと降りてくる
先を行くのは、赤毛のショートヘア、白い肌に赤い唇、サングラスに黒いレザー&スタッド姿の若い女
その後ろを歩くのは、なんとヒューマ
サーラ:「ヒューマ?」
ファロス:「何をしているんだ?」
地上に降り立つ若い女とヒューマ
2人を下ろすと飛び上がる空飛ぶ船。船の下部から2本のツノのようなものが伸びてくる。
ファロス:「なんだ?」
2本のツノは、赤く光り空気中の塵や粒子が集められていく。
険しい表情の騎士の師弟
サングラスの女の声「伏せて!」
◆サイレント&スローモーション
叫ぶサングラスの女
走り出すヒューマ
不安げに寄り添う大地の娘達
2本のツノから強烈な熱線が発射される
◆スローモーション解除
カナン大地にふくれあがる巨大な火急
そして弾ける
◆サイレント解除
大爆発:「ドッカーン」
【カナン大地 丘陵】
眼下の大地に膨れあがる火の玉
ジェス:「なんだありゃ・・・」
熱風と爆風が炸裂する
ジェス:「ヒューマ!」
駆け出そうとするジェス
風の民:「族長。お気持ちはわかります。ですが、族長にもしもの事があったら、せっかくまとまりかけた風の民はどうなるんです?」
一族の顔を見回すジェス
風の民:「お気持ちは解りますが、ここは抑えてください」
爆風が消えた丘陵から望むカナン大地はひどくおだやかに見えた
【港町ポート・オブ・エリア】
【マリア・アズーラ号甲板】
見張り台の上で遠めがねを見る見張り
マストの上の見張り台を見上げるベルタ
見張り:「まったく解りません、ただ」
ベルタ:「ただ?」
見張り:「とんでもないことが起きたのは確かでしょう」
読了ありがとうございました。
まだ続きます。