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続く平和の中で

【海上(夜)】



月が映える波間に浮かぶマリア・アズーラ号

穏やかな時間を過ごす一行




【マリア・アズーラ号 甲板】


船長室の近くでは、セレンがメイク教室を開いている

聞いているのは、サーラ、グレイス、フレア、そしてアリア


マストのてっぺんの見張り台にはミランとフレイ


マストの真下で、オヤジ飲み会をしているのはファロスとジェス


舳先(へさき)にいるのはヒューマとベルタという、あまり見ない組み合わせ

マリア・アズーラ号の平和な風景を眺めている


ベルタ:「平和ね・・・」

ヒューマ:「そうだね」

ベルタ:「別に多くが欲しいわけじゃないのよ。いつもと同じ、いつもと変わらないそんな日々が続いてくれればいいだけなんだけどね」

ヒューマ:「・・・・」

ベルタ:「そういうのって退屈だけどね」

ヒューマ:「でも、どこかで世界はおかしくなっている・・・」



ヒューマを見るベルタ

ベルタ:「怒らないで聞いてくれる?」

さすがにベルタの方を向くヒューマ

ヒューマ:「怒らないで?」

ベルタ:「私たちは世界が平和になるために戦ってきた。フレアさんを助け出したり、火の力を弱めたり。だから今の平和な時間があるし、みんな穏やかな日々を過ごしている」

ヒューマ:「・・・・」

ベルタ:「それが私たちにとっては、とても良いことだと言うのは解っている」

ヒューマ:「じゃあ良いじゃないか」

ベルタ:「私たち人間にとっては良い事よ。でもちょっと見方を変えて考えてみて。平和が続いて私たちの子供がたくさん増えたら?」

ヒューマ:「増えたら?」

ベルタ:「大地も海もそんなに広くはないわ。穫れる麦には限度があるし、海の恵みも大地の恵みも限りがある。

 人と海や大地のバランスがおかしくなったら?私たちの子供が増えすぎたら?だとすると平和であることが世界にとって良いことなのかと思う時があるの。特に太陽が復活してからはね」

ヒューマ:「ベルタ・・・」

ベルタ:「私はヒューマと違って、いつも海と一緒にいるから物の見方が狭いのかもしれないけどね」

ヒューマ:「・・・・」


◆回想シーン


火の民の食べ物を作る工場

火の民の族長:「平和な世界が続けば人間は増えてゆき、空も大地も海も足りなくなる。大地や海が作り出す食べ物だけでは足りなくなる」


◆回想シーン おわり


ヒューマ:「俺たちと、世界のバランス・・・」




【マリア・アズーラ号 甲板】

【見張り台】



狭い見張り台で星を見るミラン、そしてフレイ

ミランの手の中には、フレイが持ってきた花がある


ミラン:「キレイだねー」

星空を見るミラン 

ミランの横顔を見ているフレイ

ミラン:「よく、お母さんと見ていたんだよ。村を抜け出して。あの時と変わらない」

フレイ:「・・・」

ミラン:「フレイは星の騎士だから、お母さんと星を見ていたんでしょ?」

フレイ:「僕は両親のことはほとんど知らないんだ」

ミラン:「え?」

フレイを見るミラン


        

今度はフレイが星空を見る

フレイ:「僕たち貴族の子弟は小さい頃から騎士になるために寄宿舎で生活するんだ。だから両親や兄弟はほとんど知らないんだ」

ミラン:「なんで、なんでそんなことするの?」

フレイ:「家族以外を守るためには家族から離れないと。僕ら星の騎士団が守るのは家族だけじゃない」

ミラン:「そんな」

フレイ:「でも、みんなを守ることは家族を守ることでもあるんだ。僕たちはそうやってこの世界を紛争から守っている。それに」

ミランと向き合うフレイ

フレイ:「僕は今、星の騎士になって良かったと思っている。だって君を守れたから」

ミラン:「フレイ・・・」



冷たい影の固まりがミランを襲う

ミランの手の中の花のツボが音もなく割れる

ミラン:「え・・・?」

星空を隠してしまう影が走り去る

ミラン:「なになになに?」

フレイに抱きつくミラン

ミラン:「寒い」

フレイ:「寒い?」





【マリア・アズーラ号 甲板】



飲み会をしているファロスとジェス

セレンの化粧講座に参加している妻達を眺めている

参加しているのは、フレア、グレイス、サーラ、アリア

ジェス:「しかし、女ってのは化粧なんぞが好きなんですかねえ?まさかサーラまでねえ」

目が据わるファロス

ジェス:「サーラなんぞ、化粧しなくてもいいのになあ」

ファロス:「・・・ジェス」

ジェス:「何です旦那?」

ファロス:「女達の尻が誰の尻か言えるか?」

二人の視線の先には、セレンの化粧講座に参加している女性陣4人の尻が座っている



ジェス:「はあ?」

女性陣の尻を凝視しているファロス

ジェス:「もちろん、そんなん簡単ですよ。女の尻なんか」

杯を置くジェス

ジェス:「まだ子供なのはアリアちゃん。最近垂れてきているのはオレの奥さん。貫禄たっぷりなのはフレアさん、着痩せして見えるけど、意外とでっかいのはサーラ。あの尻は・・・?」

目をこするジェス

ジェスの目には5人目の尻が見える

ジェス:「あの尻は?」

舳先にはベルタがいる

ジェス:「ベルタ・・・じゃない」

見上げる見張り台にはミランとフレイ

ジェス:「そんなに飲んだっけか?」

自分で頬を張るジェス

ジェス:「ええと、アリアちゃん、グレイス、フレアさん、サーラ。・・・・」

        


立ち上がるファロス

ムチが一閃

見知らぬ尻の女の手首にからみつく

レザースタイルのベルタ、遅れてヒューマ、ミラン、フレイも構える

ベルタ:「私の許可なく、この船に乗ることはできない。即刻下船しろ!」

ようやく異変に気がつくお化粧講座の面々

サーラ:「ええ?なになに?」

フレア:「だれ?」

弾けるように、ファロスの方に跳び下がる、お化粧講座の面々

ムチを引っぱり五人目の尻を振り向かせるベルタ

????:「私の許可、とはそんなヒドイことをよくも自分に向かって言えるものだ」

一同:「あっ!」



そこには顔はベルタで全身真っ黒の、招かれざる客がいる。

読了ありがとうございました。

まだ続きます。

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