母娘の再会
【裁きの城 場外】
ミランの母、ミリアムと対峙する一行
ミリアム:「あなたは『太陽の子』、あなたは『大地の乙女』、あなた『月の使徒』、それに『清流の聖女』。すごい面々ですね」
フレイ:「みんなミランの友達なんです」
フレイをじっと見るミリアム
ミリアム:「あなたは、『司る者』ではありませんね」
フレイ:「はい。私は一介の騎士です。ミランを、娘さんを守るために来ました」
ミリアム「ミランを・・・」
◆時間経過
揺れるミリアムの「炎上石」のイヤリング
ミリアム:「そうですか。ミランはそんなに多くの方々に助けられているのですね。鬼っ子と言われたあの子が」
サーラ:「鬼っ子?」
ミリアム:「強い力を持って生まれてきたんですミランは。自分の身を滅ぼしかねない火の力を持っているんです」
ヒューマ:「それでもミランはお母さんからもらった火の力を、いつでも誇りに思っているんです。私の力が役に立てば、お母さんが私の事を誇りに思ってくれるって」
ミリアム:「それがミランの心を失わせる原因に?」
フレイ:「ミランを守るのには、私たちだけの力では足りないのです。お母さん、あなたの力が必要なんです」
熱心なフレイをじっと見るミリアム
ミリアム:「ミランは、とっても良いお友達に囲まれて、幸せ者ですね」
サーラ:「ミランも、鬼っ子だって、もっと幸せになっても良いはずです」
ミリアム:「わりました。もう生者ではない私ですが、何をすればいいんでしょうか」
【マリア・アズーラ号甲板】
全身がドス黒いフレア
フレアの手を握るファロス
することが何もなくて、いらだちを隠せないジェス
ジェス:「ファロスの旦那。何かオレにできることはないんですか?」
ジロリとジェスを見るファロス
ファロス:「そうだな、涼しい風でも送ってくれるか?」
ジェス:「涼しい風って?あんたバカにしてるのか?」
ファロス:「ジェス、何かをしたい気持ちは解る。だが時には待つことも必要なんだよ。夜明けを待つようにね。君は自由にかけまわる風だからツライと思うが」
月の円陣が光り輝く
ジェス:「おおっ!」
光りが収まると、人型のシルエットが7人分現れる
ファロス:「おお、ヒューマ!」
ジェス:「うまくいったか!」
グレイス:「ベルタ!」
ヒューマ:「父さん、みんな。無事に帰りました」
ファロス:「それで、ミランのお母さんは見つかったのか?」
しずしず進み出るミランの母ミリアム
ミリアム:「皆さん、娘のミランがご迷惑をかけて申し訳ありません」
ファロス:「いや、孝行すぎる娘さんだ」
ミリアム:「娘にあわせてもらえますか。私の娘ミランに」
【マリア・アズーラ号 船長室】
ヒューマ、サーラ、フレイ、ベルタがミランの周りにあつまる
ヒューマ:「フレイ、君が呼びかけるんだ」
フレイ:「え、オレが?」
ベルタ「そうよ。あなたのキスがミランを一番安心させられたのよ」
ミリアム:「まあ・・・」
フレイ:「いや、あの・・・その」
フレイに注目が集まる
ヒューマの肩を叩くベルタ
(外へ出ていましょう)と合図をする
ソロリソロリと消えるヒューマ、サーラ、ベルタ
フレイ:「え、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
フレイとミリアムだけが残る
フレイ:「あの、その・・・」
ミリアム:「お願いします。優しい騎士さん」
フレイはグローブを外して、以前と同じようにミランの手の甲に口づけをした
フレイ:「ミラン様。君が一番会いたがっているお母様に来てもらいました」
そのままミランの手をミリアムに手渡す
ミリアム:「ミラン起きなさい。ミラン、わかるでしょ?お母さんよ」
ミランとミリアムが赤い光りに包まれる
ミランの顔に表情が戻る
キョロキョロとミランの目があたりを伺う
ミラン:「母さん・・・お母さん」
20日くらいぶりに起き上がるミラン
ミリアム:「まあ、とても似合っているわ。母さんが縫ったドレス」
ミラン「これ、母さんが縫ってくれたの?」
ミリアム:「久しぶりに手縫いしてみたの。大変だったんだから」
ミラン:「ありがとう母さん」
ボロボロと涙をこぼすミラン。大粒の涙をぬぐおうともしない
ミラン:「母さん、私も守ってくれたのね」
ミリアム:「ゴメンねミラン。母さん力がなくなっちゃったのよ。あなたを守るだけで精一杯だったの」
ミラン:「私は、何を支えに生きていったらいいの?私も母さんと同じように死ぬ!」
ミリアム:「ミラン、そんなこと言わないで。あなたは生きなきゃ。あなたを必要としている人がたくさんいるのよ」
ミラン:「ミランにはお母さん以外、必要な人なんていないわ!」
フレイ:「そんなことない!」
割って入るフレイ
フレイ:「そんなこと、ないよ。ミラン」
不思議そうにフレイを見るミランの泣き顔
ミラン:「あなたは・・・?」
フレイ:「みんな君を必要としているんだ。いつか君の力が正しい事に使える日が、きっとくる」
◆回想シーン
5年前のミランとフレイ
ヒューマ:「いつかきっと正しいことに君の力が使えるようになるから」
何日か前のミランとフレイ
フレイ:「いつか、あなたの力が正しいことに使うことができる日がきっと来ます。それまで私があなたをお守りします」
◆回想終わり
ミラン:「あなたが、私を励ましてくれたの?」
フレイ:「いや、あの・・・」
ヒューマ:「そうだよ。彼が君を守ってくれたんだ」
絶妙なタイミングで入ってくる、ヒューマ。
ヒューマ:「おはようミラン」
ミラン:「ヒューマ」
やや、ポカンとしているミラン
ミラン:「私はヒューマ、ヒューマに私のことを、私のしてきたを見て欲しかった、ような気がするんだけど・・・」
半信半疑のミラン
ベルタ:「そうかしらミラン」
サーラ、ベルタ、ジェスにグレイスが入ってくる。
ベルタ:「おめざめはどう、ミラン?」
サーラ:「大きくなったね!ミラン」
ジェス:「よっ!久しぶり」
太陽の子、大地の乙女、流水の聖女、風の旅人が火の探求者のもとに集まる
ミリアム:「みんな、あなたのために力を合わせてくれたの」
ミラン:「こんなにたくさんの人が、私のために」
ジェス:「月の使徒だって、星の騎士団だって、太陽の旦那に、太陽のお袋さんも、お前の事が大好きなんだぜ」
ミリアム:「お母さんは、ミランにもうたくさんのことはしてあげられないけど、あなたにはこんなにたくさんのお友達がいるじゃない」
『うん』といえないミラン
みんながミランに注目をする
ベルタ:「ちょっと、出ていようか」
ヒューマ:「ミラン、戻ってこいよ」
サーラ:「ミラン、あなたがいないと」
ジェス:「あったかいスープ食えなくなっちまうからよ」
騎士の正式な礼をして出て行くフレイ
読了ありがとうございました。
まだ続きます




