それぞれの旅路
1か月にわたって投稿してきました「太陽が昇らない国の物語 第二部」ですが
今日で最終投稿になります
【港町ポート・オブ・エリア 桟橋】
港に停泊中のマリア・アズーラ号
桟橋にいる司る者の一行
ミランがやや輪から外れている
サーラ:「ねえ、1人じゃ危ないって。ベルタに手伝ってもらいなよ」
首を横に振るミラン
ミラン:「ありがとう。でもこれは私の問題なの」
ヒューマ:「いや、そうは言っても」
フレイ:「ミラン」
フレイをじっと見つめるミラン
ミラン:「もう、みんなには沢山助けてもらったもの。1人で大丈夫よ」
渋面のファロス、ジェス、フレア
ベルタ:「ミラン」
進み出るベルタ
ベルタ:「あなたのしたいようになさい。あなたの人生だからね。でもね」
静かにミランを抱き寄せるベルタ
ベルタ:「困ったり、悩んだりしたら、いつでも戻っていらっしゃい。あなたは私たちの大切な家族なんだから」
ミラン:「ベルタ・・・」
抱き合う火の探求者と清流の聖女
ミラン:「じゃあ私、行くね」
小さくなっていくミランの小さな背中
ファロス:「本当は助けてやりたいんだが・・・」
切なげにミランの背中を見つめているフレイ
セレン:「みなさま。大変お世話になりました」
ヒューマ:「もう行くの?」
セレン:「はい、妹をきちんと埋葬してやらなくてはなりません。それに魔法も、やはり封印したほうがよろしいかと」
ファロス:「まあ君なりに世界の役に立つ方法を考えてくれ。それもひとつの手だ」
セレン:「今は封印した方が良いと思うのです」
サーラ、フレア、グレイス、ベルタ、アリアの方を向くセレン
セレン:「女子の皆さん。もし夜空の月を仰ぎ見ることがあったら、翌朝はお化粧をしてみてください」
セレンは大男2人を従えて去っていった
ジェス:「オレは、部族に戻るけど、ベルタ、どうする?」
ベルタ:「そうね。少し海を離れたい感じかしら」
ヒューマ:「海を離れる?」
サーラ:「ベルタが?」
ベルタ:「おかしなものね。私は流水の聖女で、水を司る者なのに、海辺から離れたいなんて思ってしまうの。
私たちはどうあっても、そこは人間なのね」
少し悲しみが見え隠れする、海を見るベルタの横顔
ジェス:「じゃあ行くか」
グレイス:「この子も喜ぶわ」
甥っ子をだっこするベルタ
ジェス:「じゃあファロスの旦那。俺ら行くわ。しめっぽくならんうちに」
ベルタ:「私にしめっぽくならないっていうのもヘンよジェス」
ジェス:「それもそうだな」
ファロス:「次はもっと違うことで集まりたいな」
ジェス:「次はね。じゃあまたなヒューマ、サーラ、フレアさん、それにアリアちゃん」
ヒューマ:「うん」
サーラ:「元気でねジェス」
ジェス:「化粧なんかするんじゃねえぞサーラ。お前はそのまんまが一番キレイなんだからな」
サーラ:「うん」
残った一行に星の騎士の一団がやってくる
オリバー:「これで一段落ですかな」
フレイ:「マスター・・・」
ファロス:「おお、これは。今回は多くの協力感謝します」
オリバー:「なにをおっしゃる。我が騎士団にとっては当然のことです。フレイは役にたちましたか?」
ヒューマ:「役に立ったどころか」
サーラ:「彼がいなかったら、どうなっていたか解らなかったんですよ」
オリバー:「なんと。そんなにですか!喜べフレイ。今回の功績が認められれば、五等星の騎士に昇進も可能だぞ」
リアクションが良くないフレイ
オリバー:「どうしたフレイ?」
フレイ:「マスター。私は本当に正しかったのでしょうか?昇進にも値するくらいの功をあげて、それだけで良かったのでしょうか?」
オリバー:「もちろんだ。私もお前のような弟子がいて誇りに思う。お前は星の騎士団の誇りだ」
フレイ:「しかしマスター。私が本当に守りたいものは、星の騎士団にいては守れないのです!」
(まさか)と顔を見合わせるヒューマとサーラ
オリバ−:「なんと、我々星の守護者でも守れないものがあるとは?それはいったい何だ?」
フレイ:「ミランです」
オリバー:「ミラン?それは、あの娘ではないか?我々騎士団はあの娘を守ったぞ」
フレイ:「私が守りたいのは、ミランの心なんです。形のない心なのです」
オリバー:「うむ。かつて我が騎士団でも、そのような物は守ったことがないはずだ」
必死に笑いをこらえるヒューマとサーラ
サーラ:(相変わらず物々しいね)
ヒューマ:(もっと簡単にできないのかな)
フレイ:「私は、その形のないものを守りたいのです。そしてさらに騎士としての高みに昇りたいのです」
オリバー:「よくぞ言ったフレイ!見事、形なき心を守ってみよ!我が弟子よ」
フレイ:「ありがとうございますマスター。では私フレイザードは、ミランの心を守るために、たった今星の騎士を辞めます」
オリバーに星の盾を渡すフレイ
オリバー:「なぬ?」
フレイ:「ヒューマ、サーラ、オレ行くよ。オレじゃあ力不足かもしれないけど、ミランを守ってみせる」
ヒューマ:「がんばれよフレイ」
サーラ:「あなたなら大丈夫よフレイ」
ファロス:「ミランを頼むフレイ」
ミランの後を追って走り出すフレイ
走るフレイ
ミランの背中が近づく
追いつくフレイ
ぎょっとするミラン
ミラン:「なんで、ついてくるの?」
フレイ:「行く方向が一緒なだけだよ」
さっさと歩き出すミラン
追いつくフレイ
振り切ろうとするミラン
追いつくフレイ
ムキになって走り出す2人
同時に足がもつれて地面に転がり、天を仰ぐ2人
2人の手がお互いを探す。
固く結ばれる火の探求者とはぐれ騎士の手
サーラ:「いいなミランは」
ヒューマ:「何が?」
サーラ:「守ってくれるナイトがいてさ。私も守ってくれるナイトいないかな」
ヒューマ:「ナイト?サーラに?」
フレア:「今の内に探しておいたほうがいいわよサーラちゃん。ナイトを見つけるのは大変なんだから。ねえ父さん?」
ファロス:「ああ、そうだな」
冗談に乗ってこない歯切れの悪いファロス
フレア:「どうしたの父さん?顔色良くないわよ」
ファロス:「ちょっと・・・・疲れた・・・・だけだ」
くずおれるファロス
ファロス:「(ドサリ)」
ヒューマ:「父さん?」
動かないファロス
◆暗転
ヒューマの声:「父さん!」
太陽が昇らない国 第二部にお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
近日中に第三部の投稿を開始したいと思います。
みなさま、読了ありがとうございました。




